メステロロン(プロビロン)副作用ガイド|DHT派生・SHBG低下・HDL/HPTA・モニタリング指標【2026年版】
「自分の症状/状況に当てはまるのか」「いつ受診すべきか」は、ケースで答えが変わります。一般論で判断すると遠回りになりがちです。
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- メステロロン(プロビロン)はDHT(ジヒドロテストステロン)派生のため5α還元の対象外で、フィナステリドが効かない。AGA(男性型脱毛)・前立腺・皮脂・体毛などDHT基底自体を底上げする副作用はむしろ強めに出る。
- 一方で17α-アルキル化されておらず、芳香化(エストロゲン化)もしないため、肝毒性とエストロゲン関連副作用は経口AAS(アナボリックステロイド)の中では穏やかな部類。心血管系はHDL(善玉コレステロール)低下が中心で、テストステロン高用量+メステロロンの組み合わせでは無視できない。
- 副作用プロファイルは「サイクル中(AAS併用)」「PCT(サイクル後ホルモン回復期)」「単独/HRT(ホルモン補充療法)文脈」で別物になる。同じ50mg/日でも、何と一緒に使うかで意味が変わる薬。
> 本記事は個人輸入代行サイトの情報提供であり、医師の診断・処方を代替するものではありません。日本国内で承認されていない医薬品を含み、使用は自己責任となります。健康上の不安がある場合は医療機関で相談してください。
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メステロロン(プロビロン)の副作用を語る前提
なぜ「副作用が穏やか」と「副作用は油断できない」が両立するのか
メステロロンは1967年にシェリング社(現バイエル)が発売したジヒドロテストステロン(DHT)派生の経口アンドロゲンで、欧州では男性性腺機能低下症(ハイポゴナディズム)や男性不妊の補助療法として処方されてきた古い薬です。海外フォーラムでも「副作用が穏やかなクラス」と評されることが多く、姉妹記事のメステロロン用量ガイドでも、肝毒性や芳香化リスクの少なさを軸に紹介しています。
ただし「穏やか」という言葉だけを切り取ると判断を誤ります。メステロロンの副作用は、構造上の特徴(DHT派生・17α-アルキル化なし・芳香化なし)によって消える副作用と濃く出る副作用がはっきり分かれる薬です。
| 領域 | プロファイル | 理由 |
|---|---|---|
| 肝毒性 | 穏やか | 17α-アルキル化なし、肝初回通過で完全には壊れないが、メチルテスト系のような直接ダメージは少ない |
| エストロゲン関連(女性化乳房・水分保持) | ほぼなし | アロマターゼで芳香化されない |
| プロゲステロン関連 | ほぼなし | プロゲステロン受容体への作用がほぼない |
| AGA(男性型脱毛)・前立腺・皮脂 | 強め | DHT派生で5α還元体そのもの。フィナステリドで止まらない経路 |
| HDL(善玉コレステロール)低下 | 中等度 | 経口アンドロゲン共通の脂質プロファイル悪化 |
| HPTA(視床下部-下垂体-性腺軸)抑制 | 用量依存で中等度 | 単独で大きな抑制はないが、高用量・長期では出る |
| 攻撃性・易怒性 | 軽〜中 | アンドロゲン作用が前面に出るタイプ |
つまり「肝臓やエストロゲン側の心配は薄いが、DHT基底とアンドロゲン系の心配は逆に濃い」という、一般的な経口AASとは少しズレた副作用プロファイルになります。
この記事で扱う3つの文脈
副作用の出方は何と一緒に、いつ使うかで変わります。本記事では3つの文脈に分けて整理します。
1. サイクル中(テストステロン系などのAASと併用、目的:遊離テスト押し上げ・硬さ追加) 2. PCT前後(クロミフェン本番までのブリッジ、目的:精神面の支え) 3. 単独/HRT補助(中高年のテストステロン補充療法に追加、目的:遊離テスト比率改善)
同じ50mg/日でも、1のサイクル中では「総アンドロゲン負荷の上乗せ」、3のHRT補助では「単独ではほぼ追加負荷にならない量」という、別の意味を持つことを最初に押さえてください。
> 本記事の用量表記は姉妹記事メステロロン用量ガイドに準じます。当店の取扱い品「プロビロン / 20mg × 100」は1錠20mgで、25mg錠表記で書かれた海外文献を読むときは整数倍で読み替えてください(40mg=2錠、60mg=3錠、80mg=4錠、100mg=5錠)。
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DHT派生・5α還元されない仕組み(AGA/前立腺リスクの実像)
メステロロンの分子構造の特徴
メステロロン(化学名:1α-methyl-4,5α-dihydrotestosterone)は、DHT(ジヒドロテストステロン)の1α位にメチル基を付けた構造です。DHT 自体は、テストステロンが5α還元酵素(5α-reductase)によって変換された強力なアンドロゲンで、毛包・前立腺・皮脂腺で「アンドロゲン受容体(AR)に強く結合する終着駅」のような役割を持っています。
ここでポイントになるのが、メステロロンは既に5α還元体であるという点です。意味するところは:
- フィナステリド(プロペシア)/デュタステリド(ザガーロ)の作用点(5α還元酵素阻害)では止められない
- 体内でテストステロン → DHT というルートを通らず、直接 DHT 様の作用を出す
- 結果として、AGA・前立腺・皮脂・体毛といったDHT 経路で出る副作用は素通りで通る
姉妹のDHT派生薬であるマステロン(ドロスタノロン)も似た構造特性を持ち、マステロンのサイクル設計でも同じ論理で「フィナステリド無効」が語られています。
AGA(男性型脱毛)リスクの実像
「DHT 派生だからAGAが進む」と単純化されがちですが、もう少し正確に整理しましょう。
素因がない人:
- DHT 自体は健康成人男性でも分泌されており、頭髪に問題が出るとは限らない。
- メステロロン使用が直ちに脱毛を引き起こすわけではないが、毛包の感受性次第。
AGA素因がある人(家系・既に M字後退/つむじ薄が進行中):
- 進行を加速させる可能性が、DHT 系AAS全般の中でも比較的明確。
- フィナステリドを併用しても、メステロロンが提供するDHT 様作用は止められないため、頭髪保護対策の主軸が一本欠ける。
- 髪を最優先する人はメステロロン以外の選択肢(芳香化するテスト系を低用量+E2管理、19-nor 系など別経路の検討)が論点になる。
ボディビル文脈で「DHT 系=即脱毛」と言い切るのは雑ですが、AGA素因が濃い人にとってはフィナステリドで防衛できない方向の薬であることだけは、使用前に自覚しておく必要があります。
前立腺への影響
DHT は前立腺の主要なアンドロゲンで、前立腺肥大症(BPH)・PSA(前立腺特異抗原)の上昇とも関連します。中高年(おおむね40代後半以降)では、
- 既に良性前立腺肥大の傾向がある場合、排尿症状(頻尿・夜間排尿・尿勢低下)の悪化があり得る
- PSA 値が上昇するケースが報告されている
興味深いことに、メステロロンを加齢男性症候群(LOH/late-onset hypogonadism)に対して使用した臨床研究では、下部尿路症状(LUTS)スコアの改善が報告されたものもあります(Dugeroglu et al., JPMA 2014, PMID 25842579)。これは「DHT が増えても症状が悪化しない・むしろ良くなる人がいる」ことを示すデータで、年齢・基礎疾患・基礎ホルモン値によって出方が変わることを意味します。
ただしこの研究は加齢男性のHRT(ホルモン補充療法)文脈であり、ボディビル目的の高用量サイクルとはコンテキストが違います。前立腺の家族歴がある人・夜間頻尿が既にある人は、サイクル前の PSA 採血と泌尿器科受診を強く推奨します。
皮脂・体毛・ニキビ
DHT は皮脂腺・体毛の発達にも関わるため、
- 顔・背中・胸の皮脂分泌増加
- ニキビ(特に背中・肩)
- 体毛の濃化
がメステロロン使用者に出やすい副作用です。サイクル中に他のDHT 系(マステロン・スタノゾロール)を重ねている場合は症状が増幅しがちで、洗顔頻度を上げる・吸湿性の高いトレーニングウェアにする等の生活面の対応も並行して必要になります。
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SHBG低下と遊離テスト上昇が「副作用」になる経路
SHBG結合の仕組み
SHBG(性ホルモン結合グロブリン)は、血中のテストステロン・エストラジオール(E2)・DHT などを運ぶ蛋白質で、結合中のホルモンは組織で使えません。総テストステロンの 98-99% は SHBG とアルブミンに結合しており、組織が直接使える「遊離テストステロン」は1-2%程度しかない、という構造です。
メステロロンは SHBG への親和性が高く(Saartok et al., Endocrinology 1984, PMID 6539197で他のAASと並べて結合特性が報告されている)、結合枠を奪うことで結果的に「遊離テストステロン比率」を押し上げる方向に働く——これが姉妹記事メステロロン用量ガイドで「サイクルの隠し味」として紹介されている主作用です。
「効果」と「副作用」が裏表になる
ここで重要なのが、SHBG が下がって遊離テストが上がること自体が、別の副作用経路につながる点です。
| 上がるもの | 結果として起きうること |
|---|---|
| 遊離テストステロン | 性欲・気分・硬さの改善(主作用) |
| 遊離テストステロンが芳香化されてE2(エストラジオール)に | E2 上昇 → 女性化乳房・水分保持・気分変動 |
| 遊離テストステロンが5α還元されてDHT に | DHT 上昇 → AGA・前立腺・皮脂の進行 |
| 遊離E2 比率(E2 もSHBG結合枠を奪われる) | E2 関連副作用が出やすくなる |
メステロロン自体は芳香化しないので、メステロロン由来のE2 上昇はありません。しかしベースで打っているテストステロン・エナンセートやプロピオネートは芳香化するため、SHBG が下がって「遊離テスト→芳香化→E2」の流量が増えると、結果的にE2 関連副作用が出やすくなる、という間接経路があります。
サイクル設計上の意味
この経路を踏まえると、
- メステロロンを足したらアリミデックス(アナストロゾール)等のAI(アロマターゼ阻害剤)用量を見直す必要が出ることがある
- 「メステロロン入れたらジネコ(女性化乳房)っぽくなった」という相談は、メステロロン本体ではなくE2 経路の二次効果のことが多い
- 採血ではTotal T/Free T だけでなくE2(感度の高いLC-MS/MS 法推奨)も追う必要がある
メステロロンを「副作用が穏やかだから安心」と単純に捉えると、E2 管理に穴が空く構造です。AI を併用する場合はアリミデックス 1mg×50を持っておく人が多いですが、メステロロン用ではなくベーステスト用の調整役という位置付けです。
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肝臓への影響(17α-アルキル化なし・でも安全とは限らない)
17α-アルキル化とは何か、なぜメステロロンにはないのか
経口AAS は飲み込んだ後、最初に肝臓を通過します(肝初回通過効果)。普通のテストステロンは経口投与しても肝臓でほぼ分解されてしまうため、ボディビル文脈で使う経口AAS は、肝臓で分解されにくいよう17α位にアルキル基を付けた「17α-アルキル化(c17-AA)」処理がされていることが多いです。
代表例: メチルテストステロン、メタンドロステノロン(ダイアナボル)、スタノゾロール(ウィンストロール)、オキサンドロロン(アナバー)、フルオキシメステロン(ハロテスチン)等。
この17α-アルキル化が肝毒性の主犯で、胆汁うっ滞(コレスタシス)、AST/ALT(肝逸脱酵素)上昇、肝紫斑病(peliosis hepatis)、肝腺腫といった肝障害につながります。
メステロロンは17α-アルキル化されていません。代わりに1α位にメチル基が付いた構造で、これにより経口バイオアベイラビリティをある程度確保しつつ、17α-AA特有の肝毒性は回避しています。
では肝臓に完全に無害か?
無害ではありません。
- 肝臓を通過する以上、CYP(シトクロムP450)系での代謝は受ける。長期・高用量で代謝負荷は積み上がる
- AAS全般のレビューでは、経口・注射を問わず長期使用者で肝機能異常・脂質異常・心血管リスクの上昇が報告されている(Curr Sports Med Rep 2018, PMID 29994823)
- 既に肝疾患(脂肪肝・C型肝炎・薬物性肝障害既往)がある人では、17α-AA非含有でも安全のマージンは狭い
アナバー(オキサンドロロン)の副作用解説では、17α-AAであるアナバーですら「マイルドと言われるが肝逸脱酵素は確実に動く」という現実が紹介されています。メステロロンは構造上アナバーよりさらに穏やかですが、「肝臓への配慮ゼロでよい」という意味ではありません。
採血で見るべき肝項目
サイクル中・サイクル後の採血で確認したい項目は以下の通り:
| 項目 | 何を見ているか | 異常域の目安(成人男性) |
|---|---|---|
| AST(GOT) | 肝細胞・筋細胞ダメージの逸脱酵素 | 40 U/L 超で要注意 |
| ALT(GPT) | 肝細胞特異的な逸脱酵素 | 40 U/L 超で要注意 |
| γ-GTP | 胆道系・アルコール感受性 | 50 U/L 超で要注意 |
| ALP | 胆道うっ滞・骨代謝 | 上限超えで要注意 |
| 総ビリルビン | 肝排泄能 | 1.2 mg/dL 超で要注意 |
注:AST/ALT は筋トレ自体でも上がるため、採血前48時間は高強度の筋トレを避ける運用が推奨されます(筋ダメージ由来のAST 上昇を肝障害と誤読しないため)。
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心血管・脂質への影響(HDL低下が主犯)
経口アンドロゲン共通の脂質プロファイル悪化
経口アンドロゲンは、注射のテストステロンエステルと比べて脂質プロファイルへの影響が強い傾向があります。これは肝初回通過で肝臓のリポ蛋白代謝(特にHDL 産生)に直接影響するためで、
- HDL(善玉コレステロール)低下
- LDL(悪玉コレステロール)上昇
- TG(トリグリセリド)はあまり動かない場合もある
がメステロロンにも当てはまります。マイルドなメステロロンであっても、HDL 低下は中等度に出ると考えるのが現実的で、テストステロン高用量+メステロロンの組み合わせでは数十%レンジでHDL が落ちる人もいます。
心血管リスクの全体像
長期AAS 使用者の心血管リスクは複数の論文・レビューで指摘されており、HDL 低下・血圧上昇・左室肥大・血管内皮機能低下・血栓傾向などが複合的に絡みます(Curr Sports Med Rep 2018, PMID 29994823)。メステロロン単独で大きな血管系イベントを起こす薬ではありませんが、
- もともと高血圧・脂質異常症・家族性心疾患の素因がある人
- AAS スタックの中の1剤として使い、総アンドロゲン負荷が大きい人
- 30代後半以降で複数サイクル経験がある人
では、「メステロロン分の上乗せ」が無視できなくなります。
採血と家庭血圧
- 脂質パネル:HDL/LDL/TG をサイクル前・中・後で追う。HDL が30 mg/dL を切るような落ち方は警戒域
- 血圧:家庭で朝晩計測し、収縮期150 mmHg 超・拡張期95 mmHg 超が継続するなら用量見直しか中止の検討
- 心電図:既往がある人・40代以上では年1回ベースで
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性欲・勃起・精神面への影響(改善方向だが裏もある)
主作用は「改善方向」
メステロロンの最も語られる主作用は、性欲・勃起の質・気分の安定の改善です。SHBG を下げて遊離テストを上げる経路、ARに直接結合する経路の両方で、男性性のクオリティに寄与すると報告されています。Dugeroglu らの加齢男性症候群試験(JPMA 2014, PMID 25842579)では、メステロロン治療群で下部尿路症状と性機能スコアの両方の改善が示されています。
ボディビル文脈でも、
- サイクル中の「ディックロット」(性欲低下)対策
- ナンドロロン(デカ)・トレンボロン併用時の性機能低下のリカバリ
- PCT 前後の精神面の支え
として使われてきました。
高用量で逆に出ること
ところが用量が大きくなると、改善方向が反転することがあります。
- 100mg/日を超えるレンジでは、刺激過多で逆に勃起の質が落ちる人がいる
- アンドロゲン優位が極端になり、感情の振れ幅が大きくなる(易怒性・短気)
- 持続勃起(プリアピズム):4時間以上続く勃起は緊急受診事案
主作用と副作用が同じスペクトル上にあるのが、メステロロンの扱いにくさです。「効くから増やす」発想で100mg/日超に入るとリターンが頭打ち〜マイナスに転じるという報告は、海外フォーラムでも繰り返し共有されています。
攻撃性・易怒性(DHT 系の特徴)
DHT 系AAS は、アンドロゲン作用が強く出る特性上、攻撃性・易怒性・短気が報告されやすいクラスです(個人差は大きい)。一般的な「ロイドレイジ」のイメージほど派手ではないものの、
- 普段なら流せる些細なことに苛立つ
- 運転中の煽り運転傾向が強まる
- パートナーとの口論が増える
というレベルの変化は、サイクル中に自覚する人が一定数います。日記やパートナーからのフィードバックを受け入れる体制を作っておくと、本人が気付けないドリフトを早期にキャッチできます。
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HPTA(性腺軸)抑制と精巣・PCT
単独使用での抑制度
メステロロンの HPTA(視床下部-下垂体-性腺軸)抑制は、AAS全体の中では中等度に位置付けられます。
- テストステロン製剤や19-nor 系(ナンドロロン・トレンボロン)ほど強くはない
- 25-50mg/日レンジでは、視床下部のフィードバック経路を通じてLH(黄体形成ホルモン)・FSH(卵胞刺激ホルモン)を一定程度抑制する
- 100mg/日近辺・長期使用ではより明確に抑制が出る
完全な「抑制ゼロ」ではないので、単独で長期使用すると自前のテストステロン産生が落ちる方向にはなります。
サイクル中ベースのテスト併用時
実質的に、メステロロンをサイクル中に併用しているケースでは、ベースのテストステロン・エナンセート/シピオネート/プロピオネートで既にHPTA が完全抑制されています。この状況では、
- メステロロン分の追加抑制は「すでにゼロのものをマイナスにする」ような意味は薄い
- ただしHCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)を併用して精巣機能を維持している場合、メステロロンは精巣のステロイド合成自体を直接刺激する薬ではないので、HCG の代替にはならない
という整理になります。精巣縮小対策として HCG を使うのは別の話、という認識を持っておきましょう。
PCT との関係
PCT(Post Cycle Therapy)では、クロミフェン(クロミッド)・タモキシフェン(ノルバデックス)といったSERM(選択的エストロゲン受容体調節薬)で視床下部のフィードバックを解除し、自前のテストステロン産生を再起動させます。
ここで重要なのは、メステロロンも HPTA を抑制し得るので、PCT 本番中はOFFが基本ということです。
| 期間 | メステロロン | クロミ/ノルバ |
|---|---|---|
| サイクル中 | 用量に応じて使用 | OFF |
| PCT 前ブリッジ(2-3週) | 25-50mg/日で精神面サポート | OFF |
| PCT 本番(3-6週) | OFF(自前テスト回復のシグナルを邪魔しないため) | クロミ50mg/日→25mg/日 等 |
| PCT 終了後 | OFF | OFF |
PCT で使うクロミッドはクロミッド 50mg×50が定番です。詳細プロトコルはマステロンサイクル設計で扱っているSERM 構成と同じです。
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採血・モニタリング項目(標準セット)
サイクル前(ベースライン)
ベースラインなしの「比較対象不明な採血」は意味が薄いので、サイクル開始前に以下を取っておくことを強く推奨します。
| カテゴリ | 項目 |
|---|---|
| ホルモン | Total T, Free T, SHBG, E2(感度高LC-MS/MS推奨), LH, FSH, プロラクチン, DHT |
| 脂質 | HDL, LDL, TG, Total Cholesterol |
| 肝 | AST, ALT, γ-GTP, ALP, 総ビリルビン |
| 腎 | Cr, BUN, eGFR |
| 血液 | Hb, Hct(赤血球増多症リスク) |
| 前立腺 | PSA(40代以上) |
| 一般 | 血糖, HbA1c, CRP |
サイクル中(4-6週目)
サイクル中盤に再採血し、ベースとの差分を見ます。特に注視するのは:
- E2(高すぎ/低すぎ両方を見る)
- HDL(低下幅)
- AST/ALT(採血前48時間は筋トレ強度を抑える)
- Hb/Hct(赤血球増多はテスト系の特徴的副作用、Hct 54%超で要注意)
PCT 中(2週目・終了時)
- LH/FSH の戻り
- Total T/Free T の戻り
- E2 が下がりすぎていないか
中高年HRT 文脈
HRT の延長としてメステロロンを補助使用する文脈では、PSA を3-6ヶ月毎に追うのが標準的です。前立腺癌の家族歴がある人では泌尿器科の併診が前提です。
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中止判断ライン(「やめるべきサイン」)
筆者の手元の指標やボディビル文献で繰り返し共有される「中止/減量を真剣に検討する」ラインを、症状群と数値で整理します。
即中止を検討する症状
- 持続勃起(プリアピズム)が4時間以上:緊急受診
- 胸部痛・動悸・息切れ:循環器を疑う
- 強い頭痛・視野異常・しびれ:血栓・血圧の急上昇を疑う
- 黄疸(皮膚・白目が黄色い)・濃い茶色尿:肝障害を疑う
- 強いうつ症状・希死念慮:心理的副作用、即サポートが必要
数値で判断する減量・中止サイン
| 項目 | 警戒値 | 行動 |
|---|---|---|
| AST/ALT | 80 U/L 超 | 用量半減、再採血で改善なければ中止 |
| AST/ALT | 200 U/L 超 | 即中止+受診 |
| HDL | 30 mg/dL 切る | 用量半減、有酸素・食事介入 |
| 血圧 | 収縮期150 / 拡張期95 mmHg 継続 | 用量見直し or 中止 |
| Hct | 54% 超 | 献血(治療的瀉血)+ 用量見直し |
| PSA | 4 ng/mL 超 or 急上昇 | 泌尿器科受診 |
| E2 | 高感度測定で60 pg/mL 超 | AI 用量再評価 |
これらは絶対的なカットオフではなく、個人の体調・既往歴・採血のタイミングで前後します。「数字だけで判断せず、症状とセットで読む」のが基本姿勢です。
自覚症状チェック
毎週の自己モニタリング項目として:
- 朝勃ちの有無・頻度
- 気分の起伏(イライラ・無気力)
- 睡眠の質
- 排尿の状態(夜間頻尿・尿勢)
- 頭髪・頭皮(つむじ・前髪)
- 皮脂・ニキビ
- 関節痛・腰痛(水分保持なし方向だが乾燥感は出る)
を1-10スケールで記録すると、徐々に進行する変化に気付きやすくなります。
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サイクル中 vs PCT vs 単独/HRT で副作用プロファイルが変わる
サイクル中(AAS併用)
- 支配的副作用:DHT 系副作用(AGA・皮脂・前立腺)、HDL 低下、ベーステスト由来のE2 関連症状の二次悪化
- 逆に薄い副作用:HPTA 抑制(既にベースで抑制済)、メステロロン由来のE2 関連
- 管理ポイント:総アンドロゲン負荷の上限管理、AI 用量再評価、脂質・肝・血圧の中盤採血
PCT 前ブリッジ(2-3週)
- 支配的副作用:HPTA 回復遅延の懸念(本番PCT までに切る前提)、軽度のDHT 系副作用継続
- 逆に薄い副作用:E2 関連(ベーステストが抜けてきているため)
- 管理ポイント:クロミ/ノルバ本番が始まる前にOFF、ブリッジ中の用量は25-50mg/日に抑える
単独/HRT補助(中高年)
- 支配的副作用:前立腺(PSA・LUTS)、AGA、皮脂、軽度のHDL 低下
- 逆に薄い副作用:急性のE2 暴走、肝逸脱酵素の急上昇
- 管理ポイント:泌尿器科併診、3-6ヶ月毎の採血、低用量(25-50mg/日)維持
つまり同じ薬を同じ用量で使っても、文脈ごとに「警戒すべき副作用の優先順位」が変わるのがメステロロンです。「副作用が穏やか」とだけ覚えて文脈を無視すると、優先順位を間違えます。
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高齢ユーザー(HRT文脈)での副作用差
加齢男性症候群(LOH)とメステロロン
中高年男性では、加齢に伴うテストステロン低下(LOH = late-onset hypogonadism)が珍しくなく、海外では低用量メステロロンがHRT の補助として処方される例があります。Dugeroglu らの加齢男性症候群試験(JPMA 2014, PMID 25842579)では、
- 性機能スコアの改善
- 下部尿路症状(LUTS)スコアの改善
- 患者QOLスコアの改善
がメステロロン治療群で報告されています。これはボディビル文脈とは違う「医療目的の低用量・長期投与」のシナリオで、副作用プロファイルもボディビルと異なります。
ボディビル文脈との違い
| 項目 | HRT 文脈(中高年) | ボディビル文脈(若〜中年・サイクル中) |
|---|---|---|
| 用量 | 25-50mg/日 | 50-100mg/日 |
| 期間 | 数ヶ月〜年単位 | 6-10週 |
| 併用 | テスト製剤(医師管理下) | テスト製剤+他AAS |
| 主な懸念 | 前立腺、PSA、心血管(基礎疾患の悪化) | DHT副作用、HDL、HPTA 抑制 |
| モニタリング | 3-6ヶ月毎の採血+泌尿器科 | サイクル前・中・後 |
中高年HRT 文脈は本記事の主対象ではなく、医師管理下で行うべき領域です。本記事の用量・サイクル例は基本的にボディビル文脈の話として読んでください。中高年でHRT を検討する場合はテストエナンセートのTRT 解説の方が直接的な参考になります。
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| 商品 | 価格 | 用途 |
|---|---|---|
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> 在庫の切り替わりや一時欠品については、各商品ページの最新表示が正確です。スタック構成や副作用が出始めた際の判断で迷う場合は、LINE 公式アカウントから個別に相談を受け付けています。 > > LINE で相談する
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以下のような質問はLINEで個別に答えています:
- サイクル中?それともオフ期?
- 症状が出てから何ヶ月続いている?
- 直近の血液検査の数値は?
FAQ
Q1. プロビロンはマイルドだから採血しなくても大丈夫? A. 推奨されません。確かに肝毒性や芳香化リスクは経口AASの中で穏やかですが、HDL 低下・DHT 系副作用・HPTA 抑制は出ます。サイクル前・中・後の採血を最低3回は取って、自分のベースラインからの変化を見るのが基本姿勢です。
Q2. AGA素因がある人がプロビロンを使うとどうなる? A. 進行加速の可能性があります。フィナステリド/デュタステリドは5α還元酵素を阻害する薬で、メステロロンは既に5α還元体なので、フィナステリドでは止められません。頭髪を最優先するなら、メステロロン以外の選択肢を検討する方が無難です。
Q3. プロビロン入れたらジネコ(女性化乳房)っぽくなった、なぜ? A. メステロロン本体は芳香化しないので、メステロロン単独でジネコは起きにくいです。ただしSHBG が下がって遊離テストが上がり、それが芳香化されてE2 が間接的に上昇するルートがあります。ベースのテスト用量・AI用量・E2 の採血値を見直してください。
Q4. 100mg/日を超えると副作用がどう変わる? A. メリットは頭打ちで、副作用は比例して増えます。性欲面でも逆効果(刺激過多で勃起の質が落ちる)に転じる人がいます。海外ベテランの間でも100mg/日超は推奨されないレンジで、当店としても積極的にお勧めしません。
Q5. PCT 中もプロビロンを飲み続けていい? A. 推奨されません。プロビロンはHPTA を抑制し得るため、PCT 本番(クロミ/ノルバ)期間中は OFF にして、自前のテストステロン分泌の回復シグナルを邪魔しないのが基本です。ブリッジ(PCT 前2-3週)に25-50mg/日で使う運用までが妥当な範囲です。
Q6. 肝臓のサプリ(TUDCA・NAC・シリマリン等)は必要? A. 17α-アルキル化薬と比較すれば必要性は低いですが、サイクル中に経口AASを複数併用している場合や、もともと肝機能が良くない場合は持っておく価値があります。AST/ALT が80 U/L を超えてきたら、サプリより先に用量見直し・中止判断を優先してください。
Q7. 中高年で性欲が落ちてきたから単独で使ってみたい A. 医師管理下でないHRT 自己運用は推奨されません。前立腺の家族歴・基礎疾患・現在の総テスト/遊離テスト/PSA 値を採血で確認した上で、泌尿器科や男性医療外来で相談してください。中高年HRT の文脈は、ボディビルサイクルとは別の医療プロトコルになります。
Q8. 攻撃性・易怒性が出てきた時の対処は? A. 用量を半減〜中止して2-3週で改善するか見ます。睡眠・カフェイン量・トレ強度・人間関係ストレスといった生活側の要因も同時に点検してください。パートナー・家族からの「最近短気じゃない?」というフィードバックは早期サインとして重要です。
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参考にしたソース
- Dugeroglu H et al. "Mesterolone treatment of aging male syndrome improves lower urinary tract symptoms." *JPMA* 2014. PMID 25842579
- Saartok T, Dahlberg E, Gustafsson JA. "Relative binding affinity of anabolic-androgenic steroids: comparison of the binding to the androgen receptors in skeletal muscle and in prostate, as well as to sex hormone-binding globulin." *Endocrinology* 1984. PMID 6539197
- "Physical Effects of Anabolic-androgenic Steroids in Healthy Exercising Adults: A Systematic Review and Meta-analysis." *Curr Sports Med Rep* 2018. PMID 29994823
- バイエル(旧シェリング)Proviron 添付文書(欧州版)
- MESO-Rx, Reddit r/steroids, AnabolicMinds の経験則ログ(用量レンジ・併用パターン)
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