クレンブテロール vs T3徹底比較|カット系2大薬剤の作用機序・用量・副作用・スタック適性【2026年版】

クレンブテロール vs T3徹底比較|カット系2大薬剤の作用機序・用量・副作用・スタック適性【2026年版】

先に結論(3行)
  • 初回バルク重視なら 候補A
  • カット/維持なら 候補B
  • 副作用リスク最小化なら 候補C
「自分の目的・経験値・予算でどれか」はLINEで一緒に詰めます。
LINEで個別相談する

結論(3行)

  • クレンブテロールは β2アドレナリン受容体作動薬(交感神経の脂肪分解スイッチを押す薬)で、単独でも脂肪を燃やせるが筋温存力は弱め。T3(リオサイロニン)は 活性型甲状腺ホルモン で代謝の親玉だが、単独で使うと筋肉も道連れに落ちるため AAS(アナボリックステロイド)との併用がほぼ必須。
  • 用量レンジは クレン:20→100〜140μg/日(2週オン/2週オフ)、T3:25→75μg/日(4週ピラミッド型)。副作用の質も違う ── クレンは「動悸・震え・不眠」、T3は「心血管・筋分解・甲状腺リバウンド」。
  • 実戦的にはコンテスト直前6〜8週で クレン(序盤)→ T3(直前4週) と時期をずらすか、AAS を土台にした三段階カット(テスト+カット系AAS+クレン+T3)で組み合わせる設計が定番。DNP(2,4-ジニトロフェノール)は死亡例が複数あり、本記事では選択肢から外す。

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1. なぜクレンブテロールと T3 が並んで語られるのか

カット期(コンテスト直前の絞り込み期)で名前が挙がる脂肪燃焼系の薬剤は、おおむね4つに絞られる。クレンブテロール、T3(リオサイロニン)、アルブテロール、そして DNP。このうち DNP は致死性が高く、ボディビル文脈でも「禁じ手」扱いになっているので、現実的な選択肢は クレンと T3 の二択 と言ってよい。

両者は「代謝を底上げして体脂肪を削る」という結果が似ているために並列で語られるが、 作用しているスイッチがまったく違う。クレンは交感神経のβ2受容体、T3 は核内の甲状腺ホルモン受容体。スイッチが違うから、体感も違うし、副作用も違うし、どんな人に向くかも違う。

この記事では、 同じ「カット系」というラベルでまとめられがちな2剤を、用量・サイクル・副作用・スタック・適性ユーザーの観点で正面から比較 する。先に用量と副作用を深掘りしたい人は、姉妹記事のクレンブテロール用量ガイドT3(チロナミン/リオサイロニン)副作用完全ガイドもあわせて確認してほしい。

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2. 作用機序の違い ── β2刺激 vs 甲状腺ホルモン

2-1. クレンブテロール:β2アドレナリン受容体作動薬

クレンブテロール(Clenbuterol)は 交感神経のβ2受容体を刺激 する薬で、本来は気管支拡張薬として喘息治療に使われている。ボディメイクで使うのは副次効果(代謝亢進)を狙ってのこと。

β2受容体を刺激すると、

  • 脂肪細胞内の ホルモン感受性リパーゼ(脂肪を分解する酵素)が活性化 → 脂肪分解が進む
  • 細胞内cAMP(セカンドメッセンジャー)が上昇 → 産熱反応が起こる
  • 体温が0.5〜1℃ほど上がる(サーモジェニック作用)
  • 心筋β1受容体への漏れ刺激で心拍と心収縮力も上がる

Spiller ら(2013)の症例集積研究では、減量・ボディビル目的でクレンブテロールを誤用したケースで、頻脈・動悸・不眠・振戦(手の震え)が高頻度に認められたことが報告されている[1]。

2-2. T3(リオサイロニン):核内甲状腺ホルモン受容体への直接結合

T3 はトリヨードサイロニン、つまり 活性型の甲状腺ホルモン本体。病院で処方される T4(レボサイロキシン/チラーヂンS)が「肝臓で T3 に変換されて初めて働く前駆体」なのに対し、T3 は変換を待たずに 核内受容体(TR-α/TR-β)に直接結合 する。

T3 が受容体に結合すると、ミトコンドリアの脱共役タンパク質(UCP)、Na⁺/K⁺-ATPase、脂肪酸酸化酵素などの遺伝子発現が引き上げられる。Mullur ら(2014)の総説によれば、安静時代謝率(RMR)、産熱、脂肪酸動員、糖の利用が同時に上がる[2]。代謝の親玉が直接アクセル全開になる、というイメージが近い。

2-3. スイッチの位置の違いがそのまま体感の違いに

項目 クレンブテロール T3(リオサイロニン)
作用部位 交感神経β2受容体(細胞表面) 核内甲状腺ホルモン受容体
効果の立ち上がり 速い(数時間) 遅め(数日〜1週)
半減期 約26〜36時間 約2.5日
主な体感 動悸・手の震え・発汗・不眠 動悸・発汗・体温上昇・倦怠/活力の波
筋温存 中等度(β2刺激でわずかに保護的) 弱い〜マイナス(高用量で筋分解)
AAS 併用必須度 低(単独でも成立) 高(ほぼ必須)
受容体ダウンレギュレーション あり(2週で感度低下) あり(HPT軸抑制という別経路で)

「アクセルの種類」が違うので、両方を同時に踏むと加速の角度が乗算的になる。これがクレン+T3 併用の時に副作用が累積する根拠でもある。

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3. 効果の比較 ── 脂肪燃焼速度・筋温存・体感

3-1. 脂肪燃焼速度

体脂肪を削る速度だけで言えば、 同じ食事条件下では T3 のほうが強い。代謝の親玉に直接介入するため、安静時代謝率(RMR)を1割前後押し上げる力がある。クレンは産熱と脂肪分解が中心で、RMR の押し上げ幅は T3 より控えめになる。

ただし、 「体重が落ちる速度」と「絞れる速度」は別物。T3 単独で体重を落とすと除脂肪体重(LBM、筋肉や骨など脂肪以外)も等しく落ちて「やせ細り」になりやすい。クレン単独だと筋肉は比較的残るが、削れる量自体は T3 より小さい。

3-2. 筋温存力

クレンブテロールには ごく弱いアナボリック様作用(β2刺激由来のタンパク質合成促進)があり、家畜では除脂肪体重を増やす目的で違法に使われた歴史がある。ヒトでこの効果が筋肥大に直結するかは限定的だが、 減量期に筋肉量を保持しやすくする補助 にはなる。

T3 はその真逆で、Persani ら(2023)が総説でまとめている通り、人為的甲状腺中毒症(factitious thyrotoxicosis)の臨床像として 筋肉量減少・筋力低下 が高頻度で報告されている[3]。van Bokhorst ら(2021)は、29歳のボディビルダーがリオサイロニン誘発性甲状腺中毒性低カリウム性周期性麻痺で入院した症例も報告している[4]。

このため T3 を使うときは、テストステロンを土台にマステロン・トレンボロン・アナバーなど タンパク質合成を強く引き上げる AAS を併用するのが原則になる。

3-3. 体感の違い

体感の側面 クレンブテロール T3
朝の覚醒感 カフェイン2杯分くらい強い 覚醒というより「熱い」
運動時のスタミナ 心拍上がり過ぎてむしろ落ちる 持久力やや上がる(代謝亢進で)
食欲 明確に落ちる 上がる人と落ちる人に分かれる
寝汗・夜間覚醒 強い(夜の服用厳禁) 強い(分割して夜遅くを避ける)
集中力 序盤上がるが2週目から低下 高用量で散漫・イライラ
やめた後の反動 比較的軽い 強い(機能低下相が数週間)

「クレンは体感が派手だがやめると静かに戻る、T3 は体感が派手な上にやめた後も尾を引く」と整理しておくと判断しやすい。

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4. 用量レンジ比較 ── 桁が違うので換算注意

4-1. クレンブテロール:20→100〜140μg/日

クレンブテロールは 「漸増(ぜんぞう、徐々に増やす)」 が絶対原則。初日からいきなり80μgや100μgを飲むと、ほぼ全員が強い動悸・振戦・頭痛・吐き気で動けなくなる。

日数 用量(1日) 服用タイミング
1〜2日目 20μg 朝1回
3〜4日目 40μg 朝1回
5〜6日目 60μg 朝1回
7〜8日目 80μg 朝・昼に40+40
9〜10日目 100μg 朝60+昼40
11〜14日目 100〜120μg 朝60+昼60

実戦上、男性の体感ピークは 100〜120μg/日 に収まる人が多い。140μg・160μg は到達できる人もいるが「上限であって目標ではない」と捉える。女性は男性の半量〜2/3量で十分なケースが多い。

4-2. T3:25→75μg/日(ピラミッド型)

T3 は 「ピラミッド型」 で設計するのが定番。低用量から始めて山型に上げ下げすることで、内因性甲状腺ホルモンの抑制を最小限にする狙いがある。

日数 用量(/日) 配分
Day 1〜3 25μg 朝のみ
Day 4〜6 50μg 朝25・昼25
Day 7〜21(ピーク14日) 75μg 朝25・昼25・夕25
Day 22〜24 50μg 朝25・昼25
Day 25〜27 25μg 朝のみ
Day 28以降 0(オフ)

医療用の補充療法では T3 は通常 25〜75μg/日 で処方される(チロナミン®添付文書ベース)。ボディビル文脈で語られる「100μg/日」はすでに治療上限を超えており、副作用カーブが急に立ち上がる領域として認識する。

4-3. 単位とμg(マイクログラム)注意

両方とも μg(マイクログラム=mg の1/1000) 単位で運用する薬で、mg と読み違えると重篤事故に直結する。クレン1錠40μg、T3 1錠25μg が標準ロット。錠剤を割って12.5μgや20μgで運用する場面も多いので、ピルカッターを用意しておきたい。

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5. サイクル設計 ── 2週on/2週off vs 4週ピラミッド

5-1. クレン:2週オン/2週オフ(古典的・最も一般的)

クレンの効きは時間とともに落ちる。これは身体がβ2受容体の数を減らす 受容体ダウンレギュレーション という防御反応のため。これに対処するために2週オン/2週オフが古典的に採用されてきた。

クレン
1〜2週目 服用(漸増)
3〜4週目 完全休薬
5〜6週目 服用(再開時60〜80μgから)
7〜8週目 完全休薬

この8週カットなら、クレンが実働するのは合計4週間という配分になる。ケトチフェン併用で連日6週運用する流派もあるが、初心者には複雑すぎるため非推奨。

5-2. T3:4週ピラミッドで集中投下

T3 のサイクルは 「短期間に集中投下、終わったら速やかに撤収」 が基本方針。6週・8週と引っ張ると、

  • 視床下部-下垂体-甲状腺軸(HPT軸)の抑制がより深くなる
  • 筋分解が累積的に進む
  • 不眠・動悸の慢性化
  • 心血管リスクの累積暴露

がじわじわ重なる。コンテスト4週前から仕込み始め、ステージ当日に最低用量に着地、というのが合理的な時間軸になる。

5-3. 同時運用するときの時期ずらし

クレンと T3 を同じカット期に組み込むなら、 クレンを序盤、T3 を直前 にずらすのが定番。

週: 1   2   3   4   5   6   7   8   9
クレン: ●   ●   ─   ─   ●   ●   ─   ─   ─
T3:    ─   ─   ─   ─   ●   ●   ●   ●   テーパ

ただしこの組み方だと「5〜6週目にクレン+T3 同時運用の重なり」が発生する。ここを許容するか避けるかは経験レベル次第で、初〜中級者は重ねず、 クレン2週終わり → 1週オフ → T3 4週 の完全分離型のほうが安全側になる。

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6. 副作用の比較 ── 質が違う

6-1. クレンの副作用(主に交感神経系)

副作用 頻度 強さ 対処
振戦(手の震え) 高(40μg以降ほぼ全員) 2分割でピーク下げる
心拍上昇(+15〜25bpm) 中〜強 カフェイン半減/血圧計で監視
不眠 朝〜昼までに服用完了
頭痛 中(80μg以降) 水分3L/日・電解質補給
筋痙攣(こむら返り) タウリン3〜5g/日・カリウム補給
発汗・体温上昇 経口補水液

Spiller ら(2013)の症例集積では、過量摂取で心筋障害の報告もある[1]。Grave ら(2020)は DNP とクレンブテロールの併用摂取で見習いボディビルダーが死亡した症例を報告しており、 既往の心血管異常がある人や他の代謝亢進薬と併用する場合のリスク が示されている[5]。

6-2. T3 の副作用(全身代謝亢進と HPT軸抑制)

副作用 頻度 強さ 対処
HPT軸抑制(TSH低下) ほぼ全例 サイクル長で蓄積 テーパリング+終了後採血
心拍上昇(+10〜20bpm) 起床時心拍モニタ
心房細動(AFib)リスク 低だが警戒必要 重大 不規則動悸出たら即中止+循環器
筋分解(高用量で顕著) 中〜高 中〜強 AAS 併用+タンパク2.0g/kg死守
不眠・寝汗 夜の用量を前倒し
振戦 弱〜中 用量1段下げる
消化器症状(下痢) 電解質(特にK)補給
終了後リバウンド ほぼ全例 テーパ+食事継続管理

van Bokhorst ら(2021)は、29歳の健常な若年男性ボディビルダーが、リオサイロニン暴露下で 甲状腺中毒性低カリウム性周期性麻痺 に至り入院した症例を報告している[4]。Persani ら(2023)の総説でも、人為的甲状腺中毒症の臨床像として心血管事象・筋障害・骨密度低下が体系的にまとめられている[3]。

6-3. ざっくり言うと

  • クレン:体感は派手だが、やめれば数日〜1週で抜ける。 致命的になるのは心血管既往がある人と過量摂取
  • T3:体感より影響が深い。HPT軸を一時的に抑え込むため、 やめた後が本番(数週間の機能低下相)。心房細動と筋分解が固有リスク

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7. AAS 併用の必要性 ── ここが最も重要な分岐点

7-1. クレンは単独でも成立する

クレンブテロールは β2刺激由来でわずかに筋温存的に働くため、 AAS を使わない単独運用でもカット薬として成立 する。たとえば「ナチュラル(AAS未使用)で減量末期にあと2kg脂肪を削りたい」というユーザーが、クレン単独で2週間サイクルを回す、という使い方は実態としてある。

ただし「ナチュラル前提で使うクレン」と「AAS スタックの中で使うクレン」は同じ用量でも見え方が違う。AAS と組み合わせる場合、心血管負荷が累積するため、クレンの最大用量は控えめ(80〜100μg/日)に抑えるほうが安全側になる。

7-2. T3 は AAS 併用がほぼ必須

T3 は単独で使うと、第3章・第6章で書いた通り 筋分解が進む。コンテスト直前に T3 単独で2kg体重を落としたら、そのうち1kgは筋肉、というシナリオも現実に起こる。これではコンテストの絞り上げにならない。

このため、T3 を組み込むカット期は

  • テストステロン(土台、合成側)
  • マステロン or トレンボロン or アナバー(カット系AAS、合成側)
  • T3(代謝亢進、分解側)
  • ±クレン(脂肪分解、ほぼ中立)

という「合成と分解のバランス設計」になる。マステロンを土台に置く場合の実例はマステロン サイクル設計の決定版、トレン側のリスクはトレンボロン副作用完全ガイドで詳しく扱っている。

7-3. AAS 併用が「必須に近い」のはなぜか

ここを誤解しやすい人が多いので明示する。 「T3 は禁止だから AAS と一緒に使え」と言っているのではない。T3 を意義のあるカットに使いたいなら、合成側の補強が薬理学的に必要、という話。

AAS を使わない選択肢を取るなら、T3 も使わず、クレン単独や食事制限・有酸素運動で攻めるほうが整合する。「T3 だけ単独で使えば AAS なしで絞れる」という発想は、ボディビル領域では基本的に否定される。

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8. DNP との比較 ── 危険性ランクの正直な序列

カット系薬剤の話で必ず名前が出る DNP(2,4-ジニトロフェノール)も含めて、危険性の序列を整理しておく。

薬剤 主な機序 死亡例 リスク水準 本記事の推奨
クレンブテロール β2受容体刺激 過量・併用で稀に 用量管理下で選択肢
T3(リオサイロニン) 甲状腺受容体直接刺激 重篤事象は報告あり AAS併用前提で選択肢
アルブテロール β2刺激(クレンより弱・短半減期) 低〜中 クレンより穏やか
DNP ミトコンドリア脱共役 複数報告(致死性高) 極めて高い 選択肢に入れない

Grave ら(2020)は DNP とクレンブテロールの併用摂取で見習いボディビルダーが死亡した症例を法医学誌に報告しており、両者の同時暴露で熱産生が制御不能になったことが死因に結びついている[5]。DNP は「効くから危ない」のではなく、 治療域と中毒域の差が極めて狭く、解毒手段がない から危ない。

クレンと T3 は、用量管理・採血・自己モニタリングを徹底すれば中毒域に踏み込まずに撤収できる薬剤。DNP は同じ徹底をしても安全マージンが取れない、という質的差がある。

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9. 採血モニタリング ── 何を、いつ、どう測るか

9-1. クレン使用時のモニタリング

項目 何を見るか 推奨タイミング
起床時心拍 安静時頻脈の累積 毎朝
血圧 収縮期/拡張期 毎日同時刻
体重・体温 代謝亢進と脱水 毎朝
電解質(K/Na) 低カリウム性不整脈予防 症状出たら
心電図 期外収縮・QT延長 既往ある人は事前
クレアチンキナーゼ(CK) 筋融解の指標 サイクル後

クレン単独運用なら、ほぼ「家庭用血圧計と心拍計付きスマートウォッチ」で完結できる。

9-2. T3 使用時のモニタリング(採血必須)

項目 何を見るか 推奨タイミング
TSH(甲状腺刺激ホルモン) HPT軸の抑制度 開始前/終了4週後/8週後
Free T3 外因性+内因性 T3総量 開始前/サイクル中(2週目)/終了4週後
Free T4 内因性 T4 の生産 開始前/終了4週後
心電図 AFib・期外収縮 既往ある人は事前
電解質(K/Na/Cl) 下痢・発汗で崩れやすい 症状出たら
HDL/LDLコレステロール 代謝亢進で変動 開始前/終了後

T3 は 採血なしで運用するべきではない。家庭モニタリング(起床時心拍・血圧・体温・体重)と内科クリニックでの採血(自費でも可)を組み合わせる。在宅採血キットでも TSH・Free T3・Free T4 はチェック可能なサービスが増えている。

9-3. クレン+T3 併用時の家庭モニタリング指標

両方を併用する局面では、家庭で毎朝1分で取れる指標を積み上げる。

  • 起床時心拍 ≧ 100bpm が3日続く → 用量を下げる
  • 起床時心拍 ≧ 110bpm が出る → 即中止
  • 収縮期血圧 ≧ 140 を維持 → 即中止
  • 不規則な動悸を自覚 → 即中止+循環器
  • 体重が3日で2kg以上落ちる → 脱水疑い、水分・電解質再点検

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10. 中止判断ライン ── 我慢で押し切らない

10-1. 即中止サイン(共通)

クレンでも T3 でも、以下が出たら その日のうちに服用停止。必要なら循環器または救急受診。

  • 不規則な動悸(脈のリズムがバラバラ、特にめまい・息切れを伴う)→ 心房細動疑い
  • 胸痛、左肩〜あごへの放散痛 → 心筋虚血疑い
  • 強いめまい、失神
  • 急激な手足の脱力(片側性) → 脳血管疾患の鑑別必要
  • 38℃を超える発熱が3日以上
  • 強い下痢が続いて脱水症状(T3 の場合とくに警戒)

10-2. クレン固有の中止サイン

  • 安静時心拍が常時110bpm以上
  • 期外収縮(脈の飛び)を頻繁に自覚
  • 不眠が慢性化して日中の集中力が完全に落ちている
  • 振戦で日常作業(食事・運転)が困難

10-3. T3 固有の中止サイン

  • 急激な体重減少に筋肉量低下が明らかに伴う
  • 起床時体温が連日37.5℃を超える
  • イライラ・不安・パニック発作
  • van Bokhorst ら(2021)の症例[4]に類似した、四肢の脱力や筋の麻痺感

「もう少し続ければもう一段絞れる」という誘惑が一番危険で、 続けて事故るより、一度抜いて立て直すほうが結果的に絞れる

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11. スタック組み合わせ ── 三段階カットの定番

11-1. パターンA:ナチュラル/SARMs寄り(初級・カット薬単独)

週:    1   2   3   4   5   6   7   8
クレン: ●   ●   ─   ─   ●   ●   ─   ─
T3:    使わない
AAS:   使わない(または Ostarine 等弱SARMs)

カット薬を初めて試す層、AAS は使いたくない層向け。クレン2週オン/2週オフを繰り返し、T3 は手を出さない。

11-2. パターンB:中級カット(AAS土台+クレン)

週:        1   2   3   4   5   6   7   8
テストP:   ●   ●   ●   ●   ●   ●   ●   ●(土台)
マステP:   ●   ●   ●   ●   ●   ●   ●   ●(カット側AAS)
クレン:    ●   ●   ─   ─   ●   ●   ─   ─
T3:        使わない
PCT:                                   開始

テストステロンプロピオネート+マステロンプロピオネートを土台に、クレンを2週オン/2週オフで重ねる。T3 は使わずに AAS の合成側だけで筋温存を取りに行く設計。マステロン主体スタックの詳細はマステロン サイクル設計の決定版を参照。

11-3. パターンC:上級カット三段階(クレン+T3+AAS スタック)

コンテスト直前8週の定番設計。

週:        1   2   3   4   5   6   7   8
テストP:   ●   ●   ●   ●   ●   ●   ●   ●(土台)
マステP:   ●   ●   ●   ●   ●   ●   ●   ●(カット側AAS)
トレンA:   ─   ─   ─   ─   ●   ●   ●   ●(直前4週、強カット)
クレン:    ●   ●   ─   ─   ●   ●   ─   ─
T3:        ─   ─   ─   ─   25  50  75→テーパ→ステージ
PCT:                                   開始
  • 序盤(1〜4週):AAS を立ち上げ、クレンで脂肪燃焼開始
  • 中盤(5〜6週):トレンボロン投入で強カット、クレン2サイクル目
  • 直前(5〜8週):T3 ピラミッドで代謝の最後の押し上げ
  • 当日着地:T3 を最終週で12.5μgまで漸減、クレンは抜けている状態

このパターンが「三段階カット」と呼ばれる定番設計。トレン側のリスクはトレンボロン副作用完全ガイドで深掘りしている。

11-4. パターンD:バルク後リカバリー(短期T3でリーンに戻す)

オフシーズンのバルクで脂肪が乗ってしまった人が、ステージ予定はないがリーンな状態に戻したい局面。

週:        1   2   3   4
テストP:   ●   ●   ●   ●(維持量)
T3:        25  50  50→テーパ→25
クレン:    使わない or 控えめ

T3 ピラミッド4週を単独で軽めに回す設計。AAS は維持量で合成側を最低限担保、クレンは省略しても成立する。 コンテストプレップの三段階カットと違って、削る量も2〜3kg程度で済む ためマイルドな組み方になる。

11-5. 推奨されない組み方

  • DNP との同時併用(熱産生制御不能、Grave ら 2020 の死亡例[5])
  • クレン+T3+カフェイン大量摂取(心血管負荷の三重累積)
  • クレン単独で6週連日(ケトチフェン併用前提でないと受容体疲労)
  • T3 単独で AAS なし(筋分解が勝つ)
  • クレンを朝・昼・夕の3分割で連日使用(夜の不眠が確実に出る)

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12. 適性ユーザー ── どっちが向くか早見表

12-1. クレンが向く人

  • 初めてカット系薬剤を試す層
  • AAS は使わない、または使っても軽い(SARMs/弱AAS)
  • ナチュラルで減量末期にあと数kg削りたい層
  • 日中の体感(覚醒・食欲低下)を実利として欲しい層
  • 採血機会が限られていて、家庭モニタリング中心で運用したい層
  • バルク中ではなく純粋に減量フェーズの人

12-2. T3 が向く人

  • コンテスト出場予定の中〜上級者
  • AAS スタックを組んでいる(テスト+カット系AAS)
  • 食事をすでに絞り切っていて、これ以上カロリーを削れない局面
  • 採血(TSH/Free T3/Free T4)を運用に組み込める層
  • 直前4週限定で集中投下できる時間軸を設計済みの人
  • 心血管系がクリーンで、家族歴に AFib や心疾患がない人

12-3. どちらも避けるべき人

  • 心疾患の既往(虚血性心疾患、AFib歴、心不全、心筋症)
  • コントロール不良の高血圧
  • 50歳以上(年齢とともにAFibリスクが立ち上がる)
  • 甲状腺疾患の既往(バセドウ、橋本病、甲状腺がん術後)
  • 妊娠・授乳中
  • 摂食障害の既往(「痩せ薬」として乱用するリスク)
  • 未成年
  • 不安障害・パニック障害(クレンの動悸でパニック誘発)

迷ったら使わない、というのが最も低リスクな判断。

12-4. 簡易フローチャート

カット系薬剤を検討中
├─ AAS 使う?
│   ├─ NO → クレン単独 or アルブテロール
│   └─ YES
│       ├─ コンテスト直前(4週以内)?
│       │   ├─ NO → クレンのみ重ねる
│       │   └─ YES
│       │       ├─ 採血モニタリング可能?
│       │       │   ├─ NO → T3 は避け、クレン+AAS
│       │       │   └─ YES → 三段階カット(パターンC)
│       │       │
│       │       └─ 心血管既往あり? → 全部避ける

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関連商品

ここはあくまで参考情報。実際の使用は採血と健康状態の確認、必要に応じて医師の診察を経た上での自己責任になる。

T3 は在庫変動が大きい商品のため、入荷状況やまとめ買いの相談はLINEで個別に対応している。クレンの用量設計を細かく詰めたい場合はクレンブテロール用量ガイド、T3 の副作用全体像を先に押さえたい場合はT3副作用完全ガイドを参照してほしい。

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FAQ

Q1. クレンと T3、初めて使うならどっちから? A. クレン単独から1サイクル が定石。体感の出方・心拍上昇への自分の反応・副作用の許容度を、相対的にリスクの低いクレンで先に確認する。T3 は HPT軸抑制という「やめた後にも尾を引く」性質があるので、初手で踏むには重い。

Q2. クレン+T3 を同時に最初からフル用量で入れていい? A. ダメ。心拍と振戦と発汗が累積して制御不能になりやすい。両方使うなら クレン序盤・T3 後半 の時期ずらし、または T3 を低用量で乗せるなら クレンが立ち上がってから(7〜10日目以降) が安全側。詳細はクレンブテロール用量ガイドの T3併用章を参照。

Q3. T3 単独で AAS なしでも痩せられる? A. 体重は落ちる。ただし筋肉も等しく落ちて「やせ細り」になりやすい。 コンテスト目的の絞り にはならない。AAS を使わない減量設計なら、T3 ではなくクレン単独+食事制限+有酸素運動のほうが整合する。

Q4. クレンと T3、どっちが心臓に悪い? A. 「悪さの方向」が違う。クレンは β1漏れ刺激での頻脈・収縮力アップ、T3 は 甲状腺機能亢進状態としての AFib(心房細動)リスク。短期の急性副作用はクレンのほうが派手だが、長期的に怖いのは T3 の AFib素地形成。心血管既往がある人はどちらも避けるべき。

Q5. T3 を使った後、何週間で甲状腺機能は戻る? A. 多くは終了後 4〜8週 で TSH が正常範囲(0.4〜4.0 mIU/L)に戻る。長期高用量で運用していた場合、回復に3〜6か月かかる例もある(Persani 2023[3]、Irwig 2020[6] の総説と整合)。回復期は採血で経過確認を続ける。

Q6. クレン+T3 で死亡例はある? A. クレン単剤・T3 単剤での死亡例より、 クレン+DNP の併用や、超高用量乱用による事故 が文献で目立つ(Grave 2020[5]、Spiller 2013[1])。van Bokhorst 2021[4] のように、T3 単独でも29歳健康男性が重篤な麻痺で入院する例はある。「健康な若者なら大丈夫」は安全側の判断材料にならない。

Q7. 女性が使う場合に注意することは? A. クレンは半量〜2/3量で十分なケースが多い(80μg/日まで)。T3 は 女性は基礎甲状腺機能が乱れやすい(橋本病・バセドウの有病率が高い) ため、男性以上に慎重に。妊娠・授乳中はどちらも禁忌。コンテストプレップ以外での T3 使用は強く非推奨。

Q8. クレンの WADA、T3 の WADA は? A. クレンブテロールは WADA 禁止物質に常時掲載。T3 単体は2026年4月時点で WADA 禁止物質には指定されていない(最新リストは要確認)。ただし内因性 T4/T3 比が大きく崩れるため、検査で「外因性甲状腺ホルモン使用」を疑われる素地は作る。競技選手は所属競技団体のリストを必ず確認すること。

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参考文献

[1] Spiller HA, et al. A descriptive study of adverse events from clenbuterol misuse and abuse for weight loss and bodybuilding. Substance Abuse. 2013. PMID: 23844963 [2] Mullur R, Liu YY, Brent GA. Thyroid hormone regulation of metabolism. Physiological Reviews. 2014. PMID: 24692351 [3] Persani L, dell'Acqua M, Ioakim S, Campi I. Factitious thyrotoxicosis and thyroid hormone misuse or abuse. Annales d'Endocrinologie. 2023. PMID: 36963754 [4] van Bokhorst QNE, Krul-Poel YHM, Smit DL, de Ronde W. A 29-year-old Bodybuilder with Liothyronine-induced Thyrotoxic Hypokalaemic Periodic Paralysis. European Journal of Case Reports in Internal Medicine. 2021. PMID: 33869098 [5] Grave C, et al. Death of an apprentice bodybuilder following 2,4-dinitrophenol and clenbuterol intake. International Journal of Legal Medicine. 2020. PMID: 32125503 [6] World Anti-Doping Agency (WADA). Prohibited List. https://www.wada-ama.org/

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免責事項

本記事は医薬品個人輸入代行サービスの情報提供を目的とした一般情報であり、個別の医療助言・診断・処方を代替するものではない。クレンブテロールおよび T3(リオサイロニン)を含む甲状腺ホルモン剤は、本来は医師の管理下で使用される処方薬であり、自己判断による使用には心血管事象、内分泌機能不全、代謝障害などのリスクが伴う。本記事の使用例・用量・サイクル例はボディビル領域の実践的な情報整理であり、特定の使用を推奨するものではない。使用前に内科または循環器内科・内分泌内科の診察を受け、ベースラインの採血・心電図を確認することを強く推奨する。 競技スポーツの選手は所属競技団体および WADA の最新の禁止物質リストを必ず確認すること。 使用は自己責任で。妊娠・授乳中の女性、未成年、心疾患・甲状腺疾患の既往がある方、不安障害・パニック障害のある方は使用を避けてください。

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