HCG10000

HCG (ヒト絨毛性ゴナドトロピン, Human Chorionic Gonadotropin)

概要

HCG（ヒト絨毛性ゴナドトロピン）は、妊娠中に胎盤から分泌されるホルモンであり、男性では黄体形成ホルモン（LH）と似た作用を持ち、精巣を刺激してテストステロンの分泌を促進します。アナボリックステロイドの使用によって抑制された内因性テストステロンの回復を助けるため、PCT（回復療法）やサイクル中の精巣機能維持に使用されます。また、HCGは精子の生産を促進し、不妊治療にも用いられます。

効果

• 内因性テストステロンの回復：精巣を刺激し、自然なテストステロン生産を再開。
• 精巣萎縮の予防・回復：ステロイド使用による精巣の委縮を防ぐ。
• 性機能の向上：性欲、勃起機能の改善に寄与。
• 精子の生産促進：不妊治療としても使用される。
• 筋肉の維持：PCT中の筋肉の減少を最小限に抑える。

副作用

• エストロゲン上昇（HCGによるテストステロン増加の影響でアロマターゼ活性が上昇）
• 乳腺肥大（HCG単独使用時にエストロゲンとプロゲステロンが増加し、乳房肥大のリスク）
• 水分保持（エストロゲン上昇による影響）
• テストステロン分泌の抑制（高用量のHCGを長期間使用すると、逆に内因性テストステロンの分泌が低下する）

半減期

約 24～36時間

使用頻度・使用量

• サイクル中の精巣機能維持：250～500IUを週2回（ステロイドサイクル中に使用）
• PCT（回復療法）目的：
  • 2000IUを3日ごとに1～2週間
  • 1000IUを3日ごとに2週間（その後SERMを開始）
• 最大使用期間：HCGのみの長期間使用は推奨されず、通常2～4週間以内に抑える

推奨されるケア剤

• PCT（HCG使用後に推奨されるケア）：クロミフェン（クロミッド）、タモキシフェン（ノルバデックス）

総評

HCGは、ステロイド使用後のPCTや精巣機能の維持に非常に効果的ですが、エストロゲン上昇のリスクがあるため、アロマターゼ阻害剤（AI）を併用することが推奨されます。適切な使用をすれば、ステロイドサイクル後のテストステロン回復をスムーズに進めることができますが、高用量の長期使用は逆効果となる可能性があるため注意が必要です。