ノルバデックス / 20mg * 50

ノルバデックス (Nolvadex, タモキシフェン, Tamoxifen Citrate)

概要

ノルバデックス（タモキシフェン・クエン酸塩）は、選択的エストロゲン受容体調節薬（SERM）であり、乳腺のエストロゲン受容体に結合することでエストロゲンの作用を阻害します。アナボリックステロイド使用者の間では、乳腺肥大（ギノコマスティア）の予防や、PCT（回復療法）における内因性テストステロンの回復促進を目的に使用されます。エストロゲンの作用を抑えつつも、骨密度維持や脂質プロファイルの改善といった良好な作用も持ち合わせています。

効果

• ギノコマスティア（乳腺肥大）の予防・治療：アナボリックステロイド使用によるエストロゲンの影響を抑える。
• 内因性テストステロンの回復促進（PCTに必須）：視床下部-下垂体-精巣軸（HPTA）を刺激し、テストステロン産生を再開させる。
• 水分保持の抑制：エストロゲンによる体内の過剰な水分保持を軽減。
• 心血管の保護：善玉コレステロール（HDL）の減少を防ぐ。
• 骨密度の維持：エストロゲンの作用を完全には抑えないため、骨密度低下のリスクが少ない。

副作用

• 一時的なテストステロン抑制（高用量・長期間使用時）
• ホットフラッシュ（ほてり、汗）
• 軽度の吐き気・胃の不快感
• 気分の変動（イライラや落ち込み）
• 視覚障害（高用量の長期使用で報告あり）

半減期

約 5～7日

使用頻度・使用量

• PCT（回復療法）としての使用：
  • 1週目：40mg/日
  • 2～4週目：20mg/日
  • 必要に応じて5～6週目：10mg/日
• ギノコマスティア予防・治療：20～40mg/日（症状が落ち着いたら減量）
• サイクル中のエストロゲン管理：10～20mg/日（アロマターゼ阻害剤と併用推奨）

推奨されるケア剤

• 追加のエストロゲン抑制が必要な場合：アリミデックス（アナストロゾール）、レトロゾール（フェマーラ）
• PCTでのテストステロン回復補助：クロミッド（クロミフェン）、HCG（ヒト絨毛性ゴナドトロピン）

総評

ノルバデックス（タモキシフェン）は、ギノコマスティアの予防・治療、およびPCT（回復療法）において非常に重要な役割を果たします。ステロイド使用後のHPTA回復を助け、テストステロン分泌を正常化するため、アナボリックステロイド使用者には必須のケア剤です。ただし、高用量や長期間の使用には注意が必要であり、アロマターゼ阻害剤（AI）との適切な併用が望まれます。