7つの経口アナボリックステロイドの強さと副作用を解説
7つの経口アナボリックステロイドの強さと副作用を解説
トゥリナボル、ウィンストロール、アナバー、ダイアナボル、オキシメトロン、スーパードロール、ハロテスチンをまとめて整理。
1.経口アナボリックステロイドとは
テストステロンなどの男性ホルモンは肝臓ですぐ分解されてしまうため、 経口剤として機能させるためにC17αアルキル化という加工がされています。 このおかげで「飲んでも効く」ようになる一方で、肝臓への負担が大きいという特徴があります。
- 注射不要で飲むだけなので心理的ハードルが低い
- 立ち上がりが早く、数日〜1週間レベルで体感が出やすいものが多い
- ほぼすべてがC17αアルキル化により肝毒性が強い
- 血中濃度の変動が大きく、血圧・メンタルの揺れが出やすい
「注射が怖いから、とりあえず経口から」という選び方をされがちですが、 実際には肝臓・心血管リスクで注射剤よりも副作用が強いものになります。
2.7種の経口剤の特徴と強さ
ここでは、 トゥリナボル / ウィンストロール / アナバー / ダイアナボル / オキシメトロン / スーパードロール / ハロテスチン の7種類を取り上げ、ボディメイクでの「強さ」と「効果の傾向」を整理します。
強さランクは、1 = 最もマイルド / 7 = 最もハード というイメージです。
実際の効き方は、用量・期間・個体差・他剤とのスタック、そもそもの中身の正確さで大きく変わります。
| 名称 | 強さ | 効果 |
|---|---|---|
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アナバー
Oxandrolone
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1 | 低〜中用量では比較的「クリーン」とされる経口剤。 筋硬度アップ・軽い筋量増加・力の持続といった体感が得られやすい。 水分やむくみは出にくい一方、脂質・肝臓への負担はややある。 |
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トゥリナボル
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2 | 「ドライ寄りのダイアナボル」と表現されることが多い化合物。 そこそこ筋量も増えつつ、比較的シャープな見た目を保ちやすいとされる。 立ち上がりは早く、パフォーマンス面の体感も出やすい。 |
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ウィンストロール
Stanozolol
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3 | 完全ドライ寄りの経口剤。 筋硬度アップ・カット出し・スピード系競技のパフォーマンス向上などで使われてきた。 コレステロール悪化が出やすい。 |
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ダイアナボル
Methandrostenolone
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4 | 昔から使われる「バルク用」経口ステロイド。 強烈なアナボリックで、筋量とともに水分・パンプ感・力の伸びが一気に出る。 その分、エストロゲン関連の副作用(むくみ・血圧・ガイノ)や肝臓・脂質へのダメージも大きい。 |
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オキシメトロン
Oxymetholone
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5 | 大きなサイズ・パワーアップを狙うときに使われる「バルク用」経口剤。 水分・血圧・頭痛・胃腸不良などが出やすい。 気分変動も含め、量を間違えると副作用がかなりきつい。 |
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スーパードロール
Methasterone
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6 | 短期間での筋量・筋力増加が強烈な一方、肝毒性と脂質悪化もトップクラス。 長期間のサイクルには向かず、短期的に一気に筋量を増やした場合に利用される。 |
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ハロテスチン
Fluoxymesterone
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7 | 競技直前の「ピーク狙い」などで使われる。かなりの効果が期待できるが、 肝臓・脂質・血圧・メンタルなどあらゆる面で副作用リスクが高い。 長期使用にはまったく向かない。 |
3.経口アナボリックステロイドの副作用について
3-1. 共通する主な副作用
- テストステロンの低下(自己分泌のストップ)
- 精巣萎縮、精子数の減少、不妊リスク
- 性欲低下や勃起不全、やる気の低下
- C17αアルキル化による薬物性肝障害(AST/ALT・γ-GTPの上昇、胆汁うっ滞など)
- HDL低下・LDL上昇など、コレステロールの悪化
- 血圧上昇・血液粘度アップなどを通じた心筋梗塞・脳卒中リスクの増加
- イライラ・攻撃性・不眠・気分の上下などメンタル面の変化
- ニキビ・脱毛・皮脂分泌増加などのアンドロゲン症状
- 血液の濃縮(赤血球増加)による血栓リスク
3-2. エストロゲン&プロラクチンまわりの違い
7種の中で「高E2系」の副作用を起こしやすいのは、主にダイアナボルとオキシメトロンです。
- ダイアナボル:強くアロマタイズし、メチルエストラジオールに変換されるため、むくみ・血圧上昇・ガイノなどが出やすい。
- オキシメトロン:厳密にはアロマタイズしないが、別作用でエストロゲン様の症状(水分・頭痛など)を起こしやすいとされる。
一方、アナバー、トゥリナボル、ウィンストロール、スーパードロール、ハロテスチンは非アロマタイズ系で、 それ自体がエストロゲンに変換されることはありません。
プロラクチン(PRL)まわりのトラブルは、どちらかというとデカ・トレンなどの19-nor系ステロイドで発症します。
今回挙げた7種はどれも19-nor系ではないので、プロラクチンに関する副作用はほぼ無いと考えられます。
4.必要なケア剤と食事管理について
4-1. 肝臓対策:ウルソデオキシコール酸(UDCA)など
経口ステロイドでは、特に肝臓のケアが最重要で、胆汁酸製剤であるウルソデオキシコール酸(UDCA)が必須です。
これに加えて、NAC(N-アセチルシステイン)などのサプリも、肝サポート目的でよく使われます。
4-2. エストロゲン対策・男性ホルモンの回復(AI / SERM)
ダイアナボルや一部のオキシメトロンのようにエストロゲン様の副作用が強い経口剤では、アロマターゼ阻害薬(AI)やSERM(選択的エストロゲン受容体モジュレーター)が使われることがあります。
- アロマターゼ阻害薬:アロマシン(エキセメスタン)、アリミデックス(アナストロゾール)など
- SERM:ノルバデックス(タモキシフェン)、クロミッド(クロミフェン)など
これらは、本来は乳がん治療や男性不妊などに使われる医薬品であり、 「PCT」でよく使用されます。
4-3. コレステロールと心血管リスクを下げる「クリーンな食事」
経口ステロイドは、HDL低下・LDL上昇など脂質プロファイルの悪化が顕著に出やすく、 心血管リスクに直結します。
薬だけでなく、ベタですが「クリーンな食事」がかなり効きます。
- 揚げ物・菓子パン・スナック・ラーメンなど、飽和脂肪+カロリー過多の食事を減らす
- 魚(特に青魚)、オリーブオイル、ナッツなど「良質な脂」を意識して摂る
- 野菜・海藻・きのこ類で、食物繊維とミネラルをしっかり確保
- アルコールは控えめにし、連日の深酒を避ける
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