TUDCA(タウロウルソデオキシコール酸)用量ガイド|250〜1500mg目的別レンジ・食事タイミング・採血で調整【2026年版】
結論(3行)
- TUDCA(タウロウルソデオキシコール酸、ウルソデオキシコール酸にタウリンが結合した胆汁酸の一種)の用量レンジは目的別に明確で、軽度の肝サポートで250mg/日、AAS(アナボリックステロイド)経口サイクル中の本格運用で500〜1000mg/日、17α-アルキル化(C17α-AA)の高負荷サイクルや胆汁うっ滞改善で1500mg/日(分割)が海外文献ベースの目安
- 半減期が比較的短いため 1日2〜3回に分割し、脂質を含む食事と一緒に飲む のが吸収・忍容性ともに最も安定する。1日1回でまとめて飲むより、ピーク濃度を下げて胆汁酸プールを長く維持する方が消化器症状も少ない
- 採血(ALT/AST/総ビリルビン)で4週ごとに増減を判断するフローが現実的。UDCA(ウルソ®)で代用する場合の目安換算は TUDCA 500mg ≈ UDCA 600mg 程度(あくまで目安、ヒトでの厳密な等価試験は限られる)
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1. TUDCA の用量レンジ全体像 — 250mg/日 から 1500mg/日 までの幅をどう使い分けるか
TUDCA(タウロウルソデオキシコール酸)を実際に取り入れるとき、最も悩むのが「結局、何 mg 飲めばいいのか」という点である。海外文献で報告されている用量は 250mg/日 〜 1500mg/日 と幅広く、ざっくり「500mg/日くらい」と言われても、目的によってはそれが過少だったり過剰だったりする。
ここをまず一枚の表に整理しておくと、以降の章が読みやすい。
| 目的 | 用量レンジ(海外文献ベース) | 期間の目安 | 分割回数 |
|---|---|---|---|
| 健常者の予防・軽度サポート | 250mg/日 | 必要時のみ・短期 | 1〜2回 |
| 軽度〜中等度の肝機能数値悪化 | 500〜1000mg/日 | 4〜8 週 | 2回(朝晩) |
| AAS 注射型サイクル中の予防 | 250〜500mg/日 | サイクル全期間 | 1〜2回 |
| AAS 経口サイクル中(C17α-AA 主体) | 500〜1000mg/日 | サイクル全期間 + 後 4 週 | 2回 |
| 17α-AA 高用量サイクル/数値悪化既知 | 1000〜1500mg/日 | サイクル全期間 + 後 4 週 | 2〜3回 |
| 胆汁うっ滞性肝障害(臨床報告) | 1000〜1500mg/日 | 4〜12 週 | 2〜3回 |
このレンジは姉妹記事のTUDCA はいつから効く?用量・ALT/AST 改善エビデンス・AAS サイクル肝保護まで完全ガイドで整理した効果プロファイルと整合する形で組まれている。本記事では、それぞれのレンジを 「いつ使うのか」「どう飲み分けるのか」「どうやめるのか」 という運用面に踏み込んで深掘りしていく。
1-1. 用量を決める時の3つの軸
「目的別に決まっている」と言っても、実際は次の3軸の重ね合わせで現場用量が決まる。
1. 目的(予防 vs 数値改善 vs 高負荷時の保護) — 250〜1500mg/日 の幅 2. 個人の消化器耐性 — 下痢・軟便が出やすい人は低用量から 3. 採血値のフィードバック — 4週後の ALT(GPT、肝細胞膜障害の指標)の動きで増減
「とりあえず 1000mg/日」と決め打ちで入っても、人によっては消化器が悲鳴を上げるし、逆に 250mg/日 では物足りない局面もある。初期用量は控えめ、4週後の数値で増減 が地味だが現実的な王道になる。
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2. 軽度の肝サポート(250mg/日)— 健常者の予防的サポートで使う層
まずは最も低い用量レンジから。
2-1. どんなシチュエーションで使うか
250mg/日 という用量は、海外フォーラムや一部のサプリメント市場で 「健常者の予防的サポート」「軽度の負荷期間の保険」 として使われる層。具体的には:
- 飲酒の頻度が増えた時期(連日アルコール摂取が続いた数週間)
- 高脂質食・外食が多くなった時期(検診で γ-GTP が少し動いた程度)
- ステロイドではない経口剤(一部の抗生剤・解熱鎮痛剤の長期投与)を一時的に使っている期間
- AAS の 注射型のみで C17α-AA 経口剤を使わない サイクル(より下の章で詳述)
この用量は 「ALT が動いてから慌てて足す」 というより、「動かないように予防的に薄く敷いておく」 ニュアンスで使うことが多い。
2-2. 250mg/日 の現実的な飲み方
250mg というのは、海外のサプリメント市場で流通する「TUDCA 500mg カプセル」の半分に相当する。多くの製品は 250mg または 500mg のカプセルで設計されており、
- TUDCA 250mg カプセル:朝食時に1錠
- TUDCA 500mg カプセル:1日おきに半量(分割が難しい場合)、または半割が可能なカプセルなら朝晩 250mg ずつ
という運用が多い。
UDCA(ウルソデオキシコール酸)で代替するなら、後述する換算で UDCA 300mg × 1錠/日 が大体これに対応する目安。当店で扱うウルソデオキシコール酸 UDCA / 300mg × 100(¥12,100)であれば、1日 1錠 ペースで 100 日分(約3ヶ月)もつ計算になる。
2-3. 「ずっと飲み続けてよいのか」問題
250mg/日 だからといって、健常者が一年中365日飲み続ける合理性は乏しい。胆汁酸プールに薄く介入し続けることになるが、肝機能数値が動く要因がない期間に予防として飲み続ける根拠は、現時点の文献では弱い。
「飲酒・外食が連日続く時期だけ」「サイクル直前の準備期間だけ」というように、負荷がかかる時期に集中投入 するのが本来の使い方。何もない時期にダラダラ続ける必要はない。
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3. AAS 経口サイクル中(500〜1000mg/日)— 中心レンジ
ここが最もよく使われるレンジ。
3-1. 17α-アルキル化(C17α-AA)経口剤と肝負荷
経口で飲んでも肝臓の初回通過代謝で分解されにくくするため、テストステロンの17α位にメチル基(またはエチル基)を付けた構造を 17α-アルキル化(C17α-AA) と呼ぶ。経口投与で全身に届くようになる代償として、肝臓に長く留まり、肝細胞・胆管細胞にストレスをかけやすい 構造になる(Solbach et al., *Liver Int* 2008, PMID: 17900246)。
代表的な C17α-AA 経口剤としては、メタンジエノン(ダイアナボル)、オキサンドロロン(アナバー)、スタノゾロール(ウィンストロール)、メテノロン酢酸エステル経口型、フルオキシメステロン(ハロテスチン)、メチルテストステロン などが知られている。これらを使うサイクルでは、ALT/AST/γ-GTP/総ビリルビンの上昇が用量・期間依存で起きる ことが古くから報告されている。
3-2. 500〜1000mg/日 の使い分け
AAS 経口サイクル中の TUDCA 用量は、経口剤の用量と期間で段階的に決めるのが現実的。目安は次のような配分。
| サイクル設定 | TUDCA 推奨用量(初期) | 4週後の調整 |
|---|---|---|
| アナバー 30〜50mg/日 × 6〜8週(穏やか) | 500mg/日(朝晩 250mg) | ALT が 20% 以上下がっていれば維持、動かなければ 750mg に |
| メタンジエノン 20〜30mg/日 × 4〜6週 | 750mg/日(朝晩 375mg or 朝250+夕500) | ALT 動きに応じて 1000mg まで |
| メタンジエノン 30〜50mg/日 × 6週 | 1000mg/日(朝晩 500mg) | ALT 上昇大なら 1500mg(分割3回)+ 経口剤側の減量検討 |
| メテノロン経口型 50〜75mg/日 × 8週 | 500〜750mg/日 | 数値次第 |
ポイントは 「経口剤と TUDCA を同時にスタートする」 こと。「数値が悪くなってから TUDCA を足す」より、最初から並走させたほうが ALT/AST のピーク値を抑えやすい、というのが海外フォーラムでも臨床の文脈でも共通する感覚である。
3-3. 1日2回 vs 1日3回分割の判断
500mg/日 までなら朝晩 2回分割で十分なケースが多いが、1000mg/日 を超える場合は 1日3回に分割するほうが消化器症状が穏やか。具体的には:
- 1000mg/日 → 朝晩 500mg ずつ(2回)/または朝昼晩 333mg ずつ(3回)
- 1500mg/日 → 朝昼晩 500mg ずつ(3回)
1500mg/日 を朝晩 750mg ずつにすると、1回あたりの胆汁酸負荷が大きくなり、下痢・軟便のリスクが上がる。3回に分けることでピーク濃度を下げ、長時間 胆汁酸プールを安定させる狙いがある。
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4. 17α-AA 高用量サイクル(1500mg/日)— ハイリスク域での運用
このレンジは、「気軽に入る」用量ではない。
4-1. どんなシチュエーションで 1500mg/日 まで上げるのか
1500mg/日 まで TUDCA を上げる現場は、以下のいずれか。
- メタンジエノン 50mg/日超 や オキシメトロン(アナドロール)50〜100mg/日、メタステロン(スーパードロール)10〜20mg/日 といった高負荷経口剤を使うサイクル
- すでに ALT が 100 U/L 超に跳ねており、緊急的に肝細胞ストレスを抑えたい 局面(本来は経口剤側を切るべきだが、サイクル後半でやむを得ず継続している場合)
- 胆汁うっ滞性肝障害の臨床報告レンジ(肝硬変患者を対象とした二重盲検 RCT、Pan et al., *J Huazhong Univ Sci Technol Med Sci* 2013, PMID: 23592128 でも 1500mg/日 が使われている)
このレンジに乗せる時点で、本来は 「TUDCA を増やす」より「原因物質を切る・減らす」が優先 であることは押さえておきたい。「TUDCA を 1500mg まで盛れば経口剤を続けられる」という発想は危険。
4-2. 1500mg/日 の入り方 — 一気に入らない
1500mg/日 をいきなり初日から飲むのは、消化器が確実に悲鳴を上げる 用量帯。下痢・軟便・腹部膨満感の発現率が明確に上がる(姉妹記事のTUDCA 副作用ガイドで詳述)。
入り方としては:
| 週 | 用量 | 分割 |
|---|---|---|
| Week 1 | 500mg/日 | 朝晩 250mg |
| Week 2 | 750mg/日 | 朝250+夕500 |
| Week 3 | 1000mg/日 | 朝晩 500mg |
| Week 4 | 1250mg/日 | 朝500+昼250+夕500 |
| Week 5以降 | 1500mg/日 | 朝昼晩 500mg |
このペースで4〜5週かけて目標用量に到達する。「サイクル開始時には 500mg/日 で入って、肝機能数値の動きを見ながら段階的に 1500mg まで上げる」というのが、最も消化器症状を抑えられる入り方。
4-3. このレンジで併用すべきケア剤
1500mg/日 まで TUDCA を必要とする状況は、TUDCA 単体では足りない局面 であることが多い。NAC(N-アセチルシステイン、肝臓の解毒系で中心的な抗酸化トリペプチドのグルタチオンの前駆体)との併用、ホエイプロテインによるシステイン補給、必要なら ミルクシスル(シリマリン)も加える、といった多層的なケアが現実的。
当店の経口ステロイド・SARMs向け ケア剤セットプロ(¥21,000)は、肝・腎・脂質まで広めにカバーする上位構成として、こうした高負荷サイクル時に肝サポートを単一成分でなく多層で組む設計になっている。
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5. 食事と服用 — 脂溶性吸収を意識する
ここは用量と並ぶくらい重要なポイント。
5-1. なぜ食事と一緒に飲むのか
TUDCA は胆汁酸の親戚である分子で、脂質の消化と一緒に動く性質 がある。経口で飲んだ TUDCA が小腸で吸収されるとき、脂質と一緒のほうが吸収が安定する、というのは胆汁酸の生理学から自然に理解できる。
具体的には:
- 空腹時に水だけで飲む → 吸収にばらつき、消化器症状(下痢・軟便)が出やすい
- プロテイン飲料だけで飲む → 脂質が少ないため、空腹時よりはマシだが理想的ではない
- 脂質を含む食事と一緒に飲む → 吸収が最も安定し、消化器症状も最少
5-2. 「脂質を含む食事」とは何を指すか
実用的には、以下のような食事と一緒に飲むのが現実的。
- 朝食:卵(脂質あり)、ナッツ、アボカド、肉、魚、フルフルなチーズ
- 夕食:肉・魚を含む主菜、サラダのドレッシング(オリーブオイル系)
- 避けたほうが無難なタイミング:プロテインだけ、白米だけ、フルーツだけ、トレ前のBCAAドリンクだけ
「TUDCA を飲むためだけに脂質を増やす」必要はないが、もともと一日3食食べているなら、TUDCA を飲むタイミングをその3食のうち2つに合わせる だけで十分。
5-3. トレ前/トレ後との関係
ボディビル文脈で気にする人がいる「トレ前にTUDCAを飲んで意味があるか/トレ後の窓に乗せるか」について。TUDCA の薬理は「トレーニングの吸収窓」とは関係しない ので、この発想は的外れ。
TUDCA はあくまで胆汁酸の動きと食事の脂質吸収に同期させるものなので、
- 朝食(朝のトレ前後どちらでもよい)+ 夕食 のセットで飲む
- トレが朝なら、朝食をトレ後に取ってその時に飲む
- トレが夜なら、夕食を取ってから飲む(空腹トレ後にプロテインだけで飲まない)
という運用が無難。
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6. 半減期と分割投与 — 1日2〜3回が定石
6-1. TUDCA の血中半減期
TUDCA の血中半減期はおよそ 数時間 と短く、UDCA も類似のオーダー。1日1回でまとめて1000mg を飲むと、ピーク濃度は高くなる代わりに、半日後にはかなり下がっている、という濃度プロファイルになる。
これは「胆汁酸プールを長く安定させたい」目的とは相性が悪い。1日2〜3回に分けて飲むことで、24時間を通じて安定した胆汁酸プール濃度を維持できる、というのが分割投与が定石になっている理由。
6-2. 用量別の分割ガイド
| 1日総用量 | 分割回数 | 1回あたり | タイミング |
|---|---|---|---|
| 250mg/日 | 1回 | 250mg | 朝食時 |
| 500mg/日 | 2回 | 250mg | 朝食 + 夕食 |
| 750mg/日 | 2回 | 250mg / 500mg | 朝食 + 夕食(夕食をやや多め) |
| 1000mg/日 | 2回 | 500mg | 朝食 + 夕食 |
| 1250mg/日 | 3回 | 500/250/500 | 朝食 + 昼食 + 夕食 |
| 1500mg/日 | 3回 | 500mg | 朝食 + 昼食 + 夕食 |
「夕食をやや多め」にする運用が多いのは、夜間の胆汁酸動態をカバーする 意味合い。寝ている間も肝臓は働き続けるので、夕食時にやや多めに入れるのは理にかなっている。
6-3. 「飲み忘れた日」の扱い
朝飲み忘れて夕方気づいたら、その日は朝の分を飛ばして夕食時に通常量を飲む。まとめて2回分を一度に飲むのは、ピーク濃度が上がって消化器症状が出やすくなるので非推奨。
数日連続で飲み忘れた場合は、習慣のほうを見直したほうが早い。スマホのアラーム、サプリケース、食卓の見える場所に置く、など飲み忘れを構造的に防ぐ工夫を入れるのがおすすめ。
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7. サイクル長 — TUDCA をいつからいつまで続けるか
7-1. AAS 経口サイクルとの並走パターン
C17α-AA 経口剤を使うサイクルでの TUDCA 並走は、原則として以下のタイムラインになる。
| タイミング | TUDCA 用量 | 補助 |
|---|---|---|
| サイクル開始 1週間前 | 500mg/日(導入慣らし) | 開始前血液検査 |
| サイクル Week 1〜2 | 500mg/日 | 水分多めに |
| サイクル Week 3〜終了 | 500〜1000mg/日(数値次第) | NAC・ホエイ併用検討 |
| サイクル終了 → PCT 開始 | 500〜750mg/日 | PCT 期間中も継続 |
| PCT 終了 → 4週後 | 500mg → 250mg(漸減) | ALT/AST 基準内なら漸減開始 |
| 全体終了 | 0(中止) | 数値が落ち着いたら中止 |
ポイントは 「サイクル開始 1週間前から導入を始める」 こと。これは消化器症状の慣らしと、サイクル開始時点で胆汁酸プールが TUDCA 寄りに整っている状態を作る意図がある。
7-2. 「サイクル後の継続期間」をなぜ4週とるのか
サイクルが終わっても、経口剤の影響は数週間残る。AAS 経口剤の代謝・排泄、肝細胞の修復、胆汁酸動態の正常化、いずれも数週間スパンの話。
「サイクル終わったから即 TUDCA も終わり」とすると、ALT/AST が落ち着く前に TUDCA を切ってしまい、回復のラスト一押しを欠く ことになる。サイクル終了後 4週、ALT/AST が基準内で安定したら漸減して中止、というのが穏当。
7-3. 注射型 AAS のみのサイクル(C17α-AA を含まない)
テストステロンエナント酸エステル単体や、メテノロンエナント酸エステルとの組み合わせのような 注射型主体のサイクル であれば、TUDCA は必須ではないというのが多くの議論での結論。
ただし以下のケースでは、サイクル中だけでも 250〜500mg/日 を使う選択肢を検討する価値がある。
- HCG・経口アロマターゼ阻害薬(アナストロゾール、レトロゾール)を併用している
- 元々 ALT/AST が基準値ギリギリ
- アルコール頻度が高い
- スタチン系・他の肝負荷薬剤を併用している
これらが当てはまらない単純な注射型単体サイクルなら、TUDCA を入れるより、むしろ採血を確実に取るほうが投資効果が高い。
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8. 採血モニタリングと用量調整フロー — ALT/AST/総ビリルビンで増減する
「決め打ちの用量」より「採血値で動かす」が現場の王道。
8-1. 必須採血項目
TUDCA を使う前提で取るべき採血項目は以下の最低限5つ。
- ALT(GPT) — 肝細胞膜障害の最も鋭敏な指標
- AST(GOT) — ALT より少し緩やかに動く、AST/ALT 比も参考
- 総ビリルビン — 胆汁うっ滞の指標、黄疸の数値版
- γ-GTP — アルコール・薬剤性肝障害の代表的指標
- ALP(アルカリホスファターゼ) — 胆道系の負荷指標
可能なら 直接ビリルビン、Albumin、PT-INR も入れたい(肝合成能の指標)。健康診断のコースに「肝機能セット」がある場合は大体これらを含む。
8-2. 採血のタイミング
| タイミング | 目的 |
|---|---|
| サイクル開始前(1〜2週前) | ベースライン確認、TUDCA 用量決定 |
| サイクル中 4週時点 | 中間チェック、用量調整 |
| サイクル終了直後 | ピーク値確認 |
| サイクル終了 4週後 | 回復確認、TUDCA 漸減判断 |
採血は 同じ条件(時間帯、トレ後 24時間以上、空腹時、飲酒なし)で取らないと、TUDCA の効果なのか生活習慣のブレなのか分からなくなる。
8-3. 用量調整フロー(ALT 中心)
4週時点での ALT の動きで、次の4週の用量を決めるフローはおおむね以下。
| 4週時点 ALT | 解釈 | 次の4週の TUDCA 用量 |
|---|---|---|
| 開始時から 20% 以上低下 | TUDCA が効いている | 維持 |
| ほぼ変わらず(±10%) | 効きが弱い、原因物質が強い | 用量 1.5倍 + 食事と一緒に飲んでいるか確認 |
| 開始時から 20% 以上上昇 | 経口剤の負荷が上回っている | 用量1.5〜2倍 + 経口剤側の減量検討 |
| 100 U/L 超 | 危険域 | 経口剤を中止 + TUDCA 1500mg/日 まで増量 + 医療機関受診 |
| 200 U/L 超 | 重度 | 即時医療機関受診 + AAS全停止 |
ポイントは ALT 100 U/L が一つの分水嶺ということ。ここを超えたら TUDCA を増やす前に 原因物質を切る判断 が優先される。「TUDCA を 1500mg まで盛れば 経口剤を続けられる」は成立しないライン。
8-4. 総ビリルビンが動いたとき
総ビリルビンが基準値(0.4〜1.2 mg/dL)を超えてくる、特に 直接ビリルビン優位 で動く場合は胆汁うっ滞のサインで、より深刻。
- 総ビリルビン 1.5 mg/dL 超 → TUDCA 1000〜1500mg/日 へ増量、経口剤の減量検討
- 総ビリルビン 3.0 mg/dL 超(臨床的黄疸ライン) → 経口剤即中止、医療機関へ
姉妹記事のTUDCA 副作用ガイドで扱った「やめるべきサイン」と整合させると、白目が黄色くなる(黄疸)、尿が極端に濃い茶色になる、皮膚のかゆみが強い といった症状が出ている時点で、数値だけを追うフェーズではなく医療機関受診のフェーズに切り替わる。
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9. 副作用回避用量 — 下痢が主、用量を抑える戦略
副作用の詳細プロファイルは姉妹記事のTUDCA 副作用完全ガイドに譲るが、用量設計の観点から 副作用を回避するコツを整理する。
9-1. 下痢回避の用量設計
下痢・軟便は TUDCA で最も多い副作用。用量依存性 が強いので、用量設計で大きく回避できる。
- 1〜2週間かけて目標用量まで上げる(初日に最大用量はNG)
- 分割回数を増やす(1回あたりの胆汁酸負荷を下げる)
- 食事(脂質)と一緒に飲む(空腹時を避ける)
これだけで多くのケースは下痢を起こさずに目標用量に到達できる。「最初の1週間が下痢気味だったが、続けたら慣れた」という海外フォーラムの自己報告は多いが、それは 入り方を雑にした人の通過儀礼 であって、慎重に入れば慣らし期間自体が必要ない。
9-2. 下痢が出たときの用量対処
下痢が出てしまった場合の対処順:
1. 半量に減量(例:1000mg/日 → 500mg/日) 2. 分割回数を増やす(2回 → 3回) 3. 食事と一緒に飲んでいるか確認(空腹時を避ける) 4. 2〜3日休薬してリセット、半量から再開
これで多くは収まる。続く場合・激しい腹痛や血便を伴う場合は、TUDCA だけの問題ではない可能性があるので医療機関へ。
9-3. 個人差を見越した「初期低用量主義」
体質的に消化器が弱い人、過去に胆汁酸性下痢の経験がある人、もともと過敏性腸症候群(IBS)がある人は、目標用量がいくらであろうと初期は 250mg/日 から入る のが安全。500mg/日 から入って下痢で挫折するより、250mg/日 から入って 4〜6週かけて目標用量に上げるほうが、結果的にトータル投与量が稼げる。
「短時間で目標用量まで急上昇させる」より「ゆっくり長期間目標用量で運用する」ほうが、肝サポートとしての累積効果が大きい、というのも見落とされがちな視点。
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10. UDCA との換算 — TUDCA 500mg ≈ UDCA 600mg(目安)
姉妹記事のTUDCA 購入ガイドでも触れたが、当店の主要 SKU は親分子の UDCA(ウルソデオキシコール酸)である。「TUDCA で書かれている海外文献の用量を、UDCA で運用するならいくらに換算するか」は、実用上よく質問される。
10-1. 換算の根拠と限界
UDCA と TUDCA は同じ方向に作用する親戚同士で、作用プロファイルは似通っている。UDCA は経口で摂取された後、体内で一部がタウリン抱合(タウリンと結合した形)になり、結果として TUDCA に近い分子が体内で生まれる。つまり UDCA を飲むと、回り道はするが TUDCA に近い分子も体内でつくられる構造。
ヒトでの厳密な等価試験データは限られるが、薬理学的な目安として TUDCA 500mg ≈ UDCA 600mg 程度の換算が海外フォーラムや一部の臨床文献で言及されている。これは:
- UDCA は腸内で一部脱抱合(タウリンが外れる)→ 再び体内でタウリン抱合される回り道がある
- TUDCA は最初から抱合型なので、薬理効果が立ち上がるまでの段階が一段少ない
- その差を「20% ほどの用量上乗せ」で吸収しようというのが、500:600 換算の背景
この換算は 目安 であり、厳密な等価ではない。臨床効果を比較した大規模直接試験は限られているため、「ここまで正確」とは言い切れない。あくまで運用上の参考値として扱う。
10-2. 換算表
代表的な TUDCA 用量を UDCA に換算した目安:
| TUDCA(海外文献ベース) | UDCA 換算(目安) | 当店UDCA 300mg錠での運用 |
|---|---|---|
| 250mg/日 | 300mg/日 | 1錠/日(朝食時) |
| 500mg/日 | 600mg/日 | 2錠/日(朝晩 1錠ずつ) |
| 750mg/日 | 900mg/日 | 3錠/日(朝晩 + 昼1錠 or 夕2錠) |
| 1000mg/日 | 1200mg/日 | 4錠/日(朝2 + 夕2) |
| 1500mg/日 | 1800mg/日 | 6錠/日(朝2 + 昼2 + 夕2) |
当店のウルソデオキシコール酸 UDCA / 300mg × 100(¥12,100)は 300mg×100錠で、
- TUDCA 500mg/日 換算で 50日分
- TUDCA 1000mg/日 換算で 25日分
- TUDCA 1500mg/日 換算で 約16日分
という消費ペース。8週(56日)サイクルを TUDCA 500mg/日 相当でカバーするなら、UDCA 300mg×100 を 1〜2 ボトル用意する設計になる。
10-3. UDCA で運用する時の注意点
UDCA で運用する場合、「TUDCA の海外文献の用量をそのまま UDCA mg で読み替えない」点だけ押さえておきたい。TUDCA 500mg/日 と書かれていたら、UDCA で 500mg は少なめで、600mg(2錠)が目安 ということ。
逆に、UDCA で 1日 1800mg(6錠)まで上げる運用は、ALT 100 U/L 超のような数値悪化が顕在化している局面で使うレンジ。「予防のために健常者が UDCA 6錠を毎日」は過剰なので、状況に応じた段階運用を意識する。
ER ストレス(細胞内のタンパク質工場で異常タンパク質がたまり細胞自死を誘発する現象)抑制作用は TUDCA のほうが強いとする報告もある(Ozcan et al., *Science* 2006, PMID: 16931765)ため、「神経変性・糖尿病・小胞体ストレスをピンポイントに狙う」用途では UDCA で完全代替できるかは未確定。AAS 経口サイクルの肝保護という用途では、UDCA で実用上十分なケースが多い、というのが現実的な落としどころになる。
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11. 用量設計の実践チェックリスト — 7項目
最後に、TUDCA 用量を実際に決めて運用するときのチェックリストをまとめておく。
1. 目的を明確にする — 予防(健康維持)/AAS 注射型サイクル中の保険/AAS 経口サイクル中の本格運用/数値悪化の改善、どれかで初期用量が変わる 2. 開始前血液検査(ALT・AST・γ-GTP・総ビリルビン・ALP) を取る 3. 初期用量は控えめから(目標 1000mg/日 でも初期 500mg/日) 4. 1〜2週間かけて目標用量まで上げる — いきなりフル用量はNG 5. 分割投与(2〜3回)+ 食事(脂質)と一緒に飲む 6. 4週後に再採血 — ALT が 20% 以上下がっているかで増減判断 7. サイクル終了後 4週は継続 → ALT/AST 基準内で安定したら漸減して中止
「決め打ちの 1000mg/日 を雑に始める」より、初期低用量+段階的増量+採血フィードバック の3点を守るほうが、消化器症状を避けつつ累積投与量を稼げる、というのが最終的な現場感になる。
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12. FAQ
Q1. TUDCA は何 mg から始めればいいですか?
A. 海外文献ベースでは 500mg/日(朝晩 250mg ずつ) からのスタートが消化器症状を起こしにくく、もっとも汎用的なレンジです。ただし「目標用量がいくらであろうと初期は 250mg/日 から」というのが、消化器が弱い人や TUDCA を初めて使う人には現実的な選択。AAS 経口サイクル中で予防目的なら 500〜1000mg/日、すでに ALT/AST が悪化しているなら 1000〜1500mg/日(分割)まで上げるという考え方が一般的です。
Q2. 1日1回でまとめて飲むのと、分割で飲むのとでどちらが効きますか?
A. 分割投与(1日2〜3回)のほうが推奨 されます。TUDCA の血中半減期は数時間と短いため、1回でまとめて飲むとピーク濃度は高くなる代わりに、半日後にはかなり下がってしまいます。1日2〜3回に分けることで、24時間を通じて安定した胆汁酸プール濃度を維持でき、消化器症状の発現率も下がります。
Q3. 食事と一緒に飲まないとダメですか?
A. 脂質を含む食事と一緒に飲むほうが吸収・忍容性ともに安定 します。空腹時に水だけで飲むと吸収にばらつきが出やすく、消化器症状(下痢・軟便)が出やすくなります。プロテインだけで流し込むより、卵・ナッツ・肉・魚を含む食事と一緒に飲むのが現実的な選択です。
Q4. UDCA(ウルソ)で代用する場合、何 mg にすればいいですか?
A. 目安は TUDCA 500mg ≈ UDCA 600mg。当店のUDCA 300mg×100であれば、TUDCA 500mg/日 相当 = UDCA 2錠/日(600mg)、TUDCA 1000mg/日 相当 = UDCA 4錠/日(1200mg)が運用上の目安になります。ヒトでの厳密な等価試験データは限られるため、あくまで運用上の参考値として扱ってください。
Q5. AAS サイクルを始めますが、TUDCA はいつから飲み始めればいいですか?
A. サイクル開始 1週間前から導入を始める のが推奨されます。これは消化器症状の慣らしと、サイクル開始時点で胆汁酸プールが整っている状態を作る意図です。「数値が悪くなってから慌てて足す」より、最初から並走させたほうが ALT/AST のピーク値を抑えやすい、というのが共通する感覚です。サイクル終了後も 4週は継続し、ALT/AST が基準内で安定したら漸減して中止します。
Q6. ALT が 4週で動かない場合、用量を上げれば下がりますか?
A. TUDCA 用量を 1.5倍 に上げるのは選択肢の一つですが、それと並行して 食事と一緒に飲んでいるか・分割回数は適切か・原因物質(AAS 経口剤、アルコール、他剤)が想定より強くないか を確認する必要があります。ALT が 100 U/L を超えているのに動かない場合は、TUDCA を増やす前に 原因物質側の中止または減量 を検討する状況です。
Q7. 1500mg/日 までいきなり入っても大丈夫ですか?
A. NG です。1500mg/日 は消化器症状(下痢・軟便)の発現率が明確に上がる用量帯で、いきなり初日から飲むと消化器が悲鳴を上げます。Week 1: 500mg → Week 2: 750mg → Week 3: 1000mg → Week 4: 1250mg → Week 5以降: 1500mg というように、4〜5週かけて段階的に到達させてください。そもそも 1500mg/日 まで必要な状況は、本来 「TUDCA を増やす」より「原因物質を切る」が優先 されるシチュエーションです。
Q8. サイクルが終わったら、TUDCA もすぐやめていいですか?
A. サイクル終了後 4週は継続 し、ALT/AST が基準内で安定したら漸減して中止するのが穏当です。AAS 経口剤の代謝・排泄、肝細胞の修復、胆汁酸動態の正常化はいずれも数週間スパンで進むため、サイクル終了即中止だと回復のラスト一押しを欠きます。漸減は 1000mg/日 → 500mg/日(1〜2週)→ 250mg/日(1週)→ 中止 のようなペースで。
Q9. 飲み忘れた日は次の日にまとめて飲んでいいですか?
A. NG です。まとめて2回分を一度に飲むと、ピーク濃度が上がって消化器症状が出やすくなります。朝飲み忘れて夕方気づいたら、その日は朝の分を飛ばして夕食時に通常量を飲んでください。数日連続で飲み忘れる場合は、習慣のほうを見直すのが早いです(スマホアラーム、サプリケース、食卓常設など)。
Q10. 注射型 AAS のみのサイクルでも TUDCA は必要ですか?
A. C17α-AA(17α-アルキル化された経口剤)を含まない注射型単体サイクルなら、TUDCA は必須ではない というのが多くの議論での結論です。ただし HCG・経口アロマターゼ阻害薬を併用している、元々 ALT/AST が基準値ギリギリ、アルコール頻度が高い、などのケースでは、サイクル期間中だけでも 250〜500mg/日 を使う選択肢を検討する価値があります。
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14. 関連商品(用量設計に応じた肝サポートの選択肢)
用量設計を実装するときの当店ラインナップ。在庫状況は変動するため、最新の入荷状況は LINE で問い合わせるのが確実。
- ウルソデオキシコール酸 UDCA / 300mg × 100(¥12,100) — TUDCA の親分子 UDCA。300mg×100錠で、TUDCA 500mg/日 相当の運用なら 50日分(2026-04-26 在庫あり)
- 経口ステロイド・SARMs向け ケア剤セットプロ(¥21,000) — 1500mg/日 の高負荷レンジで TUDCA 単体では足りない局面の多層ケア。肝・腎・脂質まで広めにカバーする上位構成
TUDCA 単体粉末・カプセルの入荷有無は流動的です。「TUDCA で在庫の出物があったら教えてほしい」「自分の用量設計で迷っているので相談したい」 といった相談は LINE で受け付けています(友だち追加はこちら)。
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参考文献(PMID 実在確認済 — 姉妹記事と整合)
1. Ozcan U, et al. *Chemical chaperones reduce ER stress and restore glucose homeostasis in a mouse model of type 2 diabetes.* Science. 2006;313(5790):1137-40. PMID: 16931765 2. Heubi JE, et al. *Tauroursodeoxycholic acid (TUDCA) in the prevention of total parenteral nutrition-associated liver disease.* J Pediatr. 2002;141(2):237-42. PMID: 12183720 3. Pan XL, et al. *Efficacy and safety of tauroursodeoxycholic acid in the treatment of liver cirrhosis: a double-blind randomized controlled trial.* J Huazhong Univ Sci Technol Med Sci. 2013;33(2):189-94. PMID: 23592128 4. Solbach P, et al. *Anabolic-androgenic steroids and liver injury.* Liver Int. 2008;28(2):230-238. PMID: 17900246
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免責事項
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