T3をAAS中に併用してカット仕上がった話

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リード

コンテスト直前の3週間、体重は落ちているのに腹下と腰周りの皮一枚がどうしても抜けない。摂取カロリーをこれ以上削れば筋量も削れる、有酸素をこれ以上増やせば足が攣る。そんな仕上げ最終局面で甲状腺ホルモン剤のT3(リオチロニン)をAAS(アナボリックステロイド)と併用したという話を、ジム仲間から聞くことが増えました。実際にやっている人の声は確かに存在しますが、T3単体だと筋肉まで一緒に削れることが知られており、AASとの組み合わせで筋量を守りながら脂肪だけを落とすという発想が出てきます。

この記事では、コンテスト直前の6週間でT3とAASを併用して仕上げを完成させた実例を1つ追いながら、その人が用量・期間・PCT(ポストサイクルセラピー、サイクル後の回復処置)・体組成の変化をどう管理したかを共有します。読み終わったときに「自分の場合はどこまで真似できるか、どこからは無理か」が判断できる材料になることを目指します。

結論

仕上げ局面でT3とAASを併用したケースで多く挙がるパターンは「T3は短期(6週以内)・低めの用量から漸増・漸減」「AAS側はテストステロン(以下テスト)を土台に、筋量保持効果が言われるマステロン等を上乗せ」「有酸素は増やしすぎず週合計3時間以内」「体重よりも体組成計と鏡で判断」という4点です。T3を長期で高用量に振った人は、コンテスト後の倦怠感と筋量低下に悩まされる傾向があります。短く切り上げる勇気が、結果を決めます。

事例:6週でT3とAASを併用し仕上げを完成させたAさんの話

紹介するのはトレーニング歴8年・体重75kg前後のナチュラルから1年前に切り替えた中級者、Aさんの話です。コンテスト6週前から仕上げにかかり、最終的に体脂肪率の鏡判定で腹直筋の溝とセラタス(前鋸筋)の凹凸が出るところまで到達しました。

ベースライン(6週前)

開始時の状態は、体重78.2kg、体組成計上の体脂肪率10.8%、ウエスト82cm。普段のサイクルではテストステロンエナンセート週400mgをベースにしていましたが、仕上げ局面ではエステル(脂肪酸鎖、薬の血中半減期を決める部分)の短いプロピオネートに切り替え、抜けを早くする方針にしました。

用量と期間の組み立て

Aさんが採用したのは以下の組み立てです。あくまで一例で、これを推奨する意図ではありません。

  • テストステロンプロピオネート:100mg×週3回(月・水・金)、合計週300mg
  • マステロンエナンセート(ドロスタノロン):週400mg(月・木の2分割)
  • T3(リオチロニン25mcg錠):1日目12.5mcg→3日目25mcg→1週目末50mcg→2週目以降75mcgで維持→終了2週前から逆順で漸減

T3は突然中止すると自分の甲状腺機能の戻りが鈍るとよく言われており、漸減で終わらせるのが定番の組み方です。Aさんも最終週は12.5mcgまで落としてからゼロにしました。

食事と有酸素

カロリーは維持マイナス400kcal前後。タンパク質は体重1kgあたり2.4g、脂質は50g、残りを炭水化物に振り分けました。有酸素は朝の早歩き45分のみで、HIIT(高強度インターバル)は採用していません。T3を使っている期間は心拍が上がりやすいため、強度の高い有酸素を重ねると不整脈や脱力を訴える人が一定数いるからです。

6週後の結果

最終週の数値は、体重73.4kg、体組成計上の体脂肪率6.2%、ウエスト74cm。除脂肪量(LBM)は計算上ほぼ維持できており、Aさんの感覚としても「最後の2週で皮が一気に薄くなった」とのことでした。体重の落ち方は週1.0kg→0.9kg→0.8kg→0.7kg→0.6kg→0.5kgと、後半に行くほど緩やかになる典型的なカーブを描きました。

なぜT3を併用すると仕上がりやすいと言われるのか

T3は甲状腺から分泌されるホルモンの活性型で、基礎代謝率(BMR)を引き上げる作用が確認されています。経口投与した場合の生物学的利用能(体内で実際に使われる割合)が高く、用量に応じて代謝が上がるため、停滞した最後の数%を抜く局面で選ばれることが多い薬剤です。

ただしT3単体では脂肪と一緒に筋タンパクの分解も進むという指摘が古くからあり、ボディビル現場でAASと組み合わせる発想は、この筋分解を打ち消す目的で生まれました。テストステロンやマステロンといった筋量維持に寄与すると言われる薬剤を下支えにすることで、減量末期の筋量低下リスクを抑えながらT3の代謝上昇を取りに行く、というのが併用の理屈です。

マステロンを選ぶ理由

仕上げ局面でマステロンエナンセート(ドロスタノロン)を選ぶ人が多いのは、芳香化(テストステロンが女性ホルモンに変換される反応)を起こしにくく、水分貯留が出にくいためです。最後の2週間で皮が薄く見えるかどうかは水分量の差が大きく、芳香化しにくい薬剤を仕上げに重ねる発想は理にかなっています。

やってはいけないこと(失敗例)

ジム仲間の失敗談として聞くパターンを3つだけ挙げます。

1. T3を100mcg超の高用量で8週以上続けた → コンテスト後の倦怠感が3か月続いた 2. T3を突然中止した → 終了直後にリバウンドで2週間で4kg戻った 3. 有酸素を毎日90分に増やしてT3も併用した → 心拍が常時100超で日中ふらつきが出た

T3は短く・低めから・徐々に・徐々に終わる、を守ることがリスクを抑える基本です。

サイクル後のケア

AAS併用サイクルの後はPCTを組むのが一般的です。Aさんもサイクル終了から2週間後(プロピオネートの抜けを待って)に、SERM(選択的エストロゲン受容体モジュレーター)を用いた4週間のPCTに入りました。T3は別途、終了2週前からの漸減で完了させてあるため、PCTと並走させる必要はありません。

サイクル後最初の1か月は体重を維持カロリーに戻し、ウエイトトレーニングのボリュームも一旦下げて、HPTA(視床下部-下垂体-性腺軸、自分の体内のテストステロン分泌を司る経路)の回復に時間を与えます。

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FAQ

Q1. T3とクレンブテロールはどちらが仕上げに向きますか? A. 用途が違います。T3は代謝そのものを底上げするのに対し、クレンブテロールはβ2刺激で短期的な脂肪燃焼と気管支拡張を狙うため、両者を併用する人もいれば片方だけで済ます人もいます。心拍上昇が苦手な人はT3単独+AAS下支えという組み合わせを選ぶことが多いようです。

Q2. T3は何mcgから始めるのが無難ですか? A. ジム現場での体験談では12.5mcgから入り、2-3日ごとに12.5mcgずつ上げて様子を見る人が多いです。一気に50mcgで始めると動悸や手の震えが出やすく、上限の見極めができなくなるためです。

Q3. 女性でもT3+AAS仕上げは可能ですか? A. T3単体での減量末期使用例は女性ビルダーにも報告がありますが、AASは女性の場合に男性化(声の低音化など)のリスクが高く、慎重な判断が必要です。マステロンは女性使用例が比較的多い薬剤ですが、用量設計は男性の1/4以下が出発点と言われます。

Q4. T3を切ったあとに体重が戻るのはなぜですか? A. 甲状腺ホルモンの外部投与によって自分の甲状腺機能が一時的に抑制されており、終了直後は基礎代謝が下がった状態になるためです。漸減で終わらせること、終了後2週間は摂取カロリーを抑え目に維持することが、リバウンド幅を抑える定石とされます。

Q5. 仕上げにテストはエナンセートのままでも問題ないですか? A. 問題ありません。ただしエナンセート(半減期約8日)はサイクル終了後の抜けが遅く、PCT開始タイミングが終了から2-3週後にずれます。プロピオネート(半減期約2日)に切り替える人が多いのは、PCTを早く開始したいためという事情があります。

この記事で紹介した商品
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