ブラスト&クルーズで年間通して仕上がりキープできた話

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リード

サイクルを組んでは PCT(Post Cycle Therapy:サイクル後の回復プロトコル)で苦しみ、せっかく増えた筋量が抜けていく。その繰り返しに疲れてしまったという話をジムでよく耳にします。一度仕上がった体を一年中キープしたい、というのは AAS(アナボリックステロイド)を真剣に使う人なら一度は考えるテーマです。

そこで注目されるのが「ブラスト&クルーズ」と呼ばれる運用方法です。高用量の期間(ブラスト)と低用量で維持する期間(クルーズ)を交互に繰り返し、PCT を挟まずに通年でホルモン環境を上向きに保つ考え方です。

この記事では、20年やっている中の人が、自分とジム仲間の体験をもとに、12週ブラスト+12週クルーズを1年回したときに実際どうだったか、採血の数字がどう動いたか、何で詰まりやすいかを共有します。

結論

クルーズ200mg/週+ブラスト500mg/週を12週交互、年4回採血、E2(エストラジオール:女性ホルモンの一種)管理を併走させる構成で、筋量と仕上がりは年間を通してほぼフラットに維持できました。ただしこれは医療管理外の運用であり、肝・腎・脂質・血圧・赤血球の数値が常に動くので、採血なしの感覚運用は破綻リスクが高いです。やるなら数字を見ながら、というのが前提になります。

ブラスト&クルーズとはどういう運用か

通常のサイクルは「使う期間」と「完全に抜く期間+PCT」をワンセットで繰り返します。これに対しブラスト&クルーズは、抜く期間を作らず、低用量(クルーズ)で TRT(テストステロン補充療法)相当のレベルを維持しつつ、年に1〜2回、増量や絞り込みのために用量を引き上げる(ブラスト)構造です。

クルーズ期間の役割

クルーズはテストステロンを週150〜200mg程度に落とし、生理学的な上限〜やや上のレベルでホルモンを安定させる期間です。自分の体内分泌(HPTA:視床下部-下垂体-性腺軸)は抑制されたままなので、外部投与を切らさないことが前提になります。クルーズ中に増量を狙うのではなく、ブラストで得たものを保持するのが目的です。

ブラスト期間の役割

ブラストはクルーズの2〜3倍程度まで用量を引き上げ、筋量増加や絞り込みを狙う期間です。一般的に8〜16週で設定する人が多く、12週前後が一つの目安になっています。長すぎると副作用の蓄積が大きくなり、短すぎると目に見える変化が出にくいというトレードオフがあります。

12週×12週で1年回した実例

ここからは中の人の実例として、テストステロンエナンセート単剤で1年回したケースを紹介します。エナンセートは半減期が長く血中濃度が安定しやすいので、長期運用の土台に向いている化合物です。

スケジュールの骨格

  • 1〜12週:ブラスト 週500mg(月・木に250mgずつ2回打ち)
  • 13〜24週:クルーズ 週200mg(月曜1回打ち)
  • 25〜36週:ブラスト 週500mg
  • 37〜48週:クルーズ 週200mg
  • 49〜52週:クルーズ継続

エナンセートは250mg/mlのアンプル製剤を使い、ブラスト中は週2回に分割して血中濃度の山谷を緩やかにしました。クルーズ中は週1回でも十分に安定します。

採血スケジュール(年4回)

採血は各フェーズの後半に1回ずつ、合計年4回入れました。クリニックの自費検査で総テストステロン、遊離テストステロン、E2(感度の高い測定が望ましい)、LH/FSH(性腺刺激ホルモン)、ヘマトクリット、赤血球、AST/ALT(肝酵素)、γ-GTP、クレアチニン、eGFR、LDL/HDLコレステロール、空腹時血糖、HbA1c、血圧(自宅毎朝)を確認します。

ブラスト後半の総テストステロンは2,500〜3,500ng/dL帯、クルーズ後半は900〜1,200ng/dL帯に収まりました。E2はブラスト後半で65〜80pg/mL付近まで上がり、クルーズで35〜45pg/mLに戻る動きでした。

体重・体組成の推移

開始時88kg・体脂肪率14%から、1年後は92kg・体脂肪率13%でフィニッシュ。途中、第1ブラスト後半に95kgまで増えましたが、クルーズで水分が抜けて91kg前後に落ち着き、第2ブラストで再び乗せる、という波を描きました。除脂肪量で見ると年間で約4kg増という結果でした。

失敗しないための対策

通年運用の落とし穴は「数字を見ない」「対策薬を持っていない」の2点に集約されます。

E2管理:アロマシン or ノルバデックス

ブラスト中はテストステロンがアロマターゼ(変換酵素)経由でエストロゲンに変換されやすく、E2が上がりすぎると乳腺の張り、水分貯留、血圧上昇、気分の落ち込みが出ます。AI(アロマターゼ阻害薬)で抑え込むのが一般的ですが、過剰に下げると関節・性欲・脂質が悪化します。

ノルバデックス(タモキシフェン)は SERM(選択的エストロゲン受容体モジュレーター)で、乳腺側の受容体だけをブロックする使い方ができ、E2そのものは下げません。海外のレビューでも、乳腺症状が出始めたタイミングで10〜20mg/日を入れるという運用が紹介されています。常備薬として置いておくと安心感が違います。

プロビロンによる遊離テスト確保とDHTバランス

プロビロン(メステロロン)は DHT(ジヒドロテストステロン)系の経口で、SHBG(性ホルモン結合グロブリン)を引き下げ、遊離テストステロン比率を高める目的で併用されることが多い化合物です。ブラスト中に25〜50mg/日を入れると、E2が上がりすぎるのを緩和する報告もあります。アロマ化しないので、AI を入れすぎたくないけれど引き締めも欲しい、という局面で選ばれます。

ヘマトクリット対策

長期テストステロン投与で最も多いトラブルは赤血球増多です。ヘマトクリットが52%を超えてきたら、献血や瀉血で物理的に抜く、水分摂取を増やす、ブラスト用量を落とす、のいずれかが必要になります。脳梗塞・心筋梗塞のリスクに直結する項目なので、感覚ではなく数値で判断してください。

脂質・血圧の継続モニタリング

経口を併用しなくても、長期の高用量テストステロンで HDL は下がり、LDL は上がります。年4回の採血で必ずチェックし、悪化傾向ならブラスト用量を引き下げる、有酸素運動を増やす、食事の飽和脂肪酸を見直す、といった対応に切り替えます。血圧は自宅で毎朝測り、上が140を超える日が続いたら一度立ち止まる、という基準を持っておくと判断が早くなります。

やめるべきサインと撤退判断

通年運用は「いつでも降りられる」状態を保つことが安全弁になります。次のいずれかが出たら、ブラストを中断してクルーズに戻す、もしくはクルーズ自体を落として撤退する判断が必要です。

  • ヘマトクリットが54%を超えた
  • LDL が180mg/dL を超えた、HDL が30mg/dL を切った
  • ALT/AST が基準上限の3倍を超えた
  • 安静時血圧が継続的に150/95を超える
  • 動悸・息切れ・むくみが日常的に出る
  • 気分の落ち込みが2週間以上続く

撤退時は外部投与を切るだけだと低テストステロン状態に長期間放置されることになるため、SERM(クロミフェンやノルバデックス)を用いた回復プロトコルへ移行するのが一般的です。

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FAQ

Q1. クルーズ中も筋量は維持できますか? A. テストステロン週150〜200mgはトレーニングを継続する成人男性にとって十分にアナボリック(同化作用が優位)なレベルです。摂取カロリーとトレーニング刺激が足りていれば、クルーズ中に維持〜微増は珍しくありません。

Q2. ブラスト&クルーズと普通のサイクル、どちらが体に優しいですか? A. 一概には言えません。普通のサイクルは PCT で内因性回復のチャンスを作れる反面、毎回のオン・オフで体重と気分が大きく揺れます。ブラスト&クルーズはホルモン環境が安定する代わりに、長期の血液パラメータ悪化が積み上がりやすい構造です。長く続ければ続けるほど採血の重要度が増します。

Q3. テストステロン以外を混ぜたほうがいいですか? A. 通年運用の土台は安定供給できるテストステロン単剤が向いています。ブラスト期だけ別の化合物を上乗せする人もいますが、最初の1年は単剤で採血の挙動を把握するほうが、何かあったときに原因切り分けがしやすくなります。

Q4. クリニックで採血を受けるとき、何と説明すればいいですか? A. 自費の人間ドックやホルモン検査メニューを利用すれば、項目を指定して受けられます。AAS 使用の申告は本人判断ですが、ヘマトクリット・脂質・肝機能に懸念があるという文脈で相談すると、医師側も数値を真剣に見てくれます。

Q5. 一度始めたらやめられないと聞きますが本当ですか? A. 長期間 HPTA を抑制し続けた場合、内因性の回復に半年〜年単位かかるケースが報告されています。撤退の難易度は確実に上がるので、始める前に「いつ・どんな条件で降りるか」を自分の中で決めておくことが、続けるための最大の安全装置になります。

最後に

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