AAS・PCT・SARMs・GLP-1の用語集 — 海外フォーラムで頻出する略語をまとめて理解する

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リード

海外のフォーラムや論文、レビュー動画を読み始めると、AAS(アナボリックステロイド)関連の略語が当たり前のように飛び交います。「TestE 500/wk、AI on hand、PCT は Nolva 40/20/20/20」と書かれていても、初学者には暗号のように見えるものです。SARMs、GLP-1、HRT、ED 治療薬の領域も同様で、それぞれ独自の用語体系を持っています。

この記事は、AAS・PCT・SARMs・GLP-1・HRT・ED の6カテゴリにまたがる用語と略語を、辞書形式でまとめた包括的なグロッサリーです。海外掲示板や論文を読む際の翻訳ツールとして、必要なときに参照できる形で構成しています。なお、本記事は情報整理を目的としたものであり、特定の使用法を推奨するものではありません。

結論

AAS 関連の略語は「化合物名の略号」「投与関連」「副作用関連」「PCT 関連」の4系統に整理すると理解が早くなります。SARMs は開発コード名(LGD-4033、MK-2866 など)と一般名が並走するのが特徴で、GLP-1 は薬剤名と作用機序の用語が混在します。以下、カテゴリ別に主要用語をまとめます。

AAS 関連の略語と用語

化合物名・エステルの略称

AAS:Anabolic Androgenic Steroid の略。アナボリックステロイドの総称で、テストステロン誘導体全般を指します。

Test / T:テストステロンの略。後ろにエステル名がついて「Test E」「Test C」のように使われます。

Test E:テストステロン・エナンセート。半減期が中程度の長鎖エステル。海外フォーラムで最も頻出する基剤です。

Test C:テストステロン・シピオネート。Test E と性質が近く、米国で主流。

Test P:テストステロン・プロピオネート。短鎖エステルで頻回投与が必要。

Test U:テストステロン・ウンデカノエート。長鎖エステルで投与間隔が長い。HRT 用途で言及されることが多い化合物です。

Sus / Sust:Sustanon(サスタノン)の略。複数のテストステロンエステルを混合した製剤名。

Deca:ナンドロロン・デカノエートの通称。19-nor 系の代表格。

NPP:ナンドロロン・フェニルプロピオネート。Deca より半減期が短い同系統。

Tren:トレンボロンの略。Tren A(アセテート)、Tren E(エナンセート)、Tren H(ヘキサヒドロベンジルカーボネート)に分かれます。

EQ:Equipoise(エクイポイズ)の通称。ボルデノン・ウンデシレネートの俗称。

Mast:Masteron(マスタロン)の略。ドロスタノロン系。

Primo:Primobolan(プリモボラン)の略。メテノロン系。

Anavar / Var:オキサンドロロン。経口で半減期が短い化合物。

Dbol / D-bol:メタンジエノン(ダイアナボル)。古典的な経口剤。

Winny:スタノゾロール(ウィンストロール)の通称。

Anadrol / Drol:オキシメトロン。

Halo:フルオキシメステロン(ハロテスチン)。

投与関連

Cycle(サイクル):AAS を投与する期間のこと。一般に8〜16週が言及されます。

Off-cycle:サイクル後の休止期間。

Blast and Cruise(B&C):高用量期(blast)と維持量期(cruise)を交互に繰り返す運用。HRT 的維持量を継続する考え方。

TRT:Testosterone Replacement Therapy(テストステロン補充療法)。医学的な低テストステロン症に対する治療として確立された用語。

Stack(スタック):複数の化合物を併用すること。

Frontload(フロントロード):サイクル初期に高用量を入れて血中濃度を早く立ち上げる手法。

Kickstart:長鎖エステル主体のサイクルに、立ち上がりの早い経口剤や短鎖エステルを併用する手法。

mg/wk:週あたりミリグラム。投与量表記の標準単位。

EOD / E3D / E2D:Every Other Day(隔日)/ Every 3 Days / Every 2 Days。投与間隔の表記。

IM / SubQ:Intramuscular(筋肉注射)/ Subcutaneous(皮下注射)。

副作用・モニタリング関連

HPTA:Hypothalamic-Pituitary-Testicular Axis(視床下部-下垂体-精巣軸)。自分の体内テストステロン分泌を司るホルモン系統。AAS 投与で抑制される現象を「HPTA suppression(HPTA 抑制)」と呼びます。

LH / FSH:黄体形成ホルモン / 卵胞刺激ホルモン。HPTA の中継ホルモン。

E2:エストラジオール。エストロゲンの主要型。

Aromatization(アロマ化):テストステロンがアロマターゼ酵素によって E2 に変換される現象。

Gyno:Gynecomastia(女性化乳房)の略。E2 上昇で起きうる副作用。

DHT:Dihydrotestosterone(ジヒドロテストステロン)。5α還元酵素によってテストステロンから変換される強力なアンドロゲン。

SHBG:Sex Hormone Binding Globulin(性ホルモン結合グロブリン)。遊離テストステロン量に影響する血中蛋白。

Bloodwork / BW:血液検査の総称。AAS ユーザーが定期的にモニタリングする項目を指します。

Lipids:脂質プロファイル(HDL/LDL/総コレステロール/トリグリセリド)。AAS で変動しやすい項目。

Hematocrit / HCT:ヘマトクリット値。赤血球の割合。AAS で上昇傾向。

Prolactin / Prl:プロラクチン。19-nor 系の副作用で言及されます。

AI:Aromatase Inhibitor(アロマターゼ阻害剤)。E2 抑制目的で使われる薬剤群。

SERM:Selective Estrogen Receptor Modulator(選択的エストロゲン受容体モジュレーター)。

PCT 関連の用語

PCT:Post Cycle Therapy(ポスト・サイクル・セラピー)の略。AAS サイクル終了後に、抑制された HPTA の回復を目的に行われる薬剤プロトコル。

Nolva:Nolvadex(ノルバデックス)の略。一般名タモキシフェン。SERM の代表格。

Clomid:クロミフェンクエン酸塩。SERM の一つ。

Tore / Torem:Toremifene(トレミフェン)。Nolva 類縁の SERM。

hCG:ヒト絨毛性ゴナドトロピン。LH 様作用で睾丸を直接刺激する用途。

Restart:HPTA 抑制状態からの回復プロセス全般を指す口語。

Bridge:サイクル間の橋渡し期間。維持量での運用を指すことが多い表現。

Mini-PCT:SARMs などの軽度抑制後に行う、簡略版 PCT。

40/20/20/20:Nolva 用量プロトコルの典型表記。週ごとの mg を示します。

Recovery bloods:PCT 完了後の血液検査。Total T / LH / FSH / E2 が基準域に戻ったかを確認する用途。

SARM PCT:SARMs 使用後に必要かどうか議論される PCT。化合物・用量・期間で見解が分かれる領域です。

SARMs 関連の用語

SARMs:Selective Androgen Receptor Modulators(選択的アンドロゲン受容体モジュレーター)。アンドロゲン受容体に組織選択的に作用する化合物群の総称。

LGD-4033 / Ligandrol:リガンドロール。SARMs の中で言及頻度が高い化合物。

MK-2866 / Ostarine:オスタリン。低用量で言及されることが多い化合物。

RAD-140 / Testolone:テストロン。アンドロゲン作用が比較的強いとされる SARMs。

S-4 / Andarine:アンダリン。視覚関連の副作用報告がある化合物。

YK-11:Myostatin 関連メカニズムが議論される、SARM とステロイド類似構造の境界にある化合物。

MK-677 / Ibutamoren:イブタモレン。厳密には SARM ではなく GHS(成長ホルモン分泌促進薬)に分類されます。

GW-501516 / Cardarine:カルダリン。PPARδ アゴニストで SARMs とは別系統だが、海外ストアでは並列で扱われます。

SR-9009 / Stenabolic:ステナボリック。Rev-erbα アゴニスト。

S-23:より強いアンドロゲン作用が議論される SARMs。

Recomp:Recomposition の略。除脂肪と筋量増加を同時に狙う運用を指す口語。

Sus(SARMs 文脈):SARMs 文脈での「Sus」は Sustanon ではなく Suspended(中断)や Suspect(怪しい)の意味で使われることがあるため、文脈判断が必要です。

GLP-1 / ダイエット薬関連の用語

GLP-1:Glucagon-Like Peptide-1(グルカゴン様ペプチド-1)。腸管から分泌されるインクレチンホルモン。

GLP-1 RA:GLP-1 受容体作動薬。GLP-1 と類似の作用を持つ薬剤群の総称。

Sema:Semaglutide(セマグルチド)の通称。

Tirz:Tirzepatide(チルゼパチド)。GLP-1 と GIP の二重作動薬。

Lira:Liraglutide(リラグルチド)。

Dula:Dulaglutide(デュラグルチド)。

Reta:Retatrutide(レタチルチド)。三重作動薬として開発が進む化合物。

Ozempic / Wegovy / Mounjaro / Zepbound:商品名。それぞれ Sema、Sema、Tirz、Tirz の異なるブランド・適応。

Titration(タイトレーション):用量を段階的に増やしていくプロトコル。GLP-1 RA の標準的な開始方法。

SubQ:皮下注射。GLP-1 RA の標準投与経路。

Pen / Vial:プレフィルドペン製剤 / バイアル製剤。GLP-1 RA の剤型表記。

Compounded sema / tirz:米国で議論される「調剤薬局による混合製剤」。日本の個人輸入文脈ではあまり登場しません。

GI side effects:消化器系副作用(吐き気・嘔吐・便秘・下痢)の総称。

Set point:体重のセットポイント仮説。GLP-1 RA で議論される概念。

Plateau(プラトー):減量停滞期。

古典的なダイエット薬

Clen:Clenbuterol(クレンブテロール)の略。β2 作動薬。

T3 / T4:トリヨードサイロニン / サイロキシン。甲状腺ホルモン製剤の略号。

ECA:Ephedrine + Caffeine + Aspirin の頭字語。古典的な脂肪燃焼スタック。

DNP:2,4-ジニトロフェノール。重大な副作用で知られ、扱いに極めて注意が必要な化合物。

Orli:Orlistat(オルリスタット)。脂肪吸収阻害剤。

HRT・男性ホルモン関連の用語

HRT:Hormone Replacement Therapy(ホルモン補充療法)。男性 / 女性 / トランス文脈で意味が異なります。

TRT:男性のテストステロン補充療法。HRT の男性版に相当。

Low-T:低テストステロン状態の口語表現。

Total T:総テストステロン。血液検査の標準項目。

Free T:遊離テストステロン。SHBG に結合していない活性型。

Andropause:男性更年期。

LOH:Late-Onset Hypogonadism(加齢男性性腺機能低下症候群)。

Bio T:バイオアベイラブルテストステロン。

DHEA:デヒドロエピアンドロステロン。前駆ホルモン。

Preg:Pregnenolone(プレグネノロン)。

ED 治療薬関連の用語

ED:Erectile Dysfunction(勃起不全)。

PDE5i / PDE5 阻害剤:Phosphodiesterase Type 5 Inhibitor。ED 治療薬の主要クラス。

Sildenafil:シルデナフィル。バイアグラの一般名。

Tadalafil:タダラフィル。シアリスの一般名。

Vardenafil:バルデナフィル。レビトラの一般名。

Avanafil:アバナフィル。比較的新しい PDE5 阻害剤。

Daily dose:タダラフィル少量連日投与プロトコルの口語表現。

ODT:Orally Disintegrating Tablet(口腔内崩壊錠)。

Jelly:ゼリー製剤。海外個人輸入で見られる剤型。

Generic:後発医薬品(ジェネリック)。海外個人輸入文脈で頻出。

Half-life / 半減期:薬剤が血中濃度の半分まで減衰する時間。タダラフィルが長く、バルデナフィルが短い傾向。

AGA・育毛関連の用語(参考)

AGA:Androgenetic Alopecia(男性型脱毛症)。

Fin:フィナステリド。5α還元酵素阻害剤(I 型に弱く II 型に強い)。

Duta:デュタステリド。5α還元酵素阻害剤(I 型 II 型両方を阻害)。

Mino:ミノキシジル。外用 / 内服がある血管拡張系の育毛成分。

5AR:5α-Reductase(5α還元酵素)。Type 1 / Type 2 / Type 3 のアイソフォームが存在。

Post-finasteride syndrome / PFS:フィナステリド中止後症候群として議論される一連の症状群。

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FAQ

Q1. AAS の略語が論文と掲示板で違う気がします。どちらが正しいですか? A. 論文では化合物の正式名称(例:Testosterone Enanthate)が使われ、掲示板では略称(Test E)が使われます。意味は同じです。論文を読むときは、まず Methods セクションで使用化合物名と投与量を確認するのが基本です。

Q2. SARMs の開発コード(LGD-4033 等)と一般名(Ligandrol 等)、どちらを覚えるべきですか? A. 両方覚えると検索効率が大きく上がります。論文データベースでは開発コードで検索すると一次資料に到達しやすく、フォーラムでは一般名のほうが情報量が多い傾向があります。

Q3. PCT の「40/20/20/20」表記は何を意味しますか? A. 4週間プロトコルで、各週の用量(mg)を順に並べたものです。「Nolva 40/20/20/20」なら、第1週 40mg/日、第2〜4週 20mg/日を意味します。化合物名・用量・週数の3点を読み取るのが基本です。

Q4. GLP-1 RA の「titration」とは何ですか? A. 開始時から目標用量まで段階的に増量するプロトコルのことです。消化器系副作用を緩和するため、4週ごとに用量を上げる設計が一般的に言及されます。

Q5. HRT と TRT は同じ意味ですか? A. 文脈次第です。男性領域では HRT = TRT として同義に使われることが多い一方、女性更年期領域での HRT(エストロゲン+プロゲステロン補充)とは別物です。トランス領域での HRT も独立した文脈で使われます。

用語集の使い方

この用語集は通読する必要はなく、海外フォーラムや論文を読む際に「分からない略語が出てきたら検索」する辞書として使うのが効率的です。AAS・SARMs・GLP-1 の3領域は、化合物名の階層(クラス → 一般名 → 商品名 → 略号)を意識すると整理しやすくなります。

なお、本記事に登場する化合物の使用については、必ず一次資料(添付文書・査読付き論文・公的機関ガイドライン)で確認し、必要に応じて医療従事者の助言を仰ぐことが推奨されます。

最後に

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