RAD140とYK-11併用で動悸胸違和感が続いた人の話

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リード

SARMs(Selective Androgen Receptor Modulators、選択的アンドロゲン受容体調節薬)の中でも、RAD140(testolone、テストロン)とYK-11(ミオスタチン阻害系)を併用するスタックは、増量期の伸びを狙うユーザーの間で根強い人気があります。一方で「サイクル開始から数週間で動悸が続くようになった」「階段を上ると胸の奥に違和感が残る」といった心血管系の不調を訴える書き込みが、海外フォーラムや国内の利用者コミュニティで散見されるのも事実です。

この記事では、RAD140とYK-11を4週間併用していた30代男性の体験談をベースに、なぜこのスタックで心臓に負荷がかかりやすいのか、サイクル中に動悸や胸部違和感が出たときにどう判断すべきか、循環器内科の受診を考えるラインはどこか、を一通り整理します。これからスタックを組もうとしている方も、すでにサイクル中で違和感を感じている方も、判断材料の一つとして読み進めてください。

結論

RAD140とYK-11の併用は、筋肥大シグナルを二重に押し上げる一方で、HDLコレステロール(善玉)の低下、血圧上昇傾向、心室肥大傾向が報告されており、心臓への負荷は単剤より明確に大きくなります。サイクル中に持続する動悸、運動時の胸部違和感、安静時の脈の乱れが出た場合は、自己判断で粘らず、まず使用を中止し、循環器内科で心電図と血液検査を受けるのが妥当な対応です。

事例:30代男性、併用4週で動悸が止まらなくなった

ここで紹介するのは、SNS上で経過を公開していた30代前半の男性の事例です(本人特定を避けるため、一部の数値と時系列はぼかしています)。

トレーニング歴は約7年、ベンチプレス110kg、スクワット150kg程度の中級者で、過去にRAD140単剤の8週サイクルを一度経験済みでした。今回は増量強化を狙い、RAD140を1日15mg、YK-11を1日5mgで併用するスタックを組み、8週間の予定で開始しています。

1〜2週目:いつもより伸びが速い、ただし睡眠が浅い

開始2週で体重は1.8kg増加、ベンチプレスは5kg伸び、本人は「明らかに反応が速い」と評価していました。一方で、就寝後2〜3時間で目が覚める日が増え、朝の安静時心拍数が普段の58前後から68〜72に上がっていた、と記録されています。

3週目:階段で胸の違和感、安静時の動悸

3週目に入ると、駅の階段を駆け上がった後に「胸の奥が締めつけられる感じ」が30秒〜1分ほど続くようになりました。トレーニング中ではなく、デスクワーク中に突然心拍が速くなる、いわゆる動悸の自覚も増えています。市販の家庭用血圧計では、上が145〜150、下が95前後と、明らかに高めの値が出ていました。

4週目:中止判断と循環器受診

4週目の半ば、夜間に動悸で目が覚めるエピソードが連続したため、本人はサイクルを中止しています。3日後に循環器内科を受診し、12誘導心電図と採血を実施。心電図では軽度のST変化、血液検査ではHDLコレステロールが平常時の半分以下まで低下、LDL(悪玉)は軽度上昇、肝酵素のAST/ALTも基準値を超えていました。担当医からは、薬剤性の影響が強く疑われると説明され、3ヶ月の経過観察になっています。

幸い、不可逆な心筋障害には至らず、中止から約10週でHDLと血圧は元のレンジに戻ったと本人は報告していますが、サイクル前と同水準のトレーニング強度に戻すまでには結局4ヶ月以上を要しました。

なぜRAD140とYK-11の併用は心臓に負担が来やすいのか

体験談だけだと「その人の体質では」で片づけられがちですが、薬理学的にもこのスタックは心血管系に負荷をかけやすい組み合わせです。

RAD140側の機序:HDL低下と血圧上昇

RAD140は経口の非ステロイド系アンドロゲン受容体作動薬で、肝臓を経由して代謝されます。海外の臨床試験(乳がん患者対象の第I相試験など)では、用量依存的にHDLコレステロールが大きく低下することが報告されています。HDLは血管壁に溜まったコレステロールを回収する役割を担うため、低下が長期化すると動脈硬化リスクが上がる、と一般に理解されています。

また、アンドロゲン作動性化合物全般に共通する現象として、ナトリウム貯留と血管収縮系の活性化により、血圧が上振れする傾向があります。RAD140を15〜20mg帯で使う利用者の体験談では、開始2〜3週で上が10〜20mmHg上がるケースが珍しくありません。

YK-11側の機序:ミオスタチン阻害と心筋への影響懸念

YK-11は構造的にはステロイド骨格を持ち、ミオスタチン(筋成長を抑える因子)の働きを抑制する性質が報告されています。骨格筋を伸ばすという観点では魅力的ですが、ミオスタチンは心筋にも発現しており、その抑制が心筋の肥大やリモデリングに関与する可能性が動物実験レベルで指摘されています。ヒトでの長期安全性データはほぼ存在しません。

加えて、YK-11は経口で肝代謝負荷が大きく、AST/ALT(肝酵素)の上昇例が多数報告されています。肝機能の悪化はコレステロール代謝にも波及するため、結果としてHDL低下を加速させる方向に働きます。

二剤を重ねたときの掛け算

RAD140単剤でHDL低下と血圧上昇、YK-11単剤で肝代謝負荷とミオスタチン抑制由来の心筋リスク、というそれぞれの懸念が、併用すると単純に足し算ではなく掛け算的に重なります。具体的には次のような状態になりやすいと考えられます。

  • HDLが平常時の30〜50%まで低下し、LDL/HDL比が悪化
  • 収縮期血圧が10〜25mmHg上振れ
  • 安静時心拍数が10〜15bpm上昇
  • 心筋への前負荷・後負荷の同時増加
  • 肝酵素上昇によるコレステロール代謝の更なる乱れ

体験談で挙げた30代男性のHDL半減、血圧145/95、安静時心拍70台というプロファイルは、二剤を重ねたときの典型的な変化と概ね一致しています。

動悸や胸の違和感が出たときの判断ライン

サイクル中に多少の動悸や血圧上昇が出ること自体は、利用者コミュニティでは「想定内」として扱われることも多いのですが、放置していい範囲とそうでない範囲の線引きは知っておく必要があります。

すぐ中止すべきサイン

以下のいずれかが出た場合は、サイクルを継続する合理性は乏しく、まず中止が妥当です。

  • 安静時に5分以上続く動悸が複数日連続して出る
  • 胸の中央〜左側に締めつけ感、圧迫感、痛みが出る(数十秒でも)
  • 軽い運動で息切れ・胸部違和感が普段より明確に強い
  • 夜間、動悸や息苦しさで目が覚める
  • 血圧が160/100を超える日が複数回ある
  • 失神、めまい、意識が遠のく感覚

これらは心電図変化や心筋への負荷を反映している可能性があり、続行のメリットよりリスクが上回ります。

循環器内科を受診すべきタイミング

中止後も動悸や胸部違和感が48〜72時間以上続く場合、あるいは上記の「すぐ中止すべきサイン」のうち胸痛・失神系が一度でも出た場合は、循環器内科の受診が現実的な選択肢です。受診時は、使用していた化合物名、用量、開始日、中止日、自覚症状の経過を時系列でメモして持参すると、検査の組み立てがスムーズになります。

医師に化合物の使用を伝えることに抵抗を感じる方もいますが、伝えないと薬剤性の鑑別が外れ、不要な検査や誤った診断につながる恐れがあります。守秘義務は当然守られますので、正確に伝えることが結果的に自分の身を守る選択になります。

中止後のリカバリーで意識したいこと

中止後の経過は個人差が大きいものの、HDLの回復は概ね6〜12週、血圧と安静時心拍数の正常化は2〜6週が目安として報告されています。この期間に意識したいポイントを挙げます。

  • トレーニング強度は中止後2週間ほど落とし、心拍が落ち着いてから戻す
  • 有酸素運動を週2〜3回30分程度入れ、HDL回復を後押しする
  • 飽和脂肪・トランス脂肪を控え、青魚・オリーブオイル・食物繊維を増やす
  • アルコールは肝酵素が基準値に戻るまで控えめにする
  • 4〜6週後に再度の採血(脂質・肝機能)で回復を数値で確認する

次サイクルを組む場合も、心電図と脂質パネルが正常化していることを確認してからにするのが、長く続けるための現実的なラインです。

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FAQ

Q1. RAD140とYK-11、どちらが心臓に負担が大きいですか? A. 単剤での報告ベースでは、HDL低下と血圧上昇はRAD140側、肝代謝負荷と心筋への懸念はYK-11側、と性質が異なります。併用するとそれぞれの負荷が同時に乗るため、どちらが、ではなく「重ねること自体がリスクを跳ね上げる」と理解する方が実態に近いです。

Q2. 動悸が出たけれど中止すれば元に戻りますか? A. 不可逆な心筋障害が起きていなければ、多くのケースで数週間〜数ヶ月で安静時心拍と血圧は元のレンジに戻る、と報告されています。ただし、戻り方は個人差が大きく、症状が続く場合は循環器内科の受診を勧めます。

Q3. 用量を半分にすれば併用しても安全ですか? A. 「安全」と言える根拠はありません。用量を下げると負荷の絶対値は下がる傾向がありますが、ヒトでの長期データが乏しい以上、低用量でも心血管系への変化が出るケースは報告されています。

Q4. サイクル前にやっておくべき検査はありますか? A. 最低限、血圧・安静時心拍数の記録、脂質パネル(HDL/LDL/中性脂肪)、肝機能(AST/ALT/γ-GTP)、できれば12誘導心電図を取っておくと、サイクル中の変化を相対的に評価できます。

Q5. 心臓に持病がある場合、低用量なら使えますか? A. 心疾患、高血圧、不整脈、家族性高コレステロール血症などの既往がある場合、SARMs全般で負荷が跳ねやすく、低用量でも推奨はできません。主治医に判断を仰いでください。

最後に

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