
アナボリックステロイドを使った減量サイクルを徹底解説;実は目的に応じてこんなに違う
減量期にステロイドを使う──そのとき、あなたはどんな目的で減量に取り組んでいるだろうか?
実は、「コンテストを目指すか/目指さないか」によって、最適な減量サイクルや薬剤の選び方が大きく変わってくる。
間違った薬剤や無駄な出費を避けるためにも、この記事では目的別に分けた減量サイクルの設計方法とその理由を、実践的な視点から徹底解説していく。
減量用・増量用ステロイドの違いを正しく理解する
まず前提知識として重要なのは、世間で言われる「減量用」「増量用」ステロイドの違いだ。
ここで勘違いしてはいけないのが、
ステロイドに直接的な脂肪燃焼効果はない
という事実。厳密にいえば代謝を若干促進する作用はあるものの、減量用とされる薬剤を使っても、脂肪が特別に落ちやすくなるわけではない。
では何が違うのか?
それは、体のむくみ具合である。
ステロイドには「ロングエステル(例:エナンセート、アンデコネート)」と「ショートエステル(例:プロピオネート)」があり、前者はむくみやすく、後者はむくみにくい。
水分の保持が多いと、減量中でも「体重が落ちていない」「脂肪が落ちていない」と錯覚してしまう。つまり、
- ロングエステル=むくみやすく減量には不向き
- ショートエステル=むくみにくく見た目が仕上がりやすい
といった違いがある。
また、サスタノンなどの複合エステル製剤も、実はロングエステルの比率が高いため、むくみやすく減量には不向きだという点は知っておいてほしい。
コンテストを「目指さない」減量サイクルのやり方
ここからは目的別に具体的なサイクルを解説する。
まずはコンテストを目指さず、単に見た目や健康維持のために体脂肪を落としたい場合の減量サイクル。
増量用・ロングエステルの使用が有効
この場合は、無理にショートエステルや経口剤に切り替える必要はなく、ロングエステル系の増量用ステロイドをそのまま使って問題ない。
「減量中なのに増量用を使うの?」と思うかもしれないが、
- 浮腫みはあるが脂肪は落ちる
- ステロイドを抜けば浮腫みも消える
という仕組みを理解していれば、それほど問題にはならない。
メリットが多い
- コストが安い(減量用より2〜3割安い)
- 注射頻度が少ない(週1回でOK)
- 薬剤ラインナップが豊富で入手しやすい
サイクルの内容も基本的には増量期と同じで構わない。変更するのは食事内容とカロリー摂取量のみで、ステロイドの種類や量を特別に変える必要はない。
コンテストを「目指す」減量サイクルのやり方
一方でコンテストを目指す場合、話は全く違ってくる。
むくみ=仕上がりの甘さ=減点に直結するため、サイクル設計を段階的に組む必要がある。
サイクルは段階的に設計する
-
減量前半:ロングエステルでもOK
- テストエナンセートなど、通常の増量用でも問題なし。
-
減量後半:ショートエステルへ切り替え
- テストプロピオネート、トレンアセテートなど
-
大会直前:経口剤に切り替え
- ウィンストロールやハロテスチンなど
水分が抜ける目安期間
- ロングエステル:1〜2ヶ月
- ショートエステル:2週間
- 経口剤:数日
これにより、例えば以下のようなスケジュールが考えられる:
- 大会2ヶ月前まで:ロングエステル使用
- 2週間前まで:ショートエステルを使用
- 直前まで:経口剤を使用
注意点
- ロングエステルは「抜けきるのに時間がかかる」ため、仕上がりの読みにくさがある。そのため、慣れていない人は最初からショートエステルを使うことを推奨
- 経口剤も、普段使っていない薬剤だと副作用の反応が読めない
- 体調不良や体の張り感が変わる可能性も
- 大会前に“テスト運用”するのが無難
まとめ:目的によって戦略を変えるのが成功のカギ
減量期におけるステロイドの選び方は、「コンテストを目指すかどうか」で戦略が全く異なる。
- 目指さない人:無理に減量用を使わず、コストを抑えつつロングエステルでOK。
- 目指す人:段階的な切り替えと、むくみ管理が必須。コンテスト直前の失敗を防ぐには事前準備が大切。