40代テストEで疲労感が消えてジムに戻れた話
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40代に入ってから、朝起きても疲れが抜けない。週末に寝だめしても回復しない。ジムに行く気力もわかず、行っても以前のように重量が伸びない——そんな停滞感を抱えている方は少なくありません。20代・30代と同じ生活をしているのに、体だけが先に下りエスカレーターに乗っている感覚。これは気合いの問題ではなく、加齢にともなう男性ホルモン(テストステロン)の自然な低下が背景にあると、複数の臨床研究で報告されています。
この記事では、45歳の会社員がテストステロン エナンセート(通称テストE、長時間作用型の注射用テストステロン)を週150mgでTRT(テストステロン補充療法、Testosterone Replacement Therapy)レンジで使い、半年で疲労感とジムでのパフォーマンスがどう変わったかという事例を中心に、用量設計・採血で見るべき項目・サイクル後の対処までを整理します。
結論
40代でテストEを「増量目的のサイクル」ではなく「下がりすぎた値を底上げするTRTレンジ」で使うアプローチは、海外のクリニックでは標準的な選択肢として扱われています。週100〜200mgの範囲で総テストステロン値を生理的上限付近に戻すことを狙う使い方で、副作用も増量サイクルと比べると管理しやすい傾向があります。ただし採血を取らないままの自己判断は、赤血球増加や血圧上昇など見えにくいリスクを放置することになります。本記事の事例も、採血と用量調整を前提に進めたものです。
45歳・会社員Aさんの事例:疲労感とジム停滞からの半年
開始前の状態
Aさんは45歳、デスクワーク中心、週2〜3回のジム通いを15年続けてきた一般的なトレーニーです。30代後半から徐々に「重量が伸びない」「セット間の回復が遅い」と感じはじめ、43歳のある時期から「朝の勃起がほぼなくなった」「日中に強い眠気が来る」「やる気が出ない」という変化が重なってきたと話します。
健康診断を兼ねて自費で測った総テストステロン値は約280ng/dL。日本人男性の同年代平均(450〜600ng/dL前後)と比べても明らかに低い水準で、いわゆるLOH症候群(加齢男性性腺機能低下症候群、Late-Onset Hypogonadism)の診断基準にも触れる値でした。国内の泌尿器科でTRTの相談もしましたが、「保険適用となる基準値をわずかに上回るので、まずは生活改善で」と言われ、半年経っても数値は改善しなかったとのことです。
用量設計:週150mgを2分割
Aさんが選んだのは、テストステロン エナンセート250mg/mlを週150mg、火曜と金曜に75mgずつ分割注射する方法でした。エナンセートは半減期がおよそ7〜10日とされ、週1回でも血中濃度は保てますが、週2分割にすることで谷と山が小さくなり、エストラジオール(E2、テストステロンが芳香化酵素により変換される女性ホルモン)の急上昇による浮腫みや乳腺の張りを起こしにくくなると報告されています。
注射部位は大腿外側と臀部上外側を交互に。針は25G・1インチを使用し、油性注射剤に慣れていない最初の数週間は注射後の局所炎症(PIP、Post-Injection Pain)を経験したものの、温罨法と注射前のアンプル温めで2か月目以降は気にならなくなったとのことです。
1〜3か月目:体感の変化
開始2週目で「朝の倦怠感が薄くなった」、4週目で「ジムの集中力が戻った」とAさんは振り返ります。エナンセートは血中濃度が安定するまで4〜6週間かかるため、この時期はまだ立ち上がり期です。
3か月目に再採血した結果は以下の通りでした(自費検査・参考値)。
- 総テストステロン:780ng/dL(開始前280)
- E2:42pg/mL(基準上限付近)
- ヘマトクリット:46.8%(基準内)
- LH/FSH(脳下垂体から精巣へ指令を出すホルモン):検出限界以下
総テストステロンは生理的上限に近い値まで戻り、E2もテストEを使う人の典型的な上昇幅にとどまっていました。LH/FSHが下がるのは、外から十分量のテストステロンが入ったことで、自分の体内のテストステロン分泌が止まる現象(専門用語でHPTA抑制、視床下部-下垂体-性腺軸の抑制と呼ばれる)が起きているサインです。これはテストステロン製剤を使う以上は避けられない反応で、止めてからの回復を見越して対処することになります。
4〜6か月目:ジムでの数字
ベンチプレスのワーキングセットは80kg×6回から92.5kg×6回へ、スクワットは100kg×8回から120kg×8回へと、半年で各種目10〜20%のレンジで伸びました。これは「テストEだけが伸ばした数字」ではなく、「以前と同じトレーニング強度をこなせる体力が戻った結果、本来の漸進性過負荷が再び機能するようになった」という解釈が妥当だとAさんは話しています。
体組成は体重+3kg、ウエスト+1cm未満。脂肪を増やさずに筋量だけ戻したかたちで、これも増量サイクルではなくTRTレンジに留めたことの恩恵といえます。
40代がテストEをTRTレンジで使うときの考え方
用量レンジと頻度
海外のTRTガイドライン(米国内分泌学会の声明など)では、注射剤の場合、エナンセートやシピオネートを週75〜200mgの範囲で個別最適化することが一般的とされています。Aさんの週150mgはこのレンジ内の中庸な設定です。週1回より週2分割、可能なら週3分割(月・水・金)にするほどE2の山谷が緩やかになり、副作用管理が楽になる傾向があります。
採血で見るべき項目
最低限、開始前・3か月後・6か月後の3点で以下を測ることが推奨されています。
- 総テストステロン/遊離テストステロン
- E2(感度の高い検査法を指定)
- ヘマトクリット・ヘモグロビン(赤血球増加の検出)
- PSA(40代以降は前立腺チェック)
- 脂質パネル・肝機能・血圧
ヘマトクリット52%超えは献血や用量減量を検討するライン、E2が60pg/mLを大きく超えて乳腺の張りや浮腫みを伴う場合は、アロマターゼ阻害薬の使用や、androgenic作用がありながらE2に変換されにくいプロビロン(メステロロン)を併用するアプローチが知られています。
サイクル後の対処:PCTを置くかTRTを続けるか
40代の場合、サイクルを区切って都度PCT(Post Cycle Therapy、自分のテストステロン分泌を再起動させるための薬剤併用期間)を回す人と、そのままTRTレンジで継続する人に分かれます。継続派は「もともと低い値を底上げしている」という前提なので、止める方が体調が悪化する側に振れます。
区切る派の場合、クロミッド(クロミフェン)を1日25〜50mgで4〜6週間使い、視床下部経由でLH/FSHの分泌を促す方法が広く採られています。クロミッドはもともと女性の排卵誘発剤として承認されていますが、男性の性腺機能回復に対しても多くの臨床報告があります。
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LINEでガイドを受け取るよくある質問
Q1. 40代で初めてテストEを使う場合、いきなり週150mgで始めても大丈夫ですか? A. 採血で開始前値を必ず押さえてから始めることが前提です。値が極端に低い(200ng/dL未満)場合は週100mgからの立ち上げで反応を見る方が、副作用の出方を観察しやすくなります。
Q2. テストEとテストC(シピオネート)はどちらが40代に向いていますか? A. 半減期がほぼ同等で、臨床的な使い分けはほとんどありません。入手しやすさと油の刺激感の好みで選ぶ方が多いとされています。
Q3. プロビロンを併用するメリットは何ですか? A. プロビロン(メステロロン)はE2に変換されにくいandrogen系経口薬で、テストE単独よりE2上昇を抑えながら性欲・気分面のサポートが得られると報告されています。SHBG(性ホルモン結合グロブリン)を下げることで遊離テストステロンを増やす効果も知られています。
Q4. やめたいときはどうすればいいですか? A. 急に止めると数週間〜数か月、自分の分泌が戻るまでクラッシュ期間が来ます。クロミッドを軸にしたPCTを4〜6週間置くことで、回復のスピードと体感の落ち込みを緩和しやすくなります。
Q5. ジムでの数字が伸びるのはいつ頃からですか? A. 体感の変化は2〜4週、扱える重量の伸びは2〜3か月目から実感する人が多いとされています。エナンセートは血中濃度の安定に4〜6週かかるため、最初の1か月で結果を判断するのは早すぎます。