血圧180超えてサイクル中断した人の話

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リード

サイクル4週目、いつも通りジムでベンチを組んでいた最中に頭が締めつけられるような感覚に襲われ、自宅の血圧計で測ったら上が180、下が110を超えていた——AAS(アナボリックステロイド)を使う人なら他人事ではない数字です。本人は「ちょっと張ってる程度」と思っていたものの、家庭用血圧計が出した値は明確に高血圧緊急症の一歩手前。結局そのサイクルは予定の半分で中断し、降圧薬を内科で処方してもらってから半年は次に進めなかったという話を、ジム仲間から聞きました。

この記事では、AAS使用中に血圧が跳ね上がってサイクルを途中で止めるに至ったケースを軸に、なぜそこまで上がってしまったのか、どこで気づけたはずだったのか、そして次に使う前に何を準備しておけば同じ失敗を避けられるのかを整理します。20年やっている中の人が、自分とジム仲間の経験をもとにまとめた現場目線の内容です。

結論

サイクル中の血圧上昇は「体感」では拾えません。本人は何ともなくても、上の血圧(収縮期血圧)が150を超えてから180に達するまでは数日単位で進むことがあります。週次どころか、できれば毎朝同じ時間に家庭用血圧計で測ることが、サイクル中断と心血管事故を分ける分岐点になります。トレンボロン系・水分貯留の強い化合物・経口アルキル化AASの併用は特に上がりやすく、上が150を超えた時点で一度立ち止まる判断が必要です。

何が起きたのか:サイクル4週目で180/110

話を聞いたのは、当時30代後半のジム仲間のケースです。本人はAAS歴3サイクル目、それなりに勝手は分かっているつもりで、今回は増量狙いでテストステロンエナンセートを土台にトレンボロンエナンセートを上乗せする構成を組みました。週あたりの総量は本人いわく「実際にやっている人の用量帯では中位くらい」。

最初の2週間は順調で、体重は2kg増、ベンチも伸びる、寝つきが少し悪い以外は快適——というところまでは過去のサイクルと同じでした。問題は3週目後半から始まります。

  • 朝起きると顔がむくむ
  • 軽い運動でも息切れする
  • こめかみがズキズキする日が増える
  • 夜中に何度か目が覚める

ここまで来てもまだ「水分が乗ってる証拠」「サイクル中はあるある」で片付けていたそうです。4週目の中盤、ジムでセット間に座り込んだ時に視界が一瞬白くなり、さすがにおかしいと家に帰って血圧を測ったら上が183、下が114。10分置いて測り直しても178/109。ここで初めてサイクル中断を決意します。

なぜ180まで上がったのか:3つの重なった原因

原因1:そもそもベースラインを測っていなかった

サイクル前の血圧を本人は把握していませんでした。健康診断で「正常範囲内」と言われた記憶はあるものの、それが上125なのか138なのかは覚えていない。これが最初のつまずきです。スタート地点が分からないと、サイクル中に測った数字が「いつもより高いのか」「元からそこそこ高いのか」を判断できません。

AAS使用中に血圧が上がること自体は、海外の臨床研究でも報告されている既知の作用です。テストステロン投与で平均5〜10mmHgの上昇が観察された報告もあり、ベースが135の人が10上がれば145、ベースが145の人が10上がれば155で、後者はもう薬物治療を検討する領域に入ります。

原因2:トレンボロンを過小評価していた

トレンボロン系は同じ「AAS」と一括りにされがちですが、心血管系への負担はテストステロン単独とは別物だと考えるユーザーが多い化合物です。複数の症例報告で、トレンボロン使用者の血圧上昇・脂質プロファイル悪化・腎機能負荷が観察されています。仲間のケースでも、過去2サイクル(テストステロン単独)では血圧トラブルが出なかったため、今回も大丈夫だろうと油断していたとのこと。

特に注意すべき点として:

  • 水分貯留はテストよりむしろ少ない場合があるのに、血圧は上がる
  • 心拍数のベースが10〜15bpm上がるユーザーが多い
  • 夜間の発汗・不眠が交感神経の過活動を示唆する

体感的な「むくみ」だけを指標にしていると、トレンボロンの場合は危険信号を見逃します。

原因3:測定の頻度がゼロだった

最も大きな失敗は、サイクル中に一度も血圧を測っていなかったことです。家庭用血圧計は数千円で買えますし、最近のスマートウォッチでも参考値は取れます。それでも「面倒」「測ったら気になって筋トレに集中できない」という理由で測らなかった結果が180/110でした。

仮に週1回でも測っていれば、おそらく3週目に上が150前後の数字が出て、その時点で減量・化合物変更・中断のいずれかを選べたはずです。測らないことが最大のリスクでした。

中断の決断と、その後にやったこと

血圧183/114を確認してから本人が取った行動は以下の通りです。

1. 次回投与予定を即座にスキップ 2. 翌日、近所の内科を「健康診断で高血圧を指摘された」という建付けで受診 3. ARB(アンジオテンシン受容体拮抗薬、専門用語で書くとアンジオテンシンII受容体の働きを抑えて血管を広げる降圧薬)を処方してもらう 4. 1週間後の再測定で150/95程度まで低下、3週間後に140/88まで落ち着く 5. その後3か月、血圧が安定してから次のサイクルを検討

医師にAAS使用を申告するかどうかは判断が分かれるところですが、このケースでは「申告せず、生活習慣由来の高血圧として診療を受けた」とのことでした。倫理的・医学的に推奨される行動ではありませんが、現場ではよく聞く話です。なお、降圧薬は当店では取り扱いがありません(2026-05-17時点、catalog全件確認済み)。処方が必要な場合は医療機関を経由してください。

サイクル中断による筋量ロスは2〜3kg程度に留まりました。本人いわく「半年遅れる方が、心臓やられて一生筋トレできなくなるより圧倒的にマシ」とのことです。

次のサイクルで同じ失敗をしないための準備

準備1:ベースライン4週間

サイクル開始前の4週間、毎朝起床後30分以内・トイレを済ませた後・座って5分安静にしてから測ります。20回ほど記録すれば、自分のベースが上いくつ・下いくつなのかが見えてきます。この数字を起点に、サイクル中の上昇幅を判断します。

準備2:中断ラインを事前に決める

「上が○○を超えたら中断する」というラインを、サイクル開始前に紙に書いておきます。一般的な目安としては:

  • 上の血圧 150/下 95 → 化合物・用量の見直し検討
  • 上の血圧 160/下 100 → 即座に中断し医療機関へ
  • 上の血圧 180/下 110 → 高血圧緊急症の領域、救急受診を視野

数字を事前に決めておかないと、サイクル中の高揚感で「もう少し様子を見る」という判断に流れがちです。

準備3:測定の習慣化

毎朝の歯磨きとセットにする、血圧計をベッド脇に置く、スマホのリマインダーを使うなど、忘れない仕組みを作ります。週1回ではなく毎日測るのが理想で、最低でも週3回は欲しいところです。

準備4:化合物選択の見直し

血圧が上がりやすい体質と分かったら、トレンボロン系・水分貯留の強い化合物(ジボール等)・経口アルキル化AASの併用は避けます。テストステロンをやや低めに置き、エキスパンダー的に使う化合物を控えめにする構成の方が、長期的に続けられます。

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FAQ

Q1. サイクル中に血圧が上がるのは普通ですか? A. 程度の差はありますが、AAS使用中の血圧上昇は海外の臨床研究でも報告されている既知の現象です。問題は「上がるかどうか」ではなく「どこまで上がっているか」を本人が把握しているかどうかです。

Q2. 血圧計はどんなものを買えばいいですか? A. 上腕式の家庭用血圧計が一般的に推奨されています。手首式は誤差が出やすいとされており、サイクル中のシビアな判断には向きません。家電量販店で5,000〜10,000円程度のもので十分です。

Q3. 血圧が上がってもPCT(ポストサイクルセラピー)まで耐えるべきですか? A. 上が160を超えているなら、PCT云々の前に投与を止めるべき水準です。心血管事故のリスクとPCTの最適化を天秤にかける段階ではありません。

Q4. 一度高血圧になったら、もうAASは使えませんか? A. 個人差が大きい領域です。降圧治療で安定し、化合物選択と用量を見直したうえで再開しているユーザーもいますが、再開後の血圧管理はより厳格になります。本人の判断と、できれば医療機関のモニタリングを併用してください。

Q5. みんなのステロイドで降圧薬は買えますか? A. 当店では血圧降下薬(ARB・Ca拮抗薬等)の取扱いはございません(2026-05-17時点)。降圧薬の入手は医療機関での処方を経由してください。

まとめ

血圧180/110は「ちょっと張っている」では済まされない数字です。本人の体感は当てになりません。家庭用血圧計を1台買い、サイクル前から測る習慣をつけ、中断ラインを事前に決めておく——この3点だけで、半年〜1年単位の遅延と、最悪の場合の心血管事故を避けられる可能性が大きく上がります。サイクルを長く続けたい人ほど、測ることから始めてみてください。

最後に

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