AGA・ED専門クリニックでTRTを受けられるか|実際の対応状況

AGA・ED専門クリニックでTRTを受けられるか|実際の対応状況

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リード

「AGAとEDで通っているクリニックで、ついでにTRT(テストステロン補充療法)も受けられないか」——そう考える人は意外と多い。同じ男性ホルモン関連の悩みなのだから一本化したいというのは自然な発想だが、実際にはAGA専門・ED専門のオンラインクリニックでTRTを扱っているところは少数派だ。一方でメンズヘルス系クリニックや泌尿器科ではTRTが標準メニューに入っている。この記事では、AGA・ED・メンズヘルス各系統のクリニックがTRTにどう対応しているのかを2026年5月時点の実態ベースで整理し、「結局どこに行けばTRTを受けられるのか」「クリニックが見つからない場合の選択肢」までを中立に解説する。

結論

AGAやED専門のオンラインクリニック(クリニックフォア、DMMオンラインクリニック等)の多くは、TRTを公式メニューに含めていない。TRTを受けたいなら「メンズヘルス外来」「男性更年期外来」「泌尿器科」のいずれかを掲げる施設を選ぶのが現実的なルート。費用は自費で月1〜2万円前後が相場で、保険適用には男性更年期障害(LOH症候群)の診断基準を満たす必要がある。クリニックに通えない・近くにないという人は個人輸入で同じ有効成分を入手する選択肢もあり、後半でその実態にも触れる。

AGA専門クリニックはTRTを扱っているか

AGA(男性型脱毛症)とTRT(テストステロン補充療法)は、どちらも男性ホルモンに関わるテーマだ。ただ作用の方向は逆で、AGAは「テストステロンが5α還元酵素でDHT(ジヒドロテストステロン、AGAの原因となるホルモン)に変換されること」を抑える治療が中心になる。TRTはむしろ体内のテストステロン総量を補う治療なので、両者は概念上ぶつかる場面もある。

クリニックフォア・DMMオンラインクリニック等のメニュー

国内大手のAGAオンラインクリニックは、フィナステリド(プロペシアの後発)、デュタステリド(ザガーロの後発)、ミノキシジル内服・外用を主軸に据えており、TRTを正規メニューとして掲げているところは現時点でほぼ見当たらない。DMMオンラインクリニックの公式メニューを見ても、AGA・ED・医療ダイエット・睡眠改善といった項目はあるが、テストステロン注射の枠は用意されていない(2026年5月時点)。

なぜAGAクリニックでTRTを扱わないのか

理由はシンプルで、TRTは血液検査(総テストステロン値・遊離テストステロン値・LH/FSH・PSA・ヘマトクリット等)と定期モニタリングが前提の治療で、オンライン診療だけでは完結しにくいからだ。前立腺癌の有無や赤血球増多のリスク評価が必須で、注射のたびに来院が求められるクリニックも多い。AGAのように「初診オンライン→薬を郵送」というモデルとは相性が悪い。

加えて、AGA治療でフィナステリド・デュタステリドを使っている人にTRTを上乗せすると、体内のテストステロンが増える一方でDHTへの変換は抑制された状態になる。理論上は「AGAは進行しにくいが筋肉や性機能へのテストステロン効果は得られる」という構造になるものの、PSAや前立腺の管理は通常以上に慎重さが要る。安易に組み合わせるべき治療ではない。

ED専門クリニックはTRTを扱っているか

EDとTRTはAGAよりも関連が深い。テストステロン低下はED症状の一因であり、男性更年期障害(LOH症候群)の主訴に勃起機能の低下が含まれる。

大手ED専門オンラインの実態

シルデナフィル(バイアグラのジェネリック)、タダラフィル(シアリスのジェネリック)、バルデナフィル(レビトラのジェネリック)の処方が中心で、TRTを正面から扱うED専門オンラインクリニックは少ない。ED系の窓口は基本的に「PDE5阻害薬の処方箋発行」が事業の主軸で、注射メニューは別の専門外来に振り分けられている構造になっている。

EDで来てTRTが必要だと判明したら

良心的なED外来は、問診や血液検査でテストステロン低値が疑われると「泌尿器科か男性更年期外来でTRTを検討してください」と紹介する流れになる。EDの根本原因がテストステロン不足だった場合、PDE5阻害薬だけ飲み続けても回復には限界がある。性欲そのものが落ちている、朝勃ちがほぼ消失している、疲労感や抑うつ傾向が強いといった症状が重なるなら、TRT併用の評価が現実的な選択肢になる。

メンズヘルス系・泌尿器科がTRTの本丸

「TRTどこで受けられるか」「男性ホルモン何科か」の答えとして最も確実なのが、メンズヘルス外来・男性更年期外来・泌尿器科の3つだ。

メンズヘルス外来の特徴

CLINIC TEN SHIBUYA、to clinic shibuya、0th CLINIC(日本橋)、銀座泰江内科クリニック等、自費中心でTRTを掲げている施設は都市部を中心に増えている。初診で問診と血液検査を行い、総テストステロン値と遊離テストステロン値、LH/FSH、PSA、ヘマトクリット、肝機能をチェックしてから注射スケジュールを組む。費用は自費で月1〜2万円前後、年間で15〜25万円程度が相場感だ。エナント酸テストステロンを2〜4週ごとに筋肉内注射する形式が中心で、最近はクリーム外用や経皮吸収パッチを併用する施設もある。

泌尿器科(保険適用の可能性)

泌尿器科の一部では、男性更年期障害(LOH症候群)と診断基準を満たした場合に保険適用でテストステロン注射が可能になる。保険適用なら3割負担で1回あたり数百円〜2000円程度に抑えられるが、診断基準(AMSスコア、総テストステロン値の閾値、症状の持続期間等)をクリアする必要があり、希望すれば誰でも保険でTRTを受けられるわけではない。総テストステロン値が250ng/dL未満が一つの目安として広く参照されている。

注射剤の正体

国内クリニックのTRTで使われる代表的な注射剤は「エナント酸テストステロン(エナンセート)」だ。海外で長く使われているシピオン酸テストステロン(シピオネート)や、半減期が短い分こまめに打つ必要があるプロピオン酸テストステロン(プロピオネート)も同じテストステロンエステルの仲間で、海外のTRT臨床ガイドラインでは選択肢として並列に扱われている。日本のクリニックではエナンセート1択になっているケースが多いが、海外文献ではシピオネートが標準とされる地域もある。

クリニックを選ぶ際のチェックポイント

TRTを継続する前提でクリニックを選ぶなら、以下の5点を確認しておくと失敗が減る。

1. 血液検査の項目と頻度

総テストステロン値だけでなく、遊離テストステロン値、LH/FSH、PSA、ヘマトクリット、肝機能まで初回でカバーしているか。フォローアップで3〜6ヶ月ごとに同項目を再測定するか。これらが揃わない施設は安全管理が緩い可能性がある。

2. 注射剤の選択肢

エナンセートのみか、シピオネートやプロピオネートも提示されるか。海外併用や個人輸入を希望する患者に対する姿勢も含めて、選択肢の幅は施設の知見の深さに比例しやすい。

3. HCG併用の知見

長期TRTでは自分の体内のテストステロン分泌が止まる現象(専門用語でHPTA抑制、視床下部-下垂体-性腺軸の抑制と呼ばれる)が起きる。睾丸の萎縮と造精機能の低下を防ぐためにHCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)を併用するプロトコルが海外では一般的だ。HCG併用に対応しているか、または知識ベースを持っているかは重要な判断材料になる。

4. PSA・前立腺の管理体制

40代後半以降は前立腺癌の潜在リスクが上がる。PSA測定とDRE(直腸診)もしくはMRI連携の体制があるか確認しておきたい。

5. 料金体系の透明性

初診料・血液検査代・注射代・薬剤費が別建てか込みか、年間総額がいくらになるか。月1万円と書かれていても、検査代を加算すると年間30万円を超えるケースもある。

TRT専門院が見つからない・通えない場合の選択肢

地方在住で近くに男性更年期外来がない、平日に通院する時間が取れない、自費で月1〜2万円が現実的でない——こうした事情でクリニック通院が難しい人は、海外で使われているテストステロン製剤を個人輸入で入手するという経路を選んでいる層が一定数いる。これは日本国内では合法な行為(医薬品医療機器等法に基づく個人輸入の範囲)で、海外のAGA治療薬や避妊薬等と同じ枠組みになる。

ただし以下は強調しておきたい。

  • 血液検査だけは国内で受けるべき: テストステロン値・PSA・ヘマトクリット等のモニタリングなしにTRTを続けるのは健康上のリスクが大きい。健康診断オプション、自費の血液検査クリニック、人間ドックの追加項目等で半年に1回は数値を取る習慣を持つ。
  • HCG併用を検討する: 長期使用ではHPTA抑制が避けられないため、海外TRT文献ではHCG併用が標準的に議論されている。睾丸萎縮と造精機能の保護目的で組み合わせるパターンが多い。
  • 医師の診断を代替するものではない: あくまで個人輸入は情報提供の枠組みで、症状によっては医療機関での評価が優先される。胸痛・呼吸苦・うつ症状の悪化等があれば医師に相談する。

参考までに、海外でTRT用途で使われている代表的なテストステロン製剤と、当サイトでの取扱状況を整理しておく(価格は2026年5月時点)。

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FAQ

Q1. AGAクリニックで「テストステロンを上げたい」と相談したらTRTを処方してもらえる? A. ほぼ処方されない。AGA専門オンラインクリニックの薬剤メニューはフィナステリド・デュタステリド・ミノキシジル中心で、テストステロン注射は標準的に含まれていない。TRTを希望するならメンズヘルス外来・男性更年期外来・泌尿器科への切り替えが現実的。

Q2. ED治療薬とTRTは併用できる? A. 海外の臨床ガイドラインでは、テストステロン低値が原因のEDではTRTがPDE5阻害薬の効果を底上げするという報告がある。ただし併用判断は血液検査と症状評価を踏まえた上で医師と相談すべき領域で、自己判断で重ねるのは推奨されない。

Q3. TRTは保険で受けられる? A. 男性更年期障害(LOH症候群)の診断基準を満たした場合、泌尿器科で保険適用が可能になることがある。総テストステロン値、AMSスコア、症状の持続期間等の条件があり、希望者全員が保険でTRTを受けられるわけではない。

Q4. 男性ホルモン何科に行けばいい? A. 泌尿器科が一次窓口として最も多い。次にメンズヘルス外来、男性更年期外来。婦人科や心療内科は基本的にTRTを扱わない。

Q5. TRTを始めると一生やめられないと聞いたが本当? A. 長期TRTで自分の体内のテストステロン分泌が抑制されると、中止後に低テストステロン状態が一時的に強く出ることがある(専門用語でHPTA抑制からの回復期と呼ばれる)。HCG併用やPCT(中止後の回復プロトコル)を組むことで離脱を試みる選択肢はある。完全に「一生」というわけではないが、開始前に出口戦略まで医師と話しておくのが望ましい。

Sources:

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