T3低用量で甲状腺バランスを保ちつつ痩せた話
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リード
ダイエット目的でT3(チロナミン/リオチロニンナトリウム、合成甲状腺ホルモンT3製剤)に興味を持つ人の多くは、「効きそうだけど甲状腺が壊れそうで怖い」というところで足が止まります。海外のフォーラムやSNSでは、いきなり50mcgや75mcgまで上げて短期間で大量に体重を落とす話も流れていますが、その裏で甲状腺機能が一時的に大きく乱れたり、心拍数の急上昇に苦しんだという声も少なくありません。
この記事では、25mcg錠を割って12.5mcg/日という低用量から始め、4週間かけて代謝の体感を引き上げつつ、甲状腺の数値を大きく崩さずに体脂肪を落とした体験談を紹介します。あくまで一例ですが、「最小有効量から入る」「採血で観察する」「短期で抜く」という三つの軸でどんな経過をたどったのか、具体的な体感と数値の変化を時系列でまとめました。
T3を高用量で回す前に、まずは低用量で十分な手応えがあるのかを知りたい人に向けた内容です。
結論
結論から書くと、T3は12.5mcg/日という低用量でも体感としての代謝アップは確認でき、4週間の使用で甲状腺機能の検査値(TSH:甲状腺刺激ホルモン、FT3:遊離トリヨードサイロニン、FT4:遊離サイロキシン)を基準値内に保ったまま体脂肪を落とすことが可能だった、というのが今回の事例です。重要なのは「攻めすぎないこと」と「採血で観察すること」。この二つを外すと、T3は途端に扱いの難しい薬になります。
体験事例:12.5mcg/日 × 4週間の経過
開始前の状態と動機
事例の主は30代後半の男性、体重78kg、体脂肪率24%前後。食事制限と有酸素運動だけで停滞してきたタイミングで、「代謝の底上げ」を目的にT3の低用量導入を検討したとのことです。開始前にクリニックで甲状腺関連の採血(TSH/FT3/FT4)を行い、いずれも基準値の中央付近で、特に異常なしという結果でした。
ポイントは、「いきなり体感を狙わない」という決め方です。海外のダイエット系プロトコルではT3を50〜75mcgで2〜4週間回す例も紹介されていますが、心拍数の上振れや筋肉量の低下リスクを避けるため、ここでは25mcg錠を半分に割って12.5mcg/日からスタートしています。
Week1:体感はほぼなし、ただし基礎体温が微増
最初の1週間は「効いている気がしない」というのが正直なところだったそうです。ただし、起床時の基礎体温を毎日記録していたところ、開始3日目あたりから0.1〜0.2度ほど上がっており、わずかに代謝が動いている感触はあったとのこと。心拍数の安静時計測も、開始前の平均62bpmに対し64〜66bpmと、ごく軽い上昇にとどまっていました。
このフェーズで多くの人が「効かない」と判断して用量を倍にしてしまうのですが、そこをこらえて低用量を維持したことが、後のトラブル回避につながっています。
Week2〜3:体重の落ち方が一段速くなる
2週目に入ると、それまで停滞していた体重がじわじわと動き始めます。同じカロリー設定(摂取2000kcal/日・PFC高タンパク)で、開始前1週間で-0.2kg、Week1で-0.4kg、Week2で-0.8kg、Week3で-0.9kgというペースに変化していきました。
体感としては「食後の眠気が軽い」「有酸素中の発汗量が増える」「寒さを感じにくい」といった、いかにも代謝が上がっている感覚があったそうです。ただし、強い動悸や手の震え、不眠といった甲状腺ホルモン過剰特有の症状は出ていません。低用量を維持した恩恵といえます。
Week4と離脱
4週目はWeek3とほぼ同じペースで体重が落ち、最終的に4週間で-2.6kg、体脂肪率は24%→21.5%まで低下しました。同期間中、筋トレのRM(最大挙上重量)はベンチプレス・スクワットともに維持できており、明らかな筋力低下は感じなかったとのこと。
離脱は、4週目の最終週で12.5mcg/日のまま終了し、その後はT3を入れずに通常のダイエットに戻しました。本来T3を高用量で長期間使った場合は、漸減(少しずつ減らしていくこと)で甲状腺の自前の働きを戻していく配慮が必要ですが、12.5mcg/日という生理的範囲に近い用量で4週間という短期だったため、急停止でも体感不調は出なかったそうです。
終了後の採血結果
T3終了から2週間後にあらためて採血したところ、TSH・FT3・FT4のいずれも基準値内に収まっていました。開始前と比べてTSHはわずかに上昇(自前の甲状腺刺激ホルモンが少し増える方向)していましたが、これは外因性T3を入れた後の自然な反応の範囲内です。
低用量でうまくいった要因の分解
「最小有効量」から入る
T3を語るときに最も誤解されやすいのが「用量=効果」という見方です。T3はサイトメル(海外で承認されている合成T3製剤)として欧米で甲状腺機能低下症の治療に使われていますが、その治療用量は概ね25〜75mcg/日です。ダイエット目的でこれを大幅に超える用量を使うと、確かに減量速度は上がる一方で、心拍数や筋分解のリスクが直線的に増えていきます。
12.5mcgというのは治療用量の下限を下回る、いわば「ブースト用」の超低用量。これでも体感は出るというのが、今回の事例の核心です。
採血で観察する
T3を扱う上で、自覚症状だけに頼るのは危険です。理由は、甲状腺ホルモンの数値が動き始めても、初期は本人がまったく気づかないケースがあるためです。開始前・終了直後・終了2週間後の3点で採血しておくと、自分の体がT3に対してどう反応したかが定量的にわかります。
クリニックでの自費採血は3000〜5000円程度で受けられるところが多く、T3を試す費用と比べれば安いものです。
短期で抜く
T3を長期で連用すると、自前の甲状腺ホルモン分泌が抑制される方向に動きやすくなります。一般に4〜6週間以内で区切るプロトコルが多く紹介されており、今回の事例も4週間で離脱しています。「もう少しいけそう」というところで止めるのが、結果的に甲状腺機能を守る近道です。
失敗パターンとの対比
低用量で成功した事例の裏には、当然うまくいかなかった事例も存在します。代表的な失敗パターンを挙げておきます。
いきなり50mcg以上で開始
海外プロトコルを鵜呑みにして50〜75mcgから入ると、開始数日で動悸・手の震え・不眠・筋分解の体感が同時に来ることがあります。減量は確かに速いものの、筋肉量を削ってしまうと終了後のリバウンドが大きくなる、という典型的な落とし穴です。
8週以上の連用
T3を2か月以上連続で使うと、終了後にTSHの戻りが遅れ、一時的に倦怠感や寒がり、むくみといった甲状腺機能低下様の症状が出ることがあります。これは「自前の働きが鈍っている」サイン。短期で抜くという原則を守るだけで、ほぼ回避できます。
採血を一度もしない
「効いている感じがするから大丈夫」という主観だけで進めると、終了後にどの数値がどう動いたのかが追えません。次回以降のチューニングもできなくなるため、最低でも開始前と終了後の2点は採血しておきたいところです。
どんな人に向くか/向かないか
低用量T3が向いているのは、食事制限と運動でいったん停滞期に入り、「代謝の底上げ」だけが欲しい人です。逆に、もともと甲状腺機能に異常がある人、心疾患のある人、強い動悸を感じやすい人には向きません。また、妊娠中・授乳中の使用も避けるべきとされています。
T3はあくまで代謝のレバーを少しだけ強く引く道具であり、食事と運動という土台がない状態で使っても、思ったような結果にはつながりにくい薬です。
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LINEでガイドを受け取るFAQ
Q1. 12.5mcg/日というのは、市販されているT3製剤でどう作るのですか? A. T3製剤は25mcg錠が一般的なため、ピルカッターで半分に割って12.5mcgとして使う方法が広く用いられています。割線が入っていない錠剤でも、薬局やドラッグストアで売られているピルカッターでおおむね均等に分割できます。
Q2. 朝1回と分割服用、どちらが良いですか? A. T3は半減期が短い(おおむね数時間〜1日)ため、低用量で安定した血中濃度を狙う場合は朝晩2回に分割する方法もあります。ただし12.5mcg/日のような少量であれば、朝1回でも体感差が出にくいという報告が多く、生活スタイルに合わせて選ぶのが現実的です。
Q3. T3単独ではなく、クレンブテロールやGLP-1と併用しても良いですか? A. 併用例は海外のフォーラムで紹介されていますが、心拍数や血圧への負荷が重なるため、特にクレンブテロールとの同時併用はリスクが高い組み合わせとされています。まずはT3単独で自分の体の反応を確かめてから、組み合わせを検討する方が安全です。
Q4. 終了後にリバウンドしないためのコツはありますか? A. T3終了後はベースの代謝が一時的に元の水準に戻るため、終了直後に食事量を急に増やすと体重が戻りやすくなります。終了後2〜3週間は、開始前と同じ摂取カロリーを維持し、筋トレを継続することがリバウンド対策として有効とされています。
Q5. 採血はどこで受ければいいですか? A. 内科・内分泌内科であれば甲状腺関連の採血(TSH/FT3/FT4)に対応している施設が多く、自費診療でも数千円程度で受けられます。自治体の人間ドックや健康診断のオプションに含まれている場合もあるため、まずは近隣のクリニックに問い合わせるのが早道です。