SARMs使用後のPCTは必要か 抑制度別の判断
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リード
SARMs(Selective Androgen Receptor Modulator、選択的アンドロゲン受容体調整薬)を1サイクル終えたあと、多くの方が同じところで止まります。「SARMsはステロイドより穏やかと聞いたが、PCT(Post Cycle Therapy、サイクル後のホルモン回復療法)は本当に必要なのか」「やるとしてもどれくらいの強度で組めばいいのか」。情報源によって書いてあることが正反対で、判断材料がそろわないまま終了直前を迎える例は珍しくありません。この記事では、SARMs後のPCTが必要かどうかを「銘柄ごとの抑制の強さ」と「使った期間・用量」の2軸で整理し、不要なケースと必要なケース、その中間にあたる軽めの回復プロトコル(いわゆるMini-PCT)までを順に解説します。
結論
SARMs後のPCTが必要かは「銘柄」と「サイクル長・用量」で変わります。オスタリン(MK-2866)を4週・低用量で回した程度ならPCTを組まない選択も現実的です。一方、LGD-4033やRAD-140を8週以上、または中〜高用量で使った場合は、自分の体内のテストステロン分泌が抑え込まれる現象(専門用語でHPTA抑制と呼ばれます)が確認されやすく、回復目的でクロミフェン(クロミッド)を中心とした軽めのPCTを組むのが一般的な対応です。
SARMsの抑制度マッピング 銘柄ごとの整理
SARMsはすべて同じ強さではありません。アンドロゲン受容体への結合の強さと選択性の違いから、サイクル後に自分のテストステロンがどれくらい下がるかは銘柄でかなり差が出ます。ここでは代表的な3銘柄を抑制度の目安で並べます。
オスタリン(MK-2866) 抑制度 低〜中
オスタリンは臨床試験での使用歴が比較的長く、データもそろっている銘柄です。健康な男性を対象とした臨床試験では、1日3mgを3週間投与した群で総テストステロン値の低下が報告されていますが、低下幅は中等量のステロイドに比べると小さく、投与終了後の戻りも比較的早い傾向が示されています。4週・10〜20mg/日の範囲で使った場合、PCTを組まずに自然回復で様子を見る選択も現実的とされます。
LGD-4033(リガンドロール) 抑制度 中〜高
LGD-4033は健康男性を対象とした第I相試験で、1mg/日・21日間の投与でも総テストステロンが投与前の約半分まで低下したと報告されています。用量を上げるほど抑制は強くなり、SHBG(性ホルモン結合グロブリン)も下がります。5〜10mg/日を8週使ったあとは、自然回復に任せると数週間〜数か月のホルモン低下期が続きやすく、回復補助としてのPCTが選ばれることが多い銘柄です。
RAD-140(テストロン) 抑制度 高
RAD-140はアンドロゲン受容体への親和性が高く、筋増強効果が強いとされる一方、HPTA抑制も最も強いグループに分類されます。短期間でも体感としての性欲・気分の落ち込みを訴えるユーザーが多く、サイクル後は早めに回復に入るのが定石です。8週以上・10mg/日を超えるような構成では、PCTなしで戻すのは現実的ではありません。
4週・低用量ならPCT不要のケースも
オスタリン10〜15mg/日を4週、あるいはアンドラリン(S-4)を短期で回したような「軽い」サイクルでは、終了から2〜4週で性欲・朝勃ち・気分が戻ってくる例が多く報告されています。この場合、PCTを組まずに以下の点だけ押さえれば自然回復で十分なことがあります。
- 終了後2週・4週時点で朝勃ち・性欲・気分を自己観察する
- 余裕があれば終了4週後に血液検査でテストステロン値・LH(黄体形成ホルモン)・FSH(卵胞刺激ホルモン)を確認する
- 戻りが遅いと感じたらその時点でMini-PCT(後述)に切り替える
ここで重要なのは「自然回復で済む=何もしなくていい」ではなく「観察は続ける」という姿勢です。回復が止まったまま放置すると、次のサイクルでより強い抑制を残すリスクがあります。
8週以上または中〜高用量で必要になるケース
次のいずれかに当てはまる場合は、PCTを組む前提で計画するのが一般的です。
- LGD-4033またはRAD-140を含む構成
- 同時に2銘柄以上を併用(スタック)した構成
- 8週以上の連続使用
- 性欲・朝勃ち・睾丸サイズの低下を体感している
このケースで使われる中心薬がクロミフェン(クロミッド)です。クロミフェンは視床下部のエストロゲン受容体をブロックすることで、脳から精巣への指令役であるLH・FSHの分泌を促し、結果として内因性テストステロンの立ち上がりを助ける作用を持つ薬剤で、海外ではPCTの標準的な選択肢として広く使われています。
国内では女性の排卵誘発薬としての承認で、男性のPCT目的は適応外です。個人輸入で入手する場合も、用量・期間・自己判断のリスクを理解したうえで使う必要があります。
Mini-PCT クロミッド25mgを軸にした軽い回復プロトコル
SARMsはステロイドより抑制が浅いことが多いため、PCTもステロイド後ほど強くは組みません。実際にやっている人の用量帯としてよく見られるのが、クロミッドを通常の半量(25mg/日)で2〜4週回すMini-PCTです。
参考的な組み方の一例:
- 第1〜2週: クロミフェン 25mg/日
- 第3〜4週: クロミフェン 25mg/日 または隔日
体感の戻り(朝勃ち・性欲・気分)を見ながら、4週前に終了するか継続するかを決めます。25mgでも視覚症状(視野のチカチカ、光の残像)などが出ることがあり、その場合は使うのをやめるサインです。
ステロイド後のPCTで一般的なクロミッド50mg/日を4週はSARMsには過剰になりやすく、副作用(気分の不安定・視覚症状)のほうが目立つこともあります。「銘柄が穏やかならPCTも穏やかに」が基本線です。
PCT中・PCT後にやっておくと判断材料が増えること
PCTの効果は「やった/やらない」だけで決めず、可能な範囲で数字を残すと次サイクルの設計が変わります。
- PCT開始前・終了2週後の血液検査(テストステロン・LH・FSH・E2)
- 体重・体脂肪率・除脂肪体重の推移
- 朝勃ちの頻度・性欲・気分・睡眠の質を週単位で記録
主観だけだと「気のせいだったかも」で流れてしまう症状も、数字で残しておくと次に活きます。とくに2回目以降のサイクルを考えるなら、1回目のPCT後の血液データは判断材料として価値が高くなります。
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LINEでガイドを受け取るよくある質問
Q1. SARMs後にテストステロンブースター系のサプリだけで回復できますか? A. 軽いサイクル(オスタリン4週・低用量など)なら、亜鉛・マグネシウム・ビタミンDといった基礎栄養の充足で戻りやすくなる例はあります。ただし、ハーブ系サプリで内因性テストステロンが大きく上がるという臨床的な裏付けは限定的で、中〜高抑制のサイクル後の回復ツールとしては力不足です。
Q2. クロミッドとタモキシフェン、どちらを使えばいいですか? A. PCT目的ではどちらも使われています。SARMs後の軽めのケースではクロミッド25mg/日が選ばれることが多く、タモキシフェンはエストロゲン関連症状(乳腺の張りなど)が出ている場合に選ばれる傾向があります。両方を併用する組み方もありますが、SARMs後では過剰になりやすい構成です。
Q3. PCTはサイクル終了から何日後に始めればいいですか? A. SARMsは半減期が比較的短い銘柄が多く、終了の翌日〜数日後から開始されることが一般的です。半減期が長い銘柄(LGD-4033など)の場合は、3〜5日空けてから開始する組み方もあります。
Q4. PCTをやらずに次のサイクルに入ったらどうなりますか? A. 抑制が残ったまま次に積み増す形になり、回復が一段と難しくなるリスクがあります。とくにLGD-4033・RAD-140を含む構成で連続サイクルを組む場合、間に最低1回のPCTと休止期間を入れる組み方が一般的です。
Q5. PCT中にトレーニング強度は落としたほうがいいですか? A. ホルモンが立ち上がりきっていない期間は、回復力が落ちます。重量を維持することよりも、ボリュームをやや落として怪我を避ける期間と考える人が多いです。