SARMsスタックでテスト値半分まで落ちた人の話
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「SARMs(サームス、選択的アンドロゲン受容体調節薬の略)はステロイドより安全」。そう聞いてオスタリン・リガンドロール・RAD140の3点スタックを12週間回した結果、サイクル後の採血でテストステロン値(以下、テスト値)が250ng/dLまで落ちていた——。これは海外フォーラムでも国内ブログでも繰り返し共有されている、SARMs利用者によくある失敗パターンの一つです。
「SARMsは副作用が軽い」というフレーズだけが独り歩きしていますが、現実には自分の体内のテストステロン分泌が止まる現象(専門用語でHPTA抑制=視床下部・下垂体・性腺軸の抑制と呼ばれる)が普通に起こります。このページでは、実際の症例ベースで何が起きたのか、なぜ起きたのか、どうすれば被害を最小化できるのかを整理します。
結論
結論を先に書きます。すべてのSARMsは程度の差こそあれHPTA抑制を引き起こします。「SARMsだから抑制ゼロ」は誤情報です。短期(8週以内)・単剤・低用量で組み、サイクル前後の採血を必ず行い、サイクル後はPCT(ポスト・サイクル・セラピー=サイクル後の回復療法)を組む。これがダメージを最小化する唯一の現実解です。スタック多剤・長期サイクル・採血なしの組み合わせは、テスト値が半減〜それ以下に落ちる典型コースです。
SARMsスタックでテスト値が半分以下になった事例
海外のSARMsコミュニティ(Reddit r/sarmsource など)で頻繁に共有されるケースを、典型例として再構成します。
体組成は伸びたが、サイクル後の不調が想定外だった
30代男性、トレーニング歴8年、ナチュラル時のテスト値は650ng/dL前後。12週間のSARMs 3点スタックを以下のプロトコルで実施。
- オスタリン(MK-2866) 25mg/日
- リガンドロール(LGD-4033) 10mg/日
- RAD140(テストロン) 15mg/日
- ケア剤なし、PCTなし、採血は事前のみ
サイクル中はベンチプレス重量+15kg、除脂肪体重+4kgと、見た目の成果は出ました。問題はサイクル後3週目から始まります。性欲の急激な低下、朝の勃起の消失、慢性的な倦怠感、気分の落ち込み。クリニックで採血したところ、総テストステロン値は120〜140ng/dL台。基準値下限(国内検査会社の参考値で約260ng/dL前後)を大きく割っていました。
自然回復に半年以上かかった
PCTを組まずに自然回復を待ったところ、3か月時点でも300ng/dL前後までしか戻らず、性機能の回復はさらに遅れました。最終的にナチュラル時のテスト値に戻るまで6〜9か月を要したというのが、このパターンの典型的な経過です。SARMsは「ステロイドより穏やか」という言葉だけが先行していますが、回復期間に関しては経口アナボリックステロイドのサイクル後と大きく変わらない、あるいはスタック条件によっては同等以上に長引くことも報告されています。
なぜSARMsでもHPTA抑制が起きるのか
「SARMsは選択的だから抑制しない」という説明は半分間違いです。
選択性は組織選択性であって、HPTAをスルーするわけではない
SARMsの「選択的」とは、骨格筋・骨に対する作用と、前立腺・皮脂腺などへの作用を切り分けるという意味の組織選択性です。HPTAのフィードバック機構には選択的ではありません。アンドロゲン受容体に結合して筋肥大シグナルを出す薬剤は、視床下部・下垂体側のセンサーにも「血中にアンドロゲンが十分ある」と認識され、結果として黄体形成ホルモン(LH)と卵胞刺激ホルモン(FSH)の分泌が落ち、精巣でのテスト産生にブレーキがかかります。
化合物ごとの抑制強度には差がある
公開されている臨床試験データや利用者報告を総合すると、抑制強度は概ね以下の傾向があります(個人差は大きいです)。
- 抑制が比較的軽いとされる: オスタリン(MK-2866)低用量・短期
- 中程度: アンダリン(S-4)、リガンドロール(LGD-4033)
- 強め: RAD140(テストロン)、YK-11
- ホルモン軸への直接抑制は弱いとされるが別経路で要注意: カルダリン(GW-501516系)、SR-9009、MK-677(成長ホルモン分泌促進薬で、厳密にはSARMsではない)
スタックすると抑制は単純な足し算ではなく、相乗的に強まる傾向が利用者報告で繰り返し挙がっています。
用量・期間が抑制深度を決める
同じオスタリンでも、10mg×6週と25mg×12週では抑制の深さも回復期間もまったく異なります。「弱いから多めに長く」が一番危険な組み方です。
ダメージを最小化する組み方
ここからは、抑制を完全にゼロにすることはできない前提で、被害を最小化する考え方を整理します。
短期・単剤・低用量から入る
初回サイクルでスタックを組むのは推奨されません。まずは単剤・8週以内・最小有効量で、自分の体がどう反応するかを観察します。具体的には、オスタリン10〜15mg/日を6〜8週、あるいはリガンドロール5mg/日を6〜8週といったレンジが、海外コミュニティでも「初回の現実的な選択」として頻繁に挙がる組み方です。当店ではOSTARINE Mk-2866 / 15mg × 50(¥10,500、現在欠品中・予約注文)や、在庫のあるTESTLONE RAD140 / 15mg × 50(¥11,000)などを取り扱っています。RAD140は抑制強めの化合物なので、初回サイクルには向きません。経験者の二剤目以降の選択肢です。
サイクル前後の採血を必ずする
採血なしでSARMsを回すのは、計器を見ずに高速道路を走るのと同じです。最低限、サイクル前とサイクル後4週目に以下を測定します。
- 総テストステロン
- 遊離テストステロン
- LH / FSH
- エストラジオール(E2)
- 肝機能(AST / ALT / γ-GTP)
- 脂質(HDL / LDL / 中性脂肪)
国内の自費採血クリニックや、検査キット(郵送式)でも測定可能です。「数字を見ない」が一番の事故の元です。
サイクル後のPCT(回復療法)を組む
抑制が中程度以上になりそうなスタックや、リガンドロール・RAD140を使った場合は、サイクル後にPCTを組むのが標準的です。一般的に使われるのは選択的エストロゲン受容体調節薬(クロミフェン、タモキシフェン等)で、サイクル後4〜6週間かけてHPTAの再起動を促します。当店では経口ステロイド・SARMs向け ケア剤セットプロ(¥21,000)をPCT用途のまとめ買い向けに用意しています。単品の方が予算に合う場合は、PCT用クロミッド・ノルバデックスを個別に揃える方法もあります。
「弱いから2回連続」は最悪パターン
「抑制が軽そうだから2サイクル連続で回す」「ブリッジで切らずに薬剤を入れ替える」は、抑制が累積して回復不能になりやすいパターンです。サイクル時間と同じかそれ以上のオフ期間を必ず取り、その間に採血で回復を確認してから次に進みます。
SARMsが向かない人
以下に当てはまる人は、SARMsを使うべきではありません。
- 25歳未満(自分のHPTAが発達途上で、抑制ダメージが長期化しやすい)
- ナチュラル時のテスト値がもともと低い(300ng/dL台以下)
- 採血クリニックに通えない・通う気がない
- PCT薬を入手・服用する準備がない
- 心血管・肝臓・腎臓に既往歴がある
「ステロイドより安全だから」という理由だけで手を出すのは、リスクの過小評価です。
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LINEでガイドを受け取るFAQ
Q1. SARMsはステロイドより本当に安全ですか?
A. 「比較的穏やか」と「安全」は別物です。HPTA抑制・脂質悪化・肝臓への負荷は、用量と期間次第でステロイドと近いレベルになります。安全性を担保するのは化合物ではなく、用量・期間・採血・PCTの管理です。
Q2. オスタリンだけなら採血もPCTも要らないですか?
A. オスタリンは抑制が比較的軽い化合物ですが、ゼロではありません。低用量・短期(8週以内)であってもサイクル前後の採血は推奨されます。PCTは抑制深度を見て判断するので、結局は採血が前提になります。
Q3. テスト値が半分まで落ちたら、自然回復で戻りますか?
A. 多くのケースでは半年〜1年かけて回復しますが、戻り切らない場合もあります。戻りが悪い場合はクリニックでホルモン補充療法(TRT)の対象になることもあります。「自然に戻る」を前提に管理を怠るのは危険です。
Q4. PCTにクロミフェンとタモキシフェン、どちらを使えばいいですか?
A. 抑制が中等度ならクロミフェン単剤、強めならクロミフェン+タモキシフェンの併用が海外コミュニティでよく組まれるプロトコルです。E2の動きが大きい場合はタモキシフェンの優先度が上がります。採血の数字を見て選ぶのが基本です。
Q5. MK-677(イブタモレン)もHPTA抑制しますか?
A. MK-677は厳密にはSARMsではなく成長ホルモン分泌促進薬(GHS)で、アンドロゲン受容体には作用しません。そのためHPTA抑制は原則ありません。ただしコルチゾール上昇、血糖・インスリン感受性への影響、浮腫といった別系統の副作用があり、安全とは言い切れません。