リガンドロールとアナバー、効果と副作用はどう違うのか

リガンドロールとアナバー、効果と副作用はどう違うのか

注射はまだ考えていない。でも経口で何か一つ試してみたい。そう思って調べると、必ず並んで出てくるのがアナバーとリガンドロール(LGD-4033)です。

どちらも「筋肉を増やす」「絞りに向く」と書かれていて、値段も極端には違わない。それなのに、片方はステロイド、もう片方はSARMsという別のカテゴリに置かれている。何がどう違うのか、そして自分にはどちらが向いているのか。ここが分からないまま止まっている人が多い部分です。

この記事では、まず筋肥大の効果を比べ、そのあとで副作用を比べます。順番に理由があって、効果の違いを理解しないと副作用の意味も分からないからです。後半の副作用の章は飛ばさずに読んでください。判断が変わるのは、たいていそちらです。

アナバーとリガンドロールは、そもそも同じ分類の薬ではない

比較の前に、ここを押さえておく必要があります。この二つは「同じ棚に並んだ似た商品」ではありません。

アナバー(オキサンドロロン)= 経口のアナボリックステロイド

アナバーは、オキサンドロロンという成分の製品名です。分類上はアナボリックステロイド、つまりテストステロンの構造を変えて作られた化合物です。

登場したのは1960年代で、この分野の化合物としては歴史が長い部類に入ります。医療の場で使われてきた蓄積があり、体の状態を調べる研究も重ねられてきました。経口で摂れるアナボリックステロイドとして、名前が定着している存在です。

リガンドロール(LGD-4033)= SARM

リガンドロールは、SARM(選択的アンドロゲン受容体モジュレーター)に分類される化合物です。ステロイド骨格を持たない、非ステロイド性の物質です。

アナバーに比べるとずっと新しく、2010年前後から知られるようになりました。SARMsというカテゴリ自体が新しく、その中でもリガンドロールは筋肉への働きが強い側として名前が挙がることが多い化合物です。

「選択的」とは何が選択的なのか

SARMsの「選択的」という言葉を、先に説明しておきます。

アンドロゲン受容体は、筋肉にも、前立腺にも、皮膚にも、毛包にも、肝臓にもあります。テストステロンのようなステロイドは、これらすべてに作用します。だから筋肉が増えると同時に、前立腺や皮脂腺にも影響が出る。

SARMsは、この作用を組織ごとに分けようとして設計された化合物です。筋肉や骨には強く働き、前立腺などへの作用は抑えたい。これが「選択的」の意味です。

つまりアナバーとリガンドロールは、同じ「筋肉を増やす」という目的に対して、まったく違う設計思想で作られたものということになります。この違いが、次の章から見ていく効果の出方の差につながります。

筋肥大効果の比較

増量期に向くのはどちらか

体重を積極的に増やしていく局面では、リガンドロールが選ばれることが多い傾向があります。

理由は、体重の増え方の性質です。リガンドロールは体重が乗りやすいと言われ、そのぶん増量期の手応えを得やすい。

一方でアナバーは、体重を大きく動かすタイプの化合物としては語られません。増量期の主役に置くには物足りない、という評価が一般的です。

絞り期に向くのはどちらか

減量して体脂肪を落としていく局面では、アナバーが選ばれる傾向があります。

減量中は摂取カロリーが不足するため、体は筋肉も分解しようとします。この局面で筋量の維持を狙う、という使われ方です。

また、水分保持が起こりにくいとされる点も、絞り期に選ばれる理由になっています。体を絞っている時期に水分で輪郭がぼやけるのは、目的と逆方向だからです。

筋力の伸び方の違い

体重の増加量と筋力の伸びは、必ずしも一致しません。

アナバーは、体重の増え幅のわりに筋力が伸びやすいと語られることが多い化合物です。体重階級のある競技や、体重を増やさずに強くなりたい場面で名前が挙がるのはこのためです。

リガンドロールは、体重の増加とともに筋力も伸びるという語られ方をします。ただし増えた体重に水分がどの程度含まれるかによって、体感は変わります。

効果が出るまでの時間

どちらも経口で、比較的早く体感が出ると言われる部類です。ただし「体感が出る」ことと「筋肉が増えている」ことは別です。

最初の1〜2週間で感じる張りや力の出方の変化には、水分やグリコーゲンの変化が含まれます。実際の筋量の変化を評価するには、もっと長い期間と、体重以外の指標(見た目、周径囲、扱える重量の推移)を合わせて見る必要があります。

効果の面で並べて見る

項目 アナバー(オキサンドロロン) リガンドロール(LGD-4033)
分類 経口アナボリックステロイド SARM(非ステロイド性)
作用の仕方 アンドロゲン受容体に広く作用 組織選択性を狙って設計された作用
主に向くフェーズ 絞り期・筋量維持 増量期
体重の動き 大きくは動かない 乗りやすい
筋力の伸び 体重の増え幅のわりに伸びやすいとされる 体重の増加とともに伸びるとされる
水分保持 起こりにくいとされる 起こりうる
体感が出るまで 比較的早い 比較的早い
1錠あたり単価 208円(10mg) / 429円(50mg) 338円(10mg)

見た目の変化はどう違うか

水分保持と張り

同じ「1kg増えた」でも、中身が水分か筋肉かで見た目はまったく違います。

アナバーは水分保持が起こりにくいとされ、体重の増え方は緩やかでも輪郭は保たれやすい、という語られ方をします。絞り期に選ばれる理由の一つです。

リガンドロールは体重が乗りやすいぶん、その一部に水分が含まれます。増量期には歓迎される変化ですが、絞りの終盤に使うと目的とずれることがあります。

体重計の数字と鏡の乖離

ここは、続けられるかどうかに直結する話なので書いておきます。

増量期にリガンドロールを使うと、体重計の数字は動きます。数字が動くのは、モチベーションの面では大きい。一方でアナバーを絞り期に使うと、体重はほとんど動かないか、減ることさえあります。

このとき「効いていない」と判断してしまう人がいます。でも絞り期に体重が減るのは目的どおりで、そこで見るべきは体重ではなく、扱える重量が落ちていないか、見た目が変わっているかです。

測る指標を目的に合わせて決めておく。これは薬の選択と同じくらい、結果を左右します。

コストの比較

1錠あたり単価

当店の現在の取り扱いから、1錠あたりの単価を計算式ごと出しておきます。ご自身で検算してみてください。

アナバー / 10mg * 100 ― 20,800円 20,800円 ÷ 100錠 = 1錠あたり208円

アナバー / 50mg * 100 ― 42,900円 42,900円 ÷ 100錠 = 1錠あたり429円

LIGANDROL LGD4033 / 10mg * 50 ― 16,900円 16,900円 ÷ 50錠 = 1錠あたり338円

同じ10mg錠で比べると、アナバーが208円、リガンドロールが338円です。1錠の単価としてはアナバーのほうが低くなります。

なおLGD3033 / 10mg * 50(16,900円)も同じ単価です。こちらはLGD-4033の類縁化合物にあたります。

何週分で考えるか

ここで意図的にやらないことがあります。1日あたりの費用には換算しません。

理由は、1日に何錠使うかという前提を置いた瞬間に、その前提が「推奨用量」として一人歩きするからです。適切な量は目的、体格、経験によって変わるもので、記事の側で決められるものではありません。

代わりに、こう考えてください。1錠の単価は上に出したとおりです。自分が想定している1日あたりの錠数と週数を掛ければ、一周分の費用が出ます。そのうえで、後述するPCTの費用を足したものが、実際にかかる総額です。

薬の本体価格だけで比較すると、必ず見積もりを外します。ここは最初に押さえておいたほうがいい部分です。

ここからは副作用の比較

効果の話はここまでです。ここからが、実際に判断が分かれるところです。

副作用の面で並べて見る

項目 アナバー(オキサンドロロン) リガンドロール(LGD-4033)
肝臓への設計上の負担 17α-アルキル化構造を持つ 構造上の該当なし。ただし肝障害の報告あり
肝機能の確認 必要 必要
自前のテストステロン分泌の抑制 起こる 起こる
抑制されたぶんを補えるか 補えない 補えない
PCTの必要性 必要 必要
HDLコレステロール 低下方向 低下方向
女性の検討 検討されることがある 情報が乏しく推奨しにくい

肝臓 ― 構造が違っても、確認する理由は両方にあります

アナバーのようなオキサンドロロンは、経口で摂取しても肝臓で分解されにくいよう、分子構造の17番目の位置に手が加えられています。これを17α-アルキル化と呼びます。この構造のおかげで経口が成立している一方、肝臓への負担につながることが知られています。だから経口ステロイドを使う際には、肝機能の確認が推奨されます。

では、構造上その問題を持たないリガンドロールはどうか。

ここが、この記事で最も伝えたい部分の一つです。リガンドロールについては、使用後に薬剤性の肝障害を起こした事例が、医学の専門誌に複数報告されています。健康な成人が本来の用途以外で使用した事例、リガンドロールによる肝障害の事例、SARMsとサイクル後の処置に関連した肝障害の事例などです。

つまり「17α-アルキル化構造を持たないから肝臓は問題ない」という理解は、報告されている事実と合っていません。負担のかかり方は違いますが、どちらも肝機能を確認する理由があります。

テストステロンの抑制 ―「SARMsだからPCTはいらない」は本当か

これも、はっきり書いておきます。

外からアンドロゲン受容体に作用する物質を入れれば、体は自前のテストステロンを作るのをやめます。これはステロイドかSARMかという分類の問題ではなく、仕組み上そうなるという話です。リガンドロールでも、短い期間の使用でテストステロンが下がることが確認されています。

そして、ここが本当に重要なところです。アナバーもリガンドロールも、テストステロンそのものではありません。つまり、自前の分泌が止まったとき、そのぶんを埋めるものが体内に何も残らない状態になります。

これがテストステロン欠乏の状態です。強い倦怠感、性欲の消失、勃起機能の低下、気分の落ち込み、集中力の低下。「サイクルは終わったのに、体調も気分もずっと戻らない」という状態は、ここから生まれます。

注射でテストステロンを土台に置く組み方では、この欠乏は起きません。外から入れているテストステロンが、止まったぶんを肩代わりしているからです。ところが経口のアナバーやリガンドロールを単体で使う場合、その肩代わりがありません。

だから、期間を長く引っ張らないことと、終わったあとに自前の分泌を戻す処置(PCT)を確実に行うことが、どちらを選ぶ場合でも前提になります。「SARMsだからPCTは不要」という説明には根拠がありません。

脂質(HDLコレステロール)

アナバーを含む経口アナボリックステロイドがHDLコレステロールを下げる方向に働くことは、以前から指摘されてきました。リガンドロールについても、同じ方向の変化が確認されています。

つまりこの点についても、どちらか一方だけの問題ではありません。開始前に脂質の値を取っておくこと、使用中と終了後に確認することが、両方について推奨されます。

それぞれで出やすいもの

アナバー側でよく挙がるもの 皮脂の増加やニキビ、抜け毛の進行(もともとその素因がある人)、気分の変動、そして前述の肝機能と脂質の変化。アナボリックステロイドである以上、アンドロゲン作用に伴う事象は起こりえます。

リガンドロール側でよく挙がるもの 倦怠感、頭痛、テストステロン低下に伴う症状(性欲の低下、気分の落ち込み)、そして肝機能と脂質の変化。加えて、比較的新しい化合物のため、長く使ったときに何が起きるかについては分かっていない部分が残ります。

ここで、しばしば見かける「アナバーは副作用が強く、リガンドロールは穏やか」という対比について。この整理は正確ではありません。出てくる事象の種類は違いますが、確認すべき項目(肝機能・脂質・ホルモン)は共通しています。片方を選べば検査が要らなくなる、ということはありません。

> ここまで読んで、自分の場合はどう考えればいいか分からない、という状態でも自然です。LINEで無料相談を受け付けています。目的や今の状況を書いてもらえれば、一緒に整理します。何か買わないと答えないということはありません。

ケア剤とPCTは、どの薬に対して何が要るかで決まる

ここは混同されやすいので、役割ごとに分けて書きます。

サイクル後の回復(PCT) ← アナバー・リガンドロールの両方に必要

前の章で書いたとおり、どちらも自前のテストステロン分泌を抑え、そのぶんを埋めるものを体内に残しません。だからPCTは、片方だけに必要なものでも、あとから考えればいいものでもありません。始める前に手元に揃えておくものです。

エストロゲン対策 ← この二つでは主役ではありません

アロマターゼ阻害薬(アリミデックスやアロマシン)は、テストステロンのようにエストロゲンへ変換される化合物に対して使うものです。アナバーとリガンドロールはどちらもその変換が起こりにくいため、単体で使う場合に最初から必要になる場面は限られます。テストステロン系と組み合わせる段階になったときに検討するもの、と考えてください。

肝機能の確認 ← 両方に必要

前述のとおり、構造は違っても確認する理由は両方にあります。開始前・使用中・終了後の三点で見ておいてください。

個別に揃えるのが煩雑であれば、経口ステロイド・SARMs向け ケア剤セットベーシック(24,700円)にまとめてあります。

前の章で「本体価格だけで比較すると見積もりを外す」と書いたのは、この部分のことです。一周分の総額は、本体とPCTを足したものになります。

なお、他のSARMsも扱っています。増量より筋量維持寄りの選択肢としてOSTARINE Mk-2866 / 15mg * 50(13,600円)、筋力方向で語られることが多いTESTLONE RAD140 / 15mg * 50(14,300円)などです。

女性が検討する場合の注意

女性がアナバーを検討することはありますが、男性化(声の低音化、体毛の増加、月経の変化など)のリスクは常にあります。特に声の変化は、進行すると元に戻らないことが知られています。

リガンドロールについては、女性を対象としたデータがほとんど存在しません。データがないことは「問題がない」ではなく「分からない」です。この違いは大きいと考えてください。

妊娠中・授乳中の方、妊娠を計画している方は、いずれについても使用しないでください。

よくある質問

Q. SARMsはステロイドより体への負担が小さいのですか。 一般にそう説明されることがありますが、リガンドロールについては肝障害の報告が複数あり、テストステロンとHDLコレステロールの低下も確認されています。負担の性質は違いますが、確認すべき項目は共通しています。

Q. リガンドロールにPCTは本当に必要ですか。 必要です。外からアンドロゲン受容体に作用させる以上、自前のテストステロン分泌は抑えられます。そしてリガンドロール自体はテストステロンではないので、止まったぶんを埋めるものが体内に残りません。この状態を放置すると、倦怠感や気分の落ち込みが長引きます。

Q. アナバーの10mgと50mg、どちらを買うべきですか。 1錠あたりでは10mgが208円、50mgが429円です。同じ総量を摂るなら錠数の使い方が変わります。ただし、どちらの規格が適切かは想定している用量によるので、目的と合わせて考えてください。判断がつかなければ相談してもらえれば整理します。

Q. 両方を同時に始めてもいいですか。 一度に二つ始めると、効いているのがどちらか、合っていないのがどちらかを切り分けられなくなります。加えて、肝臓と脂質への負荷は重なります。まずどちらか一方から、というのが基本的な考え方です。

Q. 血液検査は必要ですか。 どちらを選ぶ場合でも、開始前に基準となる値を取っておくことをおすすめします。特に肝機能、脂質、ホルモン値です。使用中と終了後にも確認してください。具体的な項目や時期は医療機関で相談してください。この記事は医師の診断に代わるものではありません。

決めきれないときは

ここまで読んで、まだ決められないという人が多いと思います。それは自然です。この判断は、目的が増量なのか絞りなのか、経験がどのくらいあるのか、直近で健康診断の予定があるか、PCTの準備ができているか、といった条件で答えが変わるものだからです。記事の側で最後の一歩まで決めることはできません。

LINEの無料相談はこちらから

  • 自分の目的だとどちらが向いているのか
  • 規格はどれを買うべきか
  • PCTに何が要るのか、総額はいくらになるのか
  • そもそも今始めるべきタイミングなのか

こういった内容を、状況を伺いながら一緒に整理します。相談したから何かを買わなければいけない、ということはありません。今回は見送ったほうがいい、という結論になることもあります。

迷ったまま自己判断で進めるより、一度話してもらったほうが確実です。気軽に送ってください。

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注釈:本記事の記述の根拠と、前提について

本文の内容は、以下の研究報告を参照しています。いずれもPubMed(米国国立医学図書館)で実在を確認したものです。

  • リガンドロール(LGD-4033)を健康な若年男性に投与した第I相試験。3週間の投与で除脂肪体重が用量依存的に増加する一方、総テストステロン、性ホルモン結合グロブリン、HDLコレステロールの低下が観察されています:*J Gerontol A Biol Sci Med Sci*. 2013. PMID: 22459616
  • オキサンドロロンに関するランダム化比較試験のメタ解析(2005〜2025年):*World J Emerg Surg*. 2025. PMID: 41023744
  • 健康な成人が適応外でリガンドロールを使用した後の薬剤性肝障害の症例:*Cureus*. 2024. PMID: 39421081
  • リガンドロールによる肝障害の症例報告:*Z Gastroenterol*. 2023. PMID: 36257328
  • SARMsおよびサイクル後処置に関連した肝障害の2症例と文献レビュー:*World J Clin Cases*. 2021. PMID: 34141767
  • アナボリックステロイド使用者における心血管系への影響:*Circulation*. 2017. PMID: 28533317

読むうえでの前提として、次の3点を補足しておきます。

1. オキサンドロロン(アナバー)の臨床研究の対象について。 上記メタ解析をはじめ、オキサンドロロンの臨床試験の主な対象は重度熱傷患者です。体が筋肉を分解し続けている状態にある入院患者を対象としたもので、健康なトレーニング実施者を対象とした試験ではありません。本文で触れた効果の傾向は、使用者の報告と経験則を含んだものです。

2. リガンドロール(LGD-4033)の承認状況について。 リガンドロールは医薬品として承認されておらず、現在も開発段階にある物質です。長期使用の安全性を検証した試験は存在しません。本文で「長く使ったときに分かっていない部分が残る」と書いているのは、この意味です。

3. SARMsの「選択的」という設計について。 組織選択性は設計上の狙いであり、その度合いは化合物ごとに異なります。選択的であることは、体への負担がないことを意味しません。本文の副作用の章に書いたとおり、リガンドロールでは肝障害の報告や、テストステロン・HDLコレステロールの低下が確認されています。同様に、本記事で触れた他のSARMs(オスタリン、RAD140など)も未承認の物質であり、長期使用のデータはありません。

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